2010年1月26日火曜日

政局を見誤らないために。勝って勝因を、負けて敗因を

 自民党大会に招かれた楽天前監督野村さんが「勝に不思議な勝ちあり 負けに不思議な負けなし」と、勝っても反省しない処に自民党の落とし穴があったんじゃないかと指摘した。

 元阪神タイガーズの江夏さんも「負ければ必死でその原因を考えるが、私は勝ってもその勝因を考えた」と言ったことがある。偉大な実績を残した勝負師の考えは同じだ。

自民党は未だ、長期政権そして先の総選挙での敗因を総括できないところに、今の低迷があると見られる。

 一方で、民主党にも同じことが言えないか。

 先の総選挙で、想像を超える圧倒的な議席数を確保した。党の総得票数から考えても大きい数である。それは小泉郵政改革選挙の時もそうだった。今の選挙制度によるところが大きいし、25日の広島最高裁での「1票の格差」問題とともに、選挙制度の問題が指摘されている。

 今の選挙制度にあって、圧倒的多数で勝利したからと言っても、それをそのまま民意と受け取ったら間違うのだ。

 小沢政治資金疑惑問題が大きくクローズアップされる今、小沢さんは、幹事長職にとどまり、「自らの信念を貫くため」にも、がんばるんだという。衆参で単独過半数を獲得し、自らやろうとすることを、何でも通せる体制を築き、改革を進めることにあるのだろう。

 小沢さんも、土地取引に関する疑惑で、当初は検察と全面対決の姿勢を示していた。虚偽記載、不記載に関しても秘書がやったことで「自分は知らない」「関与していない」と言っていた。巨額な資金を、秘書任せで動かしていたこと自体が、国民の常識から考えればあり得ない。ところが、26日の記者会見では、「担当者に任せきっていたことは事実だが、それがもし間違ったと言うことをしたなら、私の代表者としての責任がある」と発言が変わってきたように思える。

 対検察戦術では、弁護士に任せていると発言していたが、新聞報道などの経過から見て、「その戦術が間違っていたのではないか」と思える。自分には圧倒的な支持があると見て、強気の戦術をとっていたが、一向に国民感情は好転しない処に小沢さんの落とし穴があったのではないか。
 小沢さんほどの実力者になると、その判断は政局に大きく影響する。プロの法律家に任せていては、民意を間違える。小沢さんは、世論調査などから民意を把握していたが、弁護士や側近議員のアドバイスで、民意に逸れた判断をしたのではないだろうか。

 今回の小沢政治資金疑惑は、「国権である検察の暴走を許さない」、「政権交代での政治改革を続行」、「金権体質を排除し公明正大な政治を目指す」のいずれかに重点を置くかによって判断が違ってくる。

 私は「公明正大な政治の確立」に重点を置くが、前二者では、小沢批判に組みしないだろう。小沢さん抜きでは、政治改革も民主党政権も持たないだろうとみている。

 しかし、それは思い過ごしではないだろうか。舛添さんも認めるように、民主党は優秀な人材を多数抱えている。試行錯誤はあるものの、「フレッシュでクリーン」な政権を築くことは出来るはずだ。

 小沢さんも、自分の信念を通すためには、小沢傀儡政権ではなく、自ら代表になり総選挙を戦い、勝利する必要がある。

 自民党は、敗因をしっかり考え、小沢民主党は勝因をしっかり考え、民意を汲み取った政権運営をやって欲しい。

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