2010年7月7日水曜日

何故だ:まだ民主党に頼る不思議


本当に政局が読めない。鳩山さんから菅さんへ、支持率は60%までになったが、消費税発言で40%前後に急下落、菅内閣に対して疑心暗鬼の中での参院選は難しい判断を強いることになる。争点が消費税に特化される傾向にあるが、それでも言いっぱなしで議論が煮詰まらない。

各党は選挙後のキャステイング・ボードをめぐっての鬩ぎ合いをやっている。各党共に失点を少なくし、耳さわりの良い主張を繰り返している。消費税に対する主張は分かったが、他の政策はどうなのか。これが又、各党勝手なことを言っている。

当然のことながら、議席数の多い民主党、自民党の政策が重要になる。弱小政党は、多数党の暴走を抑制するブレーキのような者だ。

ところで、政権交代後のここ10ヶ月の民主党政権を見ると、「政権担当能力」に赤信号が付く状態だ。鳩山政権の時は、各閣僚が勝手にバラバラなことを言っていた。政権内不一致が各所に見られた。菅政権になるとマニフェストの大幅な見直しで、今度は政党内不一致が出てきた。無党派層の支持を得るには、この不一致は致命傷だ。

各社の世論調査を見ると不思議に思うことがある。内閣支持率は下落の一方であるが、どうして「まだ民主党に恋している」のか。

朝日新聞、読売新聞の世論調査を見ると、内閣支持率は朝日39%、読売45%。政党支持率は民主30(読売34)%、自民は15(18)%。比例区の投票先は民主30(28)%、自民17(16)、みんな6(7)となっており、内閣支持率は大きく下がっても、政党支持率は自民を大きく引き離している。

しかも自民党政権でも良いが、当分は望まないと言う。「今は、民主党に恋している」というのか。

政権担当能力に疑問符が付いたが、まだ民主党政権では10ヶ月しか経っていない。その本当の実力を見ていない。鳩山さんがダメでも菅さんがいる。前原さん、岡田さんに期待する向きもある。人材に事欠かないのが自民党と違うところだ。

自民党には、次の顔がない。あるのは高齢の領袖達だ。とてもじゃないが次代を任せる訳にはいかない。
自民党からは「我は」と思う人は離党して新党を立ち上げたが、みんなの党を除いてはパットせず、埋没の運命にある。

民主党も菅さんになって現実路線に舵切りし、自民党との政策の違いが狭まってきた。

しかし、一番心配なのは、「強い経済」とか「第三の道」など抽象的な表現でしか政策を述べない菅政策に不安が残る。国会閉会までの短い期間でも政策について議論していれば良かったが、菅さんは議論を避けた。

菅さんは、攻撃には強い政治家であるが、守りには弱い政治家だ。急ごしらえの政策では質疑が持たなかったのだろう。

自民党ではしばらく御免だ。民主党を中心とした再編に期待しているのか。幹事長を辞任した小沢さんにまだついて行っている議員がいることは、この再編に期待していることなのか。でも小沢さん含みの再編には反対だ。政局を小沢さんに頼る危うさは、嫌と言うほど見てきた。
写真:最近の読売新聞、朝日新聞の世論調査

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