2009年12月8日火曜日

国益? 国民は疑い、政府は否定した密約


来年は日米安保50周年に向かって「普天間基地問題を解決しない限り、すっきりした気分で50周年を迎えることは出来ない」と岡田外相は発言している基地移設問題に加えて、日米間での密約文書の存在も問題化してきた。

 1972年の沖縄返還時の土地原状回復費400万ドルを日本が肩代わりした費用肩代り問題と、60年安保時と沖縄返還時の「核持ち込み」に関して密約があったと言うのだ。

 当時、毎日新聞の西山記者が外務省の女性職員の協力で、費用肩代わりの秘密文書をすっぱ抜いて大問題になった。当時の記憶では、密約内容よりもすっぱ抜きの行為がセンセーショナルに話題になったように思う。

 これらに関して、米国で公文書が開示され存在が明らかになったが、それでも自民党政権は存在を否定し続けた。麻生さんは「調査する必要もない」と言い切った。

ところが、「秘密文書」をめぐる情報公開訴訟で、当時の担当者だった外務省OBの吉野文六さんが文書の存在と金額について存在を証言し、さらに故大平首相の秘書官だった森田さんの証言も出てきた(大平さんは、秘密文書を公開すべきかどうか、大いに迷った唯一の政治家だ)。

 何時までも秘匿は出来ない。この辺で公開した方がよいと判断されたのだろう。

 外務省や旧大蔵省が、どうしてそう言う約束をしたのか。歴代自民党政権はどうし存在を否定し続けたのか。

 当時、国益をどう考えたか。

 沖縄返還は日本の長年の課題であり、更に事前協議から艦船の寄港を除外し、有事の際の沖縄への核兵器の再持ち込みの合意は、米の核の傘で日本の安全を確保することが当時の国益だったのではないか。

 当時核持ち込みなどは、国民の大方は知っていた。疑惑があると言うことで反対運動もあったと思う。核を持たない軍備など考えられなかったし、米軍基地があることによるいろんな問題は局地的問題だった。密約を否定することにより、大きな混乱もなく達成することが為政者にはあったのではないか。
 
 外交には秘密事項が付きものではあるが、主権は国民にある。情報公開は重要である。

 民主党議員が野党時代に情報開示を求めると、マジックで真っ黒に塗られた資料が渡されたが、政権与党になると、それが極端に減ったと言う。官僚は国益をどう考えているのか。官僚は特権的な身分ではない。職業としての国家公務員であることを忘れてはいけない。

 それにしても、普天間基地移転問題はどうなるのか。前政権との合意事項を望むワシントンは「猛烈に怒っている」と言うが、社民党の連立3党離脱の可能性を回避する為の鳩山案の一つであるグアムなどへの移転か、現実性を考え岡田外相の言う日米合意事項の履行しかないのか。

 日米ともに民主党政権にCHANGEし、「政治が変わるのではないか」という国民の期待は大きい。米国も米軍基地はどうあるべきか、新しい発想で再構築する必要があるのではないか。従来の在日米軍のあり方では、節目節目で、同じ問題が提起されるだけである。

 そう言う意味では、鳩山さんの言うグアム移転などは、良さそうな案だと思うのだが・・。

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