2009年11月12日木曜日

「事業仕分け」を尻目に、鳩山政権が細川政権の二の舞の危険


鳩山民主党政権の目玉政策の一つである「事業仕分け」が国民の衆目の前で始まった。矢継ぎ早に飛び交う質問に、官僚が答えに戸惑う場面も出てくる画像で廃止や見直しの決定を見ると、悪徳官僚に必殺仕分け人が挑む構図は何やら時代劇じみたパフォーマンスに似てくる。

 しかし、「やっぱり」という官僚への疑念が湧いてくる。長野県をドライブしていると、両側を畑で囲まれた農免道路がある。最初は信号も少なく農作業に使われているのだろうと思ったが、時間が経つに従って信号も増え、アクセス道路も整備され、道路の両側はレストランや商業施設が埋まって来て、バイパスの様相を呈してきた例がある。

 仕分け人が「農道と普通道の境目がなくなってきた」と質問すると農水省の官僚は「普通の一般道の基準でやっていると、後回しになる」と必要性を訴えていたが、「農水省の予算づくりのため」との指摘は、かなり以前から指摘されていたことである。

 こんな事がなければ、改善はされないだろう。いろいろ批判はあるけれど、「事業仕分け」はあらゆる面で大きな効果がある。

 数十億円を「額は微微たるもの」と言ったり、「地方の現場にかこつけての外郭団体への支出」は税金を誰のモノと思っているのか。官僚の悪い体質がそのまま現れている。ムダあぶり出しの成果は別として、国民の声をしっかり官僚に教え込むことだ。

 ところが、その一方で、鳩山政権に暗雲が立ちこめたのではないかと危惧する。

 一つは、幹事長の小沢さんと官邸とのコミュニケーションがうまく行っていないことだ。

 二つ目は、亀井さんの存在だ。閣僚の一人でありながら、事業仕分けをパフォーマンスと批判したり、民主党の公約である「脱官僚」に反する人事を強行し、それ以降の人事に公約とのズレが目立ち、内閣支持率も下落した。

 この官邸と2人とのコミュニケーションの欠如は、「脱官僚」に抵抗する霞ヶ関・官僚にとっては、政権中枢につけ込むチャンスであり公約に反する政策を打ち出せば、鳩山政権は瓦解に向かう。

 あの16年前の細川政権の二の舞になる可能性が大きいことだ。官僚に隙を与えてはならないのだ。当時官僚は言うことを聞かない官邸を避け、小沢さんが権力を握る党にすり寄っていき、環境福祉税なる政策を発表させ、細川政権は表舞台から去っていった。

 このことは「又そうなるのでは?」と皆心配していることだ。小沢さんが幹事長の可能性が出てきたとき、識者の指摘に小沢側近と言われている人は「小沢はあの時の失敗から多くのことを学んだ。2度と同じ失敗は市内から心配ない」とか「小沢は大人になった」とその心配を払拭する発言を繰り返していたが、何の事はない。逆に益々権力者に成り上がり官邸と一線を引いている。

 鳩山政権の瓦解も「官邸と党の二重権力構造」と「鳩山、小沢両氏の政治資金問題」のどちらが先か分からないが、可能性は十分にある。

 でも今回の事業仕分けを、「右から左へパッパパッパと出来るモノではない」とか「何やら公開処刑のようだ」と総理経験者や派閥の領袖が言うような自民党では、政権復帰への芽はないと思うが・・。

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