2009年5月23日土曜日

竹の開花、枯死:こちらも100年に一度の出来事




タケノコの煮物、タケノコ弁当は今が旬の食べ物であるし、昭和30年頃から市販されだしたプラスチック製品におされて数は少なくなったが日常の各種用具類、七夕祭り、どんと祭等祭事にも必ずといっていいほど使われている竹は私たちには欠かせない素材である。

そのめったに開花しない竹林が一斉に開花し、枯れようとしているのを目の当たりにした。
昨年の5月、国道313号の山間の岡山県井原市芳井町宇戸川あたりを車で走っていた時、この辺りの全山の竹林はほとんど黄色くなっていた。

 そして最近も群馬県富岡市下高尾の辺でも、竹林が黄色くなっているのが目に付く。この現象は全国的なのだろうか。

85歳になる叔母は「どうしたんじゃろか、うちら辺の竹も枯れ始めた。何か起こるんじゃろか」と心配する。子どもの頃は、竹が枯れると何か悪いことが起きると言われていたものだ。従兄弟は「竹は60年位すると花が咲き枯れるが、また新しくなる。枯れたらそれで終わってしまう松とは違う」という。

 「何か悪いことでも起きるのでは」と言われてみれば、金融危機に伴う世界的な不況は100年に一度と言われている。しかしこれは自然現象ではなく、人間の強欲資本主義が起こした結果だ。

 でも、メキシコを発端とする豚インフルエンザの感染拡大には驚く。弱毒性であったから死亡率が低いモノの、我が国ではまだ拡大中である。マスクの着用が増えて、生産が間に合わないとも言われている。これから一旦は下火になり、秋口から感染が拡大するだろう。それからが本当の一大事になる可能性がある。竹の枯死はそれを予兆しているのか。

 竹の開花、枯死を調べてみた。

竹は滅多に開花しないが、開花する時は竹藪の一部か全部に起こるという。開花は数年にわたり、その後全部枯れてしまう。開花の周期は30年、60年、120年説があるが日本では60年、120年説が有力らしい。原因は植物自体の周期性によるもの、植物成分の炭素と窒素の割合によるもの、栄養の状態によるものの諸説があるらしいが、凶年は迷信らしい(日本大百科全書 14 小学館 1987年)。

全山の竹林で起こっていること、この辺にずっと住んでいて80過ぎた人でも初めての経験となると栄養の状態でもなく、120年周期説になるか。何か悪いことが起きるというのは迷信だった。

思えば昔は、弁当箱も竹で出来ていたし、おにぎりは竹の皮で包んでいた。今は大量に安価にプラスチック製品が使われてきたが、廃棄となると厄介者になり収集運搬、再生処理と高いコストをかけてリサイクルしなければならない。不法投棄は環境破壊になる。

成長も早く、生命力も強い竹の魅力を改めて再認識した。環境問題を訴えるのであれば、まず竹製品の愛用をもっと考えてみたいものだ。

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