2010年2月10日水曜日

「脱小沢」で、民主党の本当の政治を示せ


今になって、民主党を論じるときに、「大衆迎合」を避けては通れないようだ。その背景には、野党時代の予算根拠や政策背景の乏しいマニフェストを頑なに実行に移そうとする為に生じる巨額の財政赤字や、施策の混乱と小沢さんの「政治とカネ」の問題がある(勿論鳩山さんの母親からの巨額献金問題も解決はしていない)。

 更に、政権交代前に、小沢さんの政治手法を知る多くの識者が懸念していた権力構造と、異常なまでの党内掌握を目の当たりにし、総選挙前の「行け行け民主」「さあ政権交代だ」と迎合した者にとって、今の民主党の姿には違和感を覚えざるを得ない。

 結局は、期待した民主党の政策には現実論での検討に乏しく、急遽政権についたために、政権を担う意識に欠けていた面もあり、「大衆迎合」の政権移行に、禍根を残す結果になりそうだ。

 特に、良きに付け悪しきに付け、小沢さんの存在は大きい。

 今回、たまたま「不起訴」になったとは言え、100%有罪に持っていく決めてとなる物証が、今までの処、見つからなかっただけのことである。人により、その評価は違っても多くの疑惑が報道されたのは確かだ。

 小沢さんは、幹事長続投に「鳩山さんの後ろ盾がある」ことを強調する会見を行なっていたが、実情は違いようだ。小沢さんは「がんばって一生懸命やって欲しい」と言われたと言うが、鳩山さんのぶら下がり会見では、「そんなことは言っていない」という。「このままやっていいか」と聞かれたので、「はい」とだけ言ったという。

 代表である鳩山さんと、幹事長である小沢さんは、もっとしっかり議論すべきであるが、たった15分ぐらいの話し合いしか出来ないことに政権与党に不安を感じる。

 今、鳩山さんは、小沢さんと一線を画する動きをしているとも見られる。その一つが非小沢派の枝野さんを閣僚に選んだことだ。優秀な人材を小沢さんとの関係だけで干すなんてことはあってはならないことだ。

 小沢さんの立場は、何かトヨタのプリウスの苦情処理にも似ている。

 品質には自信があるトヨタは、車体の欠陥にしたくないだけに、フィーリングの問題と位置づけリコールを拒んできたが、世間の批判にリコールに踏み切らざるを得なくなった。
 民主党も、小沢さんを「金権体質、資質の欠けた政治家」にはしたくない。今まで小沢さんに付きまとった悪いイメージは、メデイアの作り上げたフィーリングの問題だと言っているようなものだ。しかし、90%の人は「説明責任を果たしていない」と思っているし、70%の人は「辞任すべきだ」と思っている。

 ここまで来れば、民主党は小沢さんをリコールすべきである。

 小沢さんは、今が潮時だ。幹事長を辞任し離党するか、議員を辞職し、騒動を収める公人としての責任がある。

 民主党は、「脱小沢」で本来の民主党の政治をめざし、政権交代に応えるべきである。

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