2010年1月4日月曜日

権力闘争しているときではない。与野党協同してこの難局にあたれ!


 鳩山さんの煮え切らない態度からどうしても小沢さんに注目が行く。小沢さんを権力者に祭り上げているのもメデイアの仕業としか思えない。その小沢さんが夏の参院選での勝利を至上命題に、民主党単独過半数確保を狙っているという。

 しかし、今年の政治・経済を見ても難題山積で、権力闘争をやっているときではない。政界一の権力者が「選挙に勝つ」ことしか頭にないなんて、余りにもお粗末である。

 今重要なのは、脱デフレ、雇用の創出、円高、株安などの国民の生活、日本経済を守ることであるが、民主党政権から期待される政策は見られない。と言うか、どの政党、誰が総理であっても同じことしかできないのだろう。

 民主党は「政治の仕組み」から見直すと訴え大きな支持を得たが、野党時代に考えた選挙公約も、実際に政権に就いてみると現実が大きくのしかかり,加えて税収の大幅な減収で、マニフェストを実行しようとすると、赤字国債の発行になる。財政出動か、財政規律か、曖昧な予算編成になった。

 財政再建には消費税増税が考えられるが、鳩山さんは4年間は増税しないと宣言した。増税は選挙では禁句らしいが、国民はそんなにバカではない。正直に増税を工程に入れたマニフェストの方が説得力がある。そう言う意味では、岡田さんが代表時代のマニフェストの方が訴える力があると思うのだが・・。

 自民党麻生政権の公共事業を削減したため即効性のある予算から遠ざかり、「コンクリートから人へ」の予算編成は景気回復にどの程度効果があるのかは疑問だ。

 大騒ぎした「子ども手当」も取りあえず半額から始まるそうだが、当初の景気対策(?)効果は薄れ、貯蓄に回るという見方もある。おまけに税制改革で、家族構成によっては不平等、増税の家計もでてくる。実際に増税として懐にひびくことになれば、「こんなことではなかった」と民主党政権から離れていく動きも出るだろう。

 公約違反も問題になりそうだ。英国などのように十分に検討され、コンセンサスを得て作られたマニフェストではないので、状況によっては変更もかまわないと思うが、裏切られたと判断する国民が多そうだ。

 政治改革も最重要課題であるが、政策一元化、陳情の幹事長室集約、官僚答弁の禁止など国会運営の大きな改革が進められようとしている。しかし、これに小沢さんが絡んでくると、何やら裏があるのではと疑いたくなる。

 政治改革だったか国会改革だったか忘れたが、審議会に諮問し報告の中から小沢さんが政策課題に取り上げたが、それを見て審議会の会長が「つまみ食い」されるのを危惧する発言をしていた。審議会のお墨付きで、自分のやりたいことだけをやる小沢さんの手法に疑問を感じる。

 通常国会冒頭から揉めそうなテーマが、相変わらず「政治とカネ」だ。鳩山さんと小沢さんの偽装献金問題は、次々に新しい疑惑が出てきて一向に解決しない。説明責任が果たされていないから疑惑は増すばかりだ。公明正大な政治活動を監視するために重要な政治資金規正法違反行為は、政治家倫理に関する重大事項である。そんな2人が政権の中枢に居座っていること自体が、日本の政治の汚点である。

 余りこのことが批判の対象にならないのは、「政治が変わる」方が重要と考えているためだろうか。鳩山さんもそこのところを見抜いた行動をしている。

 民主党の政治主導の実体も見えてきた。官僚が書いた政策をレクチャーしてもらい、大臣が自分の口で説明することなのだ(自分の考えを説明することではない)。この政権交代を革命だと言った人がいるが、そんなことはない。

  どの政党、誰が総理であれ、出てくる政策は同じようなモノだ。

 「政治は闘争だ」などと豪語して、一党単独政権を目指すより、与野党協同してこの難局を切り抜けることが、本当の政治ではないか。

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