2010年9月24日金曜日

ゲームショー2010:技術革新は認めるが、悪影響も否定できない







トランプが主だったと思う任天堂が、1983年にファミコンを開発したというニュースを聞いたとき、「たかがおもちゃ」と思っていたが、ゲームがブームを巻き起こすことを誰も予想しなかっただろう。

その後、スーパーマリオ、ドラゴンクエストなどヒットを飛ばし、今まではゲームセンターでしか遊べなかったモノが、家庭で出来るようになったのだ。2007年には、37%の人が、Wiiを買いたいと答えている。

市場規模も大きい。ゲーム産業の国内市場は2005年には1兆1445億円だが、テレビゲーム市場では2007年6769億円、2008年5826億円、2009年5712億円で逆に減少傾向にある。

簡単なPCゲーム以外にはやったこともなく、ゲームには興味がないが、テレビでのCMでスポーツ、フィットネスに応用されているのを見ると、技術開発も相当進んでいることが伺えるが、私は寧ろゲームが引き起こす社会現象に興味があった。

丁度、2010.9.18に「ゲームショー 2010」で一般公開されるというので、会場である幕張メッセに行ってみた。

薄暗いホールになかで、大音響と妙にリアル感のあるアニメ、戦闘シーンの画面が目に飛び込んできた。各ブースには体験コーナーがあり、この日は1時間待ちだ。大画面の壇上では、真剣な顔の若者がゲームをやり、その画面が表示されているのだ。人前でこれだけのことが出来るのだから愛好者なのだろう。

何よりも興味を引いたのが、操作する人の動きを画面内のキャラクター似反映させる体感ゲームだ。スポーツ、フィットネスに応用出来る。これなら何とか出来そうだ。

しかし、多くは格闘、戦闘ゲーム、少女アニメ(?)。高度なグラフィックとスピード感、キャラクター作成など技術革新が伺えるのは確かだ。ゲームは多様化し、ネット端末の普及や3Dなど、「ゲームは新章へ」の今回のゲームショーのテーマもうなずける。

この幕張メッセには、学会の研究発表会、産業の展示会、モーター・ショーなどで年に数回来るが、壁にもたれてしゃがみ込み、ボーッとしている若者が多かったのには驚いた。

この成長するゲーム産業の一方で、それが巻き起こす社会現象には注意しなければならない。

はっきりは分かっていないそうだが、よく言われるのが「暴力的になる」と言うことだ。攻撃性が高く、戦闘シーンで自分が主人公になると言うことで、現実と仮想現実が区別できず、中高生が引き起こす凶悪事件の背後にはテレビゲームがあると言われている。

「ひきこもり」など「社会的不適合」も指摘されているが、オンラインゲームではその依存性が問題になっている。

若い夫婦が、子供を連れて深夜ゲームセンターで遊ぶと子供が睡眠不足になりキレやすくなると言う。睡眠時間を取り戻すと治るというのだ。子育て中の親は気を付けなければならない。

1998年のネイチャーには、ゲームには覚醒剤や麻薬と同様の依存性があると指摘する記事が載っている。韓国ではオンラインゲームが止められない「中毒者」の存在が社会問題化し、「インターネット中毒予防センター」が相談にのっているという。韓国はこの面で先進国だ。

「フィットネス」ぐらいは手が出せそうであるが、現実と仮想現実をしっかり区別し、自らを律しなければ、間違った行動に出る危険はある。成長産業のジレンマだ。

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