2010年10月16日土曜日

おおた商い観光展2010:ユニーク商品の発想の原点を追う
















消費者が欲しい製品がないことが消費が冷え込んでいる原因だと言われている。ブームになり消費を押し上げる程の新製品が出て来て欲しいが、そこまで行かなくとも、新しい製品、ユニークな商品開発の発想の原点を追って「おおた商い2010観光展2010」を見学した。

ここ東京都大田区は、家族経営、小規模企業の製造業が集積し、ピーク時は9190の工場数で、出荷額は2兆円に迫っていたが、バブル崩壊、海外進出による空洞化で半減した。産出する製品は汎用品から特殊技術の製品まで多義にわたっているが、工業化の始まりは江戸時代の「麦わら細工」で、女性の手仕事だったらしい。

会場となった太田産業プラザには、近県の特産品の販売から、「巧みの技」のコーナー、写真展、羽田拡張に伴い国際便の増発で便利になった海外旅行のコーナーが設けられていた。

「工業フェア」とは違って、「巧みの技」のコーナーでは、風呂桶、太鼓、仏壇、切り子、爪切り、畳など日常使用する商品が多く、少し期待外れの処もあった。

その中で、「詰め替えそのまま」、「水書きグー」が面白そうだった。

「詰め替えそのまま」(sanki)は、家庭用洗剤など使い終わった後、詰め替えを買って、ボトルに入れ替えせずに、詰め替えパックにそのまま「ポンプ」と「ホルダー」を取り付けてポンプで必要量だけ、絞り出せる。

液漏れもしないし、手も汚さない。詰め替え時に起きる飛び散りや汚染なども防止できる。sankiは本来が、ガスのバルブ、乾式安全器を作っている会社で液漏れには強い。

「開発のきっかけは」と聞くと、社長が奥さんを亡くして、洗剤類の詰め替えに苦労されたらしい。自分の会社の技術を応用して何かできないかと考えた結果、このポンプの開発に至ったらしい。東京都大田区新製品コンクールで優秀賞を得た。今では年間15万セットの売れ行きだという。

ブースは人だかりで、説明を受けた客は、ほとんど買っていく。特別価格で通常の半値になっている。

もう一つは「水かきグー」だ(木と字の神林)。筆に水を含ませて加工紙に書くと墨で書いたようになる。水が乾くと又、元の紙に戻る。1000回繰り返せるらしい。書道の練習にはうってつけだ。うまくなったら半紙に書けばよい。

紙を手にとって裏返しながら、どうなっているか調べていたら、「特に細工はしてありません。大手製紙メーカーが開発した紙を使っています」という。

開発の発端を、パンフレットから知ることが出来た。それによると、「乾いた道路の雨粒がおちると、白っぽかった道路が黒くなる。通常は表面が光を反射するために白っぽく見えるが、濡れると光りを透過して下地の色が見える」と言うことだ。

何度でも繰り返し使えることでエコロジーだという。エコロジーは今では重要なセールスポイントになる。シート3枚と筆で2000円の特価だ。孫にプレゼントするために買った。

この2つの商品は見ていて面白い。販売員が「今朝もテレビで紹介されました」と言えば、客も「今朝テレビでやっていたわね。これもらっていくわ」と商談が進む。メデイアの力は大きい。

職人さんの技に非常に興味があるが、今回の「匠の技」は、チョット期待はずれだった。

外に出ると、各県の特産品などの販売と、鮎ではなくニジマス(?)の塩焼き、山形牛の牛丼、大田区ご当地B急グルメで「東京太田汐焼きそば」に列が出来ていた。
写真上段左:虹鱒の塩焼き
写真上段右:ご当地B級グルメ 大田汐焼きそば 300円 長蛇の列ができていた
写真中段左:「詰め替えそのまま」 写真では製品の全体像が分からないが、ポンプとホルダーからなっている
写真中段右:「水書きグー」 実演販売 エコロジー製品とうたっている
写真下段:大田産業プラザ会場内 10/16~17

0 件のコメント: