2009年10月17日土曜日

羽田ハブ空港化は唐突な政策なのか







 関空について負担金や伊丹空港の関係、リニア問題などいろんな問題を抱えていた大阪府の橋本さんが、国土交通相の前原さんと会談したが、羽田のハブ化、関空については具体策がなかったことに大きなショックを受けたようだ。
 この前原さんの羽田空港ハブ化発言は、千葉県にも波及し、驚いた森田さんが急遽、前原さんと会談し、笑顔で納得した様子がメデイアで報道された。「誤解のないように、意思疎通が必要」ということらしい。

 この政策は、本当に唐突だったのか。

 成田は国際線、羽田は国内線でのすむわけで共存していた事は明らかなことであるが、 羽田は航空需要の増加から発着能力が既に限界に来ている。成田は夜間しようが出来ないし、今後の拡張は難しいらしい。どう考えても羽田の拡張しかないが、今2010年10月の使用開始を目指して工事中だ。

 久しぶりに羽田空港に行ってみた。展望デッキから離発着をしばらく見た。離陸は頻繁だ。誘導路には常に4~5機が滑走路に向かっている。前の機が離陸して上空を旋回しながら上昇している間に、次の機が離陸する。離陸間隔は40秒前後か。過密状態であるのは確かだ。以前、離陸間隔が短くて気流が安定しないままに次の機が続き、事故を起こしたことがある。

 離発着便を見ると、圧倒的にJAL機が多い。ジャンボ機は幹線を飛んでいるので問題なかろうが、それ以外は不採算が多いのだろう。地方空港が出来るたびに、JALが飛行を押しつけられる歪んだ航空行政も経営悪化の一因なのだろう。

 向こうに建設工事中の情景が見える。2010年10月新国際線ターミナル誕生と英語、中国語、韓国語で書いてある。1245億円かけて新滑走路(2500m)、誘導路、エプロン、管制塔を建設している。今回の拡張計画で、国際線が3万回増え、さらに深夜・早朝の国際線3万回も増えることになるらしい。発着回数は最終的に40.7万回(現在30.3万回)になるらしい。

 我が国の航空行政はどうなっているのか、国交省のHPを開いてみた。

 「空港の設置及び官吏に関する基本方針の策定について」(平成20年12月24日)によると、首都圏における空港相互間の連携のあり方で、経済財政改革2008の基本方針に従い成田は国際線の基幹港、羽田は国内線の基幹港との基本的役割分担し、両空港の一体的活用による、国際航空機能の最大化を図ると言う。また首都圏空港における国際空港機能プランに従い、今羽田は建設工事中だ。この機能拡大プランの中で、22年には羽田は昼間約3万回、深夜・早朝3万回の系6万回、成田は約2万回の計約8万回の国際定期便を実現できるのだ。

 ハブ空港化に関しては、国際拠点空港の記述があるが、成田、関空、中部が今後共に適切に応えると共に、東アジアと世界を結ぶアジアゲートウェイとしてネットワークを構築するという。

 羽田について国際拠点空港としての言及はないが、その要望も大きい事から狙っているのは誰にでも分かることだろう。

 前原さんは、成田、羽田の国際、国内のすみわけを撤廃することに言及したが、今までのしがらみがないだけに、思い切った政策を推進できるわけだ。

 東アジア地域における空港間競争の激化問題では、韓国の仁川国際空港を念頭に置いている。私の岡山の親戚は、海外旅行に行く場合近くの地方空港から仁川国際空港に行き、そこから目指す海外へと向かうのが便利だという。地方から東京、成田経由では不便なのだ。

 羽田がハブ空港になれば、経済も刺激でき成長に繋がる。採算の悪い地方空港を増やす悪例になった空港整備の特別会計の見直し、JAL再建への道筋も付けられるだろう。今までのように、関連自治体への配慮(?)などからはっきり言及できなかったことを民主党政権になって政策に対して説明責任を果たすようになったと見て良いのではないか。

 空港を持つ地方自治体は、どう思おうと羽田のハブ空港化は時代の要請であり、遅ればせながら推進しなければ国際競争にも負けることになる。

 とは言え、大きな難題がある。孫を保育園に迎えに行った帰りに、年配の方2人が騒音を測定されていた。何をやっているのかと思ったら上空に航空機が飛んでいた。ブオーンという低い音がしているが、騒音計には出てこないだろう。

 騒音問題だ。生活環境が悪化しているらしい。朝晩の本数が増えて子供の睡眠に支障を来しているという訴えがある。そのため航空機の侵入角度を変えたり、横田基地があるために空域問題もある。

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