2009年6月20日土曜日

「見逃すリスク」の方が大きい西松建設違法献金事件

 政界の大物、しかも野党第一党の代表が絡む政治資金規正法違反事件ともなれば、検察の苦悩も分かるような気がする。
 折しも、官僚、自民党による長期政権による疲弊、あわせて麻生首相の人気の下落している時期での小沢さんの剛腕による政権交代の可能性も出て来ていたのだ。万一小沢さん側にマイナスの影響が出た場合は、政権交代は遠のき、国民の期待を裏切る結果に成りかねなかったのだ。
 今回の事件は、政治献金は法に則り届け出していれば問題はないとする小沢さん側の主張に対して、検察によると、献金者側である西松建設には公共工事欲しさの献金だったとすると、一時大問題になった政治腐敗がまだ続いていたことになる。しかも大物議員によってだ。
 一方、小沢さん側によっては「あっせん収賄」の疑いが濃い事件だ。私達は新聞で検察サイドの情報リークと批判されたニュースを毎日見るたびに、今時まだそんなことをしていたのかと唖然とした。しかし、以前の不動産取得での週刊誌との名誉毀損事件での敗訴を感上げると、政治にかこつけた金の亡者のような気がする。
 一時は恩師と見られていた故金丸さんが隠し金が暴露されたときに、政権交代に使おうと思っていたと弁解していたが、小沢さんは巨額の献金を何に使うために集めていたのか。
 政治献金は、内容がどうあれ、献金側がどういうつもりであれ、届け出していれば良いというモノでもない。その中身が問題であるのは検察の言うとおりだ。
 政治家は献金を受けるときは、政治活動を支援するための浄財であるかどうかを常に頭に置いておかなければならない。
 そうしなければ政治資金規正法の趣旨に反する。
 民主党の第三者委員会の報告書では、指揮権発動にも言及しているようであるが、今回の事件は「見逃すリスク」を犯さなくて良かったと考える。
 小沢さんは、未だ代表代行として総選挙を担当しているようだが、一歩退いたことは良かったと思う。
 今、政局は小沢さんの剛腕に頼る政権交代から、マニフェストによる政権選択の機運が出てきた。これが政治の常道だ。

写真:東京地検 秘書逮捕を受けての小沢さんの記者会見 2009.3.17 テレビ朝日 報道ステーション

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