2010年7月12日月曜日

ねじれ国会:「政策毎に丁寧な」国会審議は望むところだ


今回の参議院選は、民主党にとって事前の予想を遙かに超える44議席という厳しい結果になった。

昨夜のNHKの開票速報直後に、群馬選挙区で中曽根さんの当確が出て、民主党候補の敗北が決定した。何やら今回の参議院選を暗示するものだった。中曽根さんは八ッ場ダム続行派、民主党の比例で出馬した元群馬県知事で推進派だった小寺さんも落選し、八ッ場ダム問題は一層混迷の様相を呈している。

私も東京に引っ越しして、住民登録が6月23日で、ギリギリのところで投票することが出来た。東京選挙区は定数5人の処を24人立候補した。私は国会議員、公務員の削減を訴え区長として実績もあり、且つ大学が同じだった候補者に投票したが落選だ。

今回の東京選挙区は、事業仕分けで断トツの知名度のある蓮舫さんが立候補していたので、断トツのトップ当選なら有権者はミーハー的だという記事を先に書いたが、案の定170万票という2位の80万票の倍の大量得票を得た。

蓮舫さんは「事業仕分け」を専売特許のように利用していたが、これからの仕分け作業を民主党単独の政治ショーにしてはならない。これこそ超党派で国会でしっかり議論して欲しい政治課題だ。

それにしても、菅政権にとっては大きな敗北だ。昨夜のうちに早々と、「続投」の意向が伝えられたが、自民党時代の安倍政権に似てきた。小沢さんに近いグループからは、責任を追及する動きがあると言うが、相変わらずの党内抗争である。

反対に際だって目立ったのが、自民党の開票会場での総裁以下役職者が全員笑顔で、人差し指を立てている姿だった。51議席を獲得したのだから気持ちは分かる。野党になって初めて民意を得たうれしさだろう。

やっぱり、地方では自民党は強い。選挙区選挙できっちり戦う、それなりの地盤を持っている。一方の民主党は、労組などの組織に頼るしかない脆弱な地盤しかない。無党派層に頼る危うさも浮き彫りにした。

菅さんはじめ、民主党幹部は惨敗の原因に「説明不足だった消費税」を挙げている。しかし、超党派で議論を始めようと言っているのであって、直ぐに上げると入っていない。そこを信ずるかどうかは、菅さんを信じるかどうかだ。

敗因の原因としては、総理の指導力、マニフェストの実現性への疑問、菅さんはクリアーしたと言ったが、「政治とカネ」の問題はまだ解決していないことが大きかったのではないか。

菅さんは、これからが再スタートと言った。衆議院で2/3の議席を持っていないので、これからの国会運営は大変だろう。

しかし、国会がねじれ国会であることは、有権者が与えた結果である。民主党政権には「政策毎に丁寧な国会運営」が求められる。与野党がしっかり議論して、政権党の暴走を防止しなければならない。「政治主導「公務員制度改革」など民主党政権の政策が、ここに来て大きく変化していることにも注視すべきである。

一方、自民党も野党としての責任が大きくなった。ただ「反対、反対」では国民が納得しない。「政策、法案が通らないのは、野党がごねているからだ」と言われないようにしなければならない。
写真:開票結果を受けた菅総理の記者会見 「これからが再スタート」「総理続投」を訴えた。テレビ報道より2010.7.11

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