2010年3月7日日曜日

大衆迎合に惑わされず、あふれる情報をどう受け止めるか


 あの大衆迎合に流された感のある政権交代は「真夏の夜の夢」だったのか。

 毎日溢れ飛ぶ情報をどう受け止めるか? 大衆迎合に流されず、自分でしっかり検証し、その真偽を判断しなければならない。受け手の質が問われるのだ。

 今一番問われているのは、「民主党政権を本当に信じて良いのか」だろう。

 政権トップ2人が、「政治とカネ」のスキャンダルを抱えている現状は異常である。鳩山さんは「知らなかった」といいながら、贈与税を納付した。しかし、贈与は送る側と受ける側が了解しなければ成り立たないことである。今回は鳩山さんは「知らなかった」のだから贈与は成り立たたず、脱税である。

 小沢さんの土地取引に何する疑惑では、検察が情報をリークし、メデイアを操作、小沢悪者の流れを作ったと国家権力への反感を煽った。検察など捜査機関の情報リークは確かに問題がある。しかし、検察の不起訴処分で小沢さんは「潔白」という判断には無理がある。

 私も以前、小沢さんが自民党を飛び出し作った新進党を指示したことがある。しかし、突然解党した。当時、岡田さんも言うように、なんら解党すべき理由が見あたらなかった。
考えるに小沢さんを取り巻く人間関係(権力関係)が小沢さんの意向に沿わなくなったのだと思ったが、残った政治資金の私物化も目的だったのかと疑う。

小沢さんの掲げる国会改革は、小選挙区制、党首討論、政治倫理審査会、族議員の排除、国会答弁の官僚排除など目的から考えると、見るべきモノがある。しかし小沢さん本人はこの改革とは異なることをやっている。

 小沢さん自身の「政治とカネ」の問題でどうして政治倫理審査会で説明できないのか。族議員排除と言うが、実際には民主党の幹事長に権限を集中し利益誘導、選挙のための集票マシーンになっている。先の永作県知事選では、以前の自民党にも勝るあからさまな利益誘導の戦法をとった。

 民主党が掲げた政策も予算面で無理が出てきた。まだ政権について半年だから、酷評も気の毒ではあるが、選挙目当ての耳さわりの良いマニフェストの達成率は5%以下という。

 特に予算編成には、これで良いのかと心配になる。一般会計の92兆円の内訳は、税収37兆円、その他11兆円、赤字国債44兆円。税収を超える赤字予算は先進国一の赤字国家だ。国の長期債務は800兆円を超えるが、国民の資産がまだ1400兆円あるので大丈夫という理屈も成り立つが、IMFは後10年で日本は行き詰まると警告している。

 景気対策も含め、「財政再建か財政出動か」が問われるが、民主党は財政再建(健全化)に軸足を置いた。

 消費税増税しかないだろうと国民は思っているが、票を減らす増税を口に出せない政権与党の苦しい立場がかいま見える。しかし、増税して政権を去ることも考えなければならないだろう。それが民主党か自民党かは分からない。

 小沢さんは、参議院単独過半数を目指し、参議院候補者を約90人公認し、更に2人区に2人を擁立しようとしている。衆参で安定政権を築き、自分の好む政治を進めようとしているのだろうが、自民党壊滅を念頭に置いているらしい。

 しかし、これは何時でも政権交代が可能になる二大政党制に反する。

 今、「どの政党に投票するか」のあるメデイアの調査結果では、民主党22%、自民党20.8%、みんなの党3.6%だった。確か今までの世論調査では民主党約30%、自民党約205弱だったことを考えると民主党は支持を落としてきた。

 政治、経済両面で難しい政局が続くが、小沢流政治にはどうしても疑問符が付く。

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