2010年8月5日木曜日

このまま政権を民主党に託せるか


権力闘争に明け暮れていた野党時代の民主党が、マニフェストで政権交代を果たしたが、参院選の敗北で、菅総理の求心力低下で代表選に向けまた権力闘争が始まった。

参院選の敗因は、「政治とカネ」の問題が一向に解決していない。マニフェストは衆院選の時に比べ大幅に見直しされた。官僚主導から政治主導へ期待されたが、結果は混乱に終わり、財務省復権の様相を呈している。「開かれたクリーン政治」を掲げたが、鳩山政権での小沢さんとの権力の2重構造を呈し、政策のプロセスが全く分からない。野党時代に発言していたことと言行不一致が目立ち、強行採決に至る横暴な国会運営。そして唐突な消費税発言が挙げられている。

菅総理は、次の代表選での再選を目指し、党内事情に考慮して「自分の唐突な消費税発言」を主要因に挙げて平謝りである。しかし、財政再建は避けて通れず、菅総理の勇気ある発言は逆に評価されている面もある。

党内事情を考慮する余り、参院選の総括をねじ曲げると、本来の有権者の批判が分からなくなる。前の鳩山/小沢体制への批判が大きかったことは誰でも分かっていること。

政治を根本的に見直す考えは、多くの国民に支持されたはずだが、予算委員会の攻防を見ると、菅総理は低姿勢一方で、「元気な日本復活」の意気込みが伝わってこない。

期待された「国家戦略局」構想も先の政権で草案先送りになり、今回菅総理は「総理のアドバイス機関」とする意向を表明し、党内外で異論が出ている。官僚主導の本丸である財務省からの脱却を目指したのだから、その後退は国民に大きな不満を抱かせた。

「開かれた政治」にも本気度が見えてこない。党内最大グループの小沢さんは、政局の節目でいつも雲隠れ、裏行動に出る。表に出てきたときは政治の流れが違っている。小沢さんの政治手法は、民主党のモットーに反する。

そして今後の国会運営のあり方だ。

菅総理は「丁寧」に対応すると言い、この予算委員会でも低姿勢が目立つ。連立構想も思うように行かないらしい。政治の停滞が予想されるが、そうなると谷垣さんが言うように、「総選挙で国民に信を問う」ことになるが、菅総理はそうしたくないだろう

自民党だって、今までのような「反対、反対」では国民の信を得るようにはならない。谷垣さんが予算委員会の最後に言った「真摯に提案があれば、真摯に応じる」のが本音だろう。

普天間に始まる日米合意の扱い、雇用の創出、避けて通れない「財政再建」、迫っている予算編成、一向に国民の不信が払拭されない「政治とカネ」問題など、難問山積の今、誰が総裁になっても簡単に解決できる問題ではない。

9月の代表選に向け、いろんなグループが出来、勉強会を開いているが、権力闘争の感があっても、政策集団とは思えない。

又、国会審議の中で、今まで見えてこなかった民主党の暗部もさらけ出している。予算委員会での民主党の支援団体の実体が明らかになると、菅総理の歯切れも悪い。

だからといって、自民党への復権は、まだ先のようだ。

民主党にどこまで政権を託せるのか。今後の予算編成過程で、見極めていかなければならない。
写真:民主党本部 保守から革新まで幅広いグループの混成政党、権力闘争は絶えない。

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