2009年12月18日金曜日

また政治に裏切られるのか







民主党は、先の総選挙で政権交代を訴えた時、国民に向かって「「政治に裏切られてきた」「どうせ変わらない」と言うだろう」とも言った。一方、自民党は現実を見据えた政策があると訴えた。

 野党時代の発想だから威勢はよかった。自民党政権の180度転換した政策を掲げなければ政権交代はなかっただろう。長期政権での省利省益、族議員が育む環境、官僚の不祥事が明らかになった年金問題などは、当然のことながら脱官僚、官僚依存から政治主導に傾いた。

 しかし、政権交代後の鳩山政権が直面した現実は厳しかった。

 連立を組んだ結果、日本郵政の新社長に旧大蔵事務次官を選任したことで「脱官僚」のスローガンが剥げ、その後官僚出身者の人事が続いた。普天間基地移転問題では、新たな日米同盟を築こうと試みた間ではよかったが、現実は厳しい。結論を先送りしたことで鳩山総理の指導力が問われることになった。

  政治の仕組みを替える意欲は理解できたが、国家戦略相の存在感は感じず、目指すべき経済社会、成長戦略は一向に見えてこない。法律を作らなければ権限がないのでは心許ない。

 ムダの排除では、鳴り物入りで「事業見直し」をした。自民党政権時代も河野太郎さんや中堅、若手の議員が、ムダの洗い出しをやっていたが、これ程までにメデイアが飛びついたのには正直驚いた。異論もあるだろうが、政治を国民の身近に感じさせた功績は大きい。限られた事業の見直しだったために、成果はそれほどでもなかった。しかし、鳩山政権での目新しさはここまでだ。

 民主党政権での2次補正予算、10年度予算編成は、マニフェスト実現も含めて、その力量が問われることになったが、一向に改善しない経済、景気対策では財政出動か、財政規律かが問われる。折しも予想を超える税収減は、赤字国債の限度枠44兆円にも波及した。

 初志貫徹か、臨機応変か。

 悩む(?)鳩山さんに救いの声がかかった。小沢さんが「国民の声」として民主党の要望事項を政府に提出した。その内容は、政権幹部が雁首そろえて議論するも結論が出なかった政権の政策に逆行するものも含まれていた。

 民主党政権は、ここに来て臨機応変の政策へと大きく転換することになるのだろうか。
国民の期待にそぐわない結果になりはしないか。

 私は、PDCAで政策の実現を目指すべきだと思うが、そのためには国民にしっかり説明すべきである。要望、陳情なしの事項もあるとなると、小沢さんの「天の声」ということになる。

 鳩山総理は、通常国会できちんと国民に説明できる政策の選択をして欲しい。そしてビジョンを持って国民に訴えるべきだ。勿論自身の政治資金問題についての身の施し方を国民に納得させられるかどうかだが。

 そうしないと、何やら自民党政権と変わらない様相を呈することになり、国民は又、政治に裏切られる羽目になるのだ。

0 件のコメント: