2010年10月11日月曜日

池上本門寺「お会式」:日蓮聖人と手を結び、一時の教えを(1)











日蓮聖人が健康を害して、身延山から身を癒やそうと常陸に向かう途中立ち寄ったここ
池上でなくなったのが1282年、今年も池上本門寺で729年目の報恩感謝の「お会式」(10月11~13日)が始まった。

東京へ引っ越して、池上本門寺も近く、家も代々日蓮宗であったことから、前日10日、初日11日に行ってみた。

マンションから呑川沿いを池上方向に向かい、第2京浜の池上2丁目交差点を横切り本門寺界隈に出た。今まで何回か通ったが、素通りしていた大坊本行寺が日蓮聖人の終焉の地なのだ。今は「お寄り掛け柱、御会式の桜あり」の案内看板が出ている。

境内に「御会式の桜」が一本植樹されており、開花が始まっていた。咲き誇るのは利月らしい。

日蓮聖人がなくなった時、地面が大きく揺れ、時ならぬ桜が咲き誇ったという故事があるが、その桜がこれらしい。纏などにも桜をさすらしい。「地面が大きく揺れ・・」とはどういうことかと聞くと、偉人が亡くなるときによく言われる奇瑞現象だという。

10日は、池上本門寺の支院や末寺の代表でもある本行寺も本門寺も準備で大わらわの様相だ。

加藤清正が寄進したという96段の石段(此経難持坂)もケーブルの架設や、紅白の幕張中だ。

この日蓮聖人命日に行なわれる大報恩会も熱烈な信仰の高まりと共に、本門寺の「御会式」は益々盛んになり、1800年代後半には、歌川広重の浮世絵にも多く描かれている。今では東京の風物詩になった。

御会式初日の11日にもお参りした。

本門寺境内では大きな塔が建ち、結ばれた白い布の「お手綱」が、本堂に伸び、本堂内で緑、黄色、赤、ブルー、紫の5色のヒモに分かれて日蓮聖人の手に結ばれているという。「何で5色のヒモか」と聞いたが、難しい説明があった。何でも東西南北などいろんな意味があるらしい。年配者も若者も綱を手にして本堂に歩いている。日蓮聖人と手を結んでいるのだ。

善光寺でも同じことがあったが、善光寺は塔のてっぺんから綱がのびており、塔に触れるだけだったが、本門寺は低い位置に綱が結ばれているのでみんな手にすることが出来る。気分的にはこちらの方が、ありがたみが大きい。

本堂で、左右に23人ずつの僧侶、総勢62人で「南無妙法蓮華経」の読経が始まっていた。

しかし、風物詩として見るだけでなく、宗派に関係なく偉人の教えは、今も言い得ている。一時、考えてみることも大事だ。

日蓮聖人の「立正安国論」に中には「汝早く信仰の寸心を改めて、速やかに実乗の
一善に帰せよ」とある。その意味は公務に携わる人が市民の手足となって思いやりの心で勤めることだという。思いやりのない心で職務を遂行することは許されないとい。「人のふり見て我がふり直せ」だ(この項 日蓮宗新聞2010.10.10より)

確かにこのご時世だ。思いやりの心が欠けている事案が多い。

この「御会式」も明日12日がクライマックスだ。私達が元気である姿を日蓮聖人に見せるために多くの人出と、万灯行列で賑わうのだという。

明日、又行こうと思う。
写真上段左:本行寺の「お会式桜」 今開花し始めたばかり
写真上段中;池上本門寺の「お手綱」 白い布テープが日蓮聖人の手を結ばれている
写真上段右:纏(右下) 12日にはにぎやかに振り回される
写真下段:お会式のポスター

0 件のコメント: