2010年7月23日金曜日

国益を損なう民主党の乱:政権を託する政党、総理はいないのか


参院選での民主党の過半数割れの結果、菅総理の求心力は落ち、惨敗の責任追及と9月の代表選に向けての焦臭い権力闘争の様相を呈し、民主党は混乱している。メデイアは小沢さんがこういった、鳩山さんがああ言った。菅さんは誰と会ったと毎日のように報じている。

この政界の混乱は、海外にも知れ渡っている。テレビのニュースで、ASEANフォーラムに出席する北朝鮮の外相(?)に当たる人物に、記者が「日朝会談があるのか」と質問したとき、薄ら笑いで「政権が安定してから」と言う意味の発言をしていた。

民主党内の権力闘争、菅内閣の支持率下落は「国益」にも反する事態なのだ。

何でこうも民主党は党内抗争の多い政党なのか。保守から革新まで幅広い考えの人が集まった集団だからか。

それにしても、各メデイアの世論調査の結果も不思議だ。菅内閣の支持率は下落が続くが、それでも菅さんは総理を辞める必要がないと80%の人が言うのだ。

確かに今回の参院選では選挙区、比例区共に獲得票数は自民党を上回ったが、議席数は大きく減らした。菅総理の唐突な消費税問題が敗因の要因だと、小沢さん、鳩山さんをはじめ多くの人が言うが、世論調査では60%の人が仕方ないと考えているようだし、同じように消費税増税を掲げた自民党は議席を減らしていない。

鳩山、小沢体制での「政治とカネ」の問題、マニフェストの大幅な見直し、選挙中の小沢さんの執行部批判など党内不統一に国民は「NO」を突きつけたのだ。

小沢さんは、鳩山内閣の支持率が大きく下落したことで、選挙に勝てないと見て辞任した結果、菅内閣の支持率が急回復した。自分が大きく貢献していると思っているらしいが、悪の小沢さんが身を退いただけのことだ。

更におかしいのは、菅さんが小沢さんに会って「お詫びしたい」というが、小沢さんは無視しているようだ。お詫びするのは国民に対してしっかり説明責任を果たすことであり、党内での保身を第一義的に考える菅さんに総理の資格はない。

小沢さんも、自身の「政治とカネ」の問題で何ら説明責任を果たしていない。さらに、バラマキ的マニフェストを見直すことに反対しているが、ではその財源がどこにあると考えているのか。地方をこまめに歩いていると言うが、票を獲得するために無理な約束をしているのではないかと疑う。

9月の代表選で自ら、或いは側近を立候補させ政権の座を狙おうとしているらしいが、ますます党内は混乱するばかりだ。

政治改革を目指しているのであれば、まず民主党内の改革から始めればいい。一番良い方法は、自ら身を退くべきことだ。

一方の自民党だって、選挙に勝ったは良いが、意気は上がらないようだ。谷垣さんでは物足りない。執行部も年寄りが多い。党のイメージチェンジが出来ないらしい。それでも総選挙を訴えている。

野党が、どう共闘していくか。民主党とどこが組んで、マニフェストがどうなるのか。法案が通らなければ二進も三進もいかなくなる。政治の停滞は、国民に混乱を巻き起こすだけだ。

国民はまだ民主党政権に期待している。菅さんも辞める必要はないと言う。でも政権交代の目玉だった「政治主導」も国家戦略局の諦めなど政策への信頼性の無さや菅政権の基盤の軟弱さは、政治の不安定さを増すだけだ。

党内権力闘争より、まず党内一致の政策を打ち出せ。
写真:民主党本部 相変わらずの党内の権力闘争、責任問題、政治とカネの問題で政権は不安定で、国益を損なっている

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