2010年11月1日月曜日

特別会計は「すき焼き」ではなかったのか


自民党時代に財務相だった塩川さんが、一般会計を「お粥」、特別会計を「すき焼き」と表現した。熱の冷めつつある事業仕分け第3弾が始まったが、埋蔵借金が出てきて、「すき焼き」どころではなくなった。以前、幹事長代理だった細野さんがテレビのキャスターの事業仕分けへの期待発言に対して「借金もある」と発言していたのを思い出す。

塩川さんは、「母家で親は「お粥」を啜っているのに、離れでは子供が「すき焼き」を食っている」と一般会計は国会で審議され厳しい財政になっているが、特別会計は誰のチェックも受けず、官僚の都合の良い財布になっていることを指摘したのだ。

一般会計は92兆円に対して、国会の審議を受けない特別会計は176兆円、何かあるだろうと疑いたくなるのは当然だ。

民主党は先の政権交代を目指した衆院選のマニフェストで、一般会計、特別会計あわせた総額207兆円の国家予算を全面組み替えで、新たな財源16.8兆円を生み出すと街宣車の上で鳩山さんは強調していた。

特別会計をゼロベースで見直すというのだ。

ところが、ムダ、埋蔵金は思うように見つからない。民主党議員は4年間での約束事だと言い出した。第3弾に至っては借金が明らかになってきた。特別会計の事業を一般会計化すると借金まで負うことになり、国民の負担が増えるというのだ。

事業廃止もあるが、見直し、予算圧縮評決も多い。借金は33兆円(?)程あるらしい。「すき焼き」ではなく、「肉じゃが」程度だ。それでも贅沢だ。

今回の第3弾では「削減の目標値は設定しない」と早々と予防線を張っていたが、仕分け議員などは期待できないことがすでに分かっていたのだ。パフォーマンスと批判されても仕方ない。

事業仕分けのあり方にも問題がある。

以前「廃止」評決されていた事業が姿を変えて継続しているらしい。当時も「政治判断」と言われていたが、第3弾後半では「再仕分け」が予定されている。是非聞いてみたい。

自民党でも、事業仕分けの検証のためのプロジェクトチームを発足させるらしい。
特別会計の見直しは、法改正が必要になるモノもある。野党の協力がなければ難しくなる。そのためにも事業仕分けは与野党合同でやるべきなのだが。

事業仕分けは、蓮舫さんが衆院選東京地方区で170万票を獲得するほど事業仕分け=蓮舫だったが、今後はそうはいかないだろう。

特別会計は、民主党が言うほど酷い内容ではなかった。逆に特別会計に係わる法案審議では民主党も賛成したのであれば、民主党にも責任はある。

今までは「反自民」、自民党政権のやったことと高をくくっていても、今後は民主党政権の政策を事業仕分けすることになる。すでに年金特会では長妻さんがやっていた政策が見直し評決を受けた。長妻さんは、「一円たりともムダがなかったとはいわない」と弁解していたが、難しい展開になるだろう。

しかし、政権交代の主要な政策で国民の期待に応えられなかった点で、民主党は一度国民に謝罪すべきである。
写真:事業仕分け第3弾 ワーキンググループB 2010.10.28

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