2010年2月5日金曜日

政治資金虚偽記載:やるべきことをやらずに、助かる不思議


政治家の政治活動は秘書と一体のものであるが、「秘書のやったこと」で法違反を逃れる政治家には、困ったモノだ。

 今回の小沢さんの土地取引に関する政治資金規正法での虚偽記載に関し、小沢さんは「知らなかった」「秘書に任している」と関与を否定する発言、供述を繰り返していた。4億円、或いはそれ以上の政治資金の動きに関与していなかったとは驚きである。

 しかも、一般人には考えられない現金でのタンス預金であった。金丸さんが逮捕されたきっかけは、ワリシンだったと思う。銀行や証券会社を通すと、カネの流れを容易に追跡できるが、現金では難しいらしい。

それにしても不思議な資金繰りだ。検察が疑っても不思議ではない。

政治資金規正法は、議員の公明正大な政治活動を、国民の監視下におけることを目的にしている。その政治資金収支報告書に、誤りがあってはいけないのだが、小沢さんには巨額な資金の虚偽記載(不記載)があったのだ。小沢さんは、単なる形式的ミスと言うが、本来は正確さを期さなければならないものなのだ。

 その収支報告書の内容を把握していないこと自体が異常としか言いようがない。

 今回の教訓の一つが、「政治家が本来やらなければやらないことをやらずに、助かった」ということだ。しかし、小沢さんは「代表者である私に責任がある」と、政治的、道義的責任に言及したが、どんな責任で、どうとるつもりなのか。政治家の責任とは、役職を辞任するか、議員を辞職することだと思うが・・。

政治家の責任に、「秘書の壁」などあってはならない。

問題が多い政治資金規正法を改正しようという動きがある。民主党は企業、団体の献金を全面禁止にしようと言う。自民党は、解党時に政党交付金をある団体に寄付することを禁止し返還するようにしようとしている。すべて小沢さんの政治資金の疑惑から出てきた問題だ。

ところが、政治家が自分たちの首に係わる法令をフェアーに作成するとは思えない。ここは政治資金を監視しているオンブズマンや市民団体に改正案を策定してもらい、議員立法で国会へ提出した方が良いのではないかと思う。
国民は、政治家に税金を盗まれないようにしっかり監視する必要がある。そのためにも政治資金規正法の積極的な改正が必要だ。本来やらなければならないことをやっていなかったために罪を逃れることなんて、あってはならないことだ。

田中正造が言う「国民監視怠れば、為政者盗人になる」という警告は、今も十分に生きている。

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