2010年10月8日金曜日

検察捜査:筋読みが違ったら方針転換が常識では


大阪地検特捜部の検事が、筋読みとは違った状況に出くわし、証拠をねつ造してまで無理筋を通したために罪なき国家公務員を起訴してしまったことが明るみに出て検察組織に大きな汚点を残すと共に国民の信頼を大きく失った。

しかし、仕事に筋道をつけて進むのは当たり前のことである。

何でもそうだが、仕事は課題と、それに向かうプロセス(筋道)を付けて進めるものだ。その過程で想定外のことが発生し、筋道と違った場合は、勇気を持って方針転換すべきである。そうすれば、再検証して新たな方向を打ち出せるし、損失を最小限に抑えることが出来る。

方針を転換をして、当初の成果とは比べものにならない程、大きな成果を出した事例は、最も人気のあったNHKのテレビ番組「プロジェクトX」で知ることが出来たのはまだ記憶に新しい.

ところが、今回の検察は検察官一体の原則の元に外部からのチェックも受けることなく、検証を重ね方針の転換をすることなく、当初の筋書きを強行し大失敗した。

担当検察官の前田容疑者の考えたストーリーの強行が問題になっているが、その上司で前特捜部長の大坪容疑者が犯人隠避罪で最高検に逮捕されたが、証拠隠滅を「故意ではなかったと聞いている」と犯人隠避を否定、最高検のストーリー通りにはさせないと息巻いているという。

郵政不正をめぐる証拠品のFD改竄事件で、検察の間違ったストーリーを承認し上司が、今度は最高検の作ったストーリーに闘いを挑んでいるのだ。

検察リーク(?)の新聞報道からは、犯罪の成立条件を知り尽くした容疑者と最高検の鬩ぎ合いだ。取り調べを記録するノートが差し入れられたと言うし、可視化も要望されている。

話は変わるが、小沢さんの政治資金規正法違反事件の検察のストーリーは証拠不十分で不起訴だったが、検察審査会のストーリーは起訴すべきであった。

小沢さん関係者の取り調べの情報が新聞に流され、小沢さん=悪者の世論を形成したとして検察リークが問題になったが、今回の証拠隠滅、犯人隠避事件での検察リークは問題になっていない。小沢さんの時は「問題だ」と警告したジャーナリストも今回はダンマリだ。

何故だ。小沢さんでは良く「推定無罪」が叫ばれたが、今回の検察の事件は「推定無罪」はどうなっているのか。身内の問題として容認しているのか。

小沢さんの場合は、政治家の「政治とカネ」の問題、今回の検察の問題は検察組織自体の問題でもある。

しっかり検証し、正しいストーリーはどうだったのか、国民の前に明らかにすべきである。
写真:検察庁 検察の厳しい検証が求められる

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