2010年6月16日水曜日

民主党政権の本音:「やっと現実が分かってきた」


「コンクリートから人へ」、「命を大切に」など理想論を掲げてスタートした鳩山民主党政権であったが、「公共事業の見直し」、「高速道の無料化」、「子ども手当」、「戸別補償制度」、「4年間は増税しない」、「政治主導」、「政治を根本から見直す」、「ムダを排除し9兆円を捻出」そして「CO2の25%削減で国際舞台へデビューするなど、今までの自民党政治とは180度の方向転換の政治を訴えた。

「民主党政権になったら変わるんだ」という錯覚を国民が抱いたのも、無理はない。

しかし、現実の壁は高すぎた。

バラマキ予算、直接給付は財源不足に突き当たり、やっと「子どの手当」の満額給付を断念した。先進国一の対GDP債務は、超党派での財政再建の審議会設置の提案になった。このままでは日本経済破綻が、現実のモノとなる。

税制改革、消費税増税問題は避けて通れないが、選挙での不人気あって堂々と公約に掲げる勇気に乏しい。

「公共事業の見直し」は、八ッ場ダム本体工事をストップさせたのは良いが、住民の生活再建のための付帯工事は進んでいる。整合性されないままに住民の混乱が続いている。

「普天間移設問題」も、沖縄県民の負担の軽減、自民党時代の日米合意との違いを織り込もうとする余り、右往左往し、総理の信頼を大きく落とす結果になった。

菅総理も、この日米合意を踏襲すると言うが、実施にあたっては相当混乱し、政権を揺るがすことになりかねない。しかし、常駐なき安全保障の理念からも全国民に米軍基地問題のあり方を問いかけたことは評価できる。

鳩山、小沢の退陣の要因になった「政治とカネ」の問題は、「知らなかった」「秘書に任せていた」では、何ら自民党時代とかわらない。自民党政権時は、閣僚クラスの議員が、辞めていったことを考えると、党内の自浄作用もなく、寧ろ擁護の動きもあり、これが民主党かと呆れるぐらいだった。

「政治主導」も、官僚の際限のない省利省益行動を考えると、国民の共感を得たが、多くの情報、行政のノウハウを持つ官僚を退けて、何も知識のない閣僚が自分勝手な解釈で政策を上げていった結果、混乱を来した。

菅さんは、「官僚をうまく使うこと」を提案しているが、何のことはない麻生さんが指摘していたことだ。

私は、先に「民主党再生:まず8ヶ月の総括から」という記事を書いたが、結局は「現実を知らなさすぎた」だ。

菅さんも理念として「最小不幸社会」を掲げ、強い経済、社会保障のために「第三の道」も目指すという。詳細は分からないが、臨時国会での審議で明らかにされるだろうが、参議院選での判断材料にするには無理な気がする。少しでも国会を延長して予算委員会などで審議すべきだった。

結局は、「やってみなければ分からない」のだ。菅さんは、「私を信じてついてきて」都訴えたが、「国民は半信半疑なのだ」と思っている現れだ。
写真:民主党スローガン「元気な日本を復活させる」 強い経済、社会保障、「第三の道」を提案するが、詳細は分からず、参院選の判断材料には無理。詳細を明らかにしないのが、菅政権の主旨か

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