2009年10月11日日曜日

国のダム事業の見直しで胆沢ダム(岩手県)は対象外か




本体工事未着工のダムは事業を進めないという事から、28のダムが事実上凍結になるという。42年前に工事に着手された八ッ場ダム、川辺川ダムも本体工事には未着工のため、当然対象事業に入る。
 計画段階のダムは当然としても、既に執行額が八ッ場ダムは約70%、川辺川ダムが約80%であるから、反対派は「当然」としても、地元は意見が割れるだろう(勿論この執行には問題があるが)。

 八ッ場ダムの工事現場に行くと、ダム本体工事に付随する仮排水トンネルは完成している。吾妻渓谷の景勝地に呑口構築物が忽然と姿を見せている。付け替え県道、国道、JR吾妻線の為に吾妻川両岸の急峻な山を削り取られて工事が進んでいる。このまま中止すると、この巨大な環境破壊はどうなるのかと心配になるが、付け替え国道、JRは完成させるという話もあるらしい。川原湯温泉地意外に住民は、それを望んでいる向きもあるらしい。

 それでも、旅館や土産物店の廃業で閑散としている温泉地、設備更新も出来ないで老朽化した温泉旅館をどうやって再生していくか。生活支援と言っても難題だ。

 更に用地買収でもJRは67%、国道は85%で買収は残っている。反対派はまだどんなに費用がかかるか分からない。「八ッ場ダムをストップさせる市民連絡会」は、必要性、効果がないのに巨額の費用がかかる。建設費や関連事業で約6000億円、起債分の利息を加えると国民の負担は9000億円近くなると試算して建設に反対している。

 事業費と貯水量から貯水量万トンあたりの事業費用を計算すると、八ッ場ダムは0.428億円/貯水量万トン、徳山ダム0.053,大滝ダム0.414,川辺川ダム0.199,胆沢ダム0.171で、温泉地の移転、移転住居の多さから八ッ場ダムは、費用のかさむ公共事業なっている。次ぎの大滝ダム(奈良県川上村)は、専門家の地滑りの危険を無視して進め、試験冠水で実際に地滑りが発生したダムである。

 八ッ場ダムの現場の地層は非常に脆く、完成後は地滑りの危険がある。

 ところで、岩手県の胆沢ダムはどうなのか。あの小沢さんの公設第一秘書が政治資金規正法違反で起訴されたが、小沢さんに献金したために、このダムが受注出来たと西松建設の元社長が証言しており、あっせん収賄の疑いもある公共事業なのだ。

 胆沢ダムは、洪水調整、灌漑用水確保、水道水源、19200kWの発電が目的で、平成21年完成を目指す。事業費2440億円、貯水量14300万トンの規模だ。既に事業費の66%が執行されている。

 小沢さんの地元であり、このダムの見直しはどうなのか。民主党は手を出さないのではないかと穿って見る向きもあるだろう。

 工事の現況を胆沢ダム工事事務所のHPで見ると、ロックヒルダムで既に平成15年1月に本体工事に入っている。提体盛立は平成16年に着手し、1350万m3の提体盛立のうち約80%の1000万m3が終わっている(平成20年10月)。移転家屋は79戸で既に完了している。

 本体工事は既に着工済みで、凍結や見直しの対象にならないようだ。

 地域住民を巻き込んでの数十年かかる公共事業は、一旦決まると中止しにくい。役人は一旦決まったモノを中止することは御法度なのだ。工事を推進するには、地域住民とのつながりが必要だ。難しい要求も聞かなければならない。便宜を図ろうとすれば税金を使うことになる。今、八ッ場ダムに関連していろんな事が言われている。

 公共事業の進め方、しっかりした基準を作成し常に見直しをし、適正な運用が出来るようにして欲しいモノだ。

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