2010年12月12日日曜日

鳩山、菅政権に見る政権交代の実感とは


今の民主党政権を見て政権交代の実感は何だったと思うか。あの時、政権交代に向け民主党に一票を投じた人達は、どう考えているのか。期待が不満になり、失点が続けば、さっさと見切りを付け無党派層に戻れば良いが政権は支持を失い政局は混乱する。

本当は、仲が非常に悪いのに、政権に就きたい、総理になりたいの一心から外見上、「一致団結」、「政権交代しませんか」になる。

主義主張の異なるグループの混成である民主党だ。一旦政権の座に着くと主導権争いになる。民主党には綱領がないと言われているが、そんなモノ作れるはずがない。

1年しか持たない政権のウィークポイントは、指導力の無さ、政策の無さだ。政権党内でも求心力を失い、鳩山さんをして「国民が耳を貸さなくなった」と言わしめた。この点は自民党の末期政権も同じだ。

総理の決まり方も変だ。一番最初に手を挙げ、支持を取り付けると流れが決まってしまう。鳩山さんや菅さんがどんな政治家なのか分からないままに決まってしまう。政界では名門の鳩山家、市民運動出身の菅さんと言っても政治的手腕が分かるものではない。

民主党は混成政党で、きちんとした軸足が決まっていないから国を脅かす事態が発生すると、あわてふためく。経験、知識もないから、国益を害することになる。尖閣諸島領土侵犯、中国漁船船長釈放問題にみる対中戦略、普天間移設問題など然りだ。

確かに事業仕分けで、官僚の予算策定の仕方が公になった。政策の発想、費用対効果で仕分け人から集中攻撃される映像は、胸のすく思いだった。でも特別会計は「すき焼き」ではなかった。

政治主導も稚拙すぎた。官僚を使い切っての政治家の最終判断なら良かったのだが、最初から経験、知識に乏しい民主党政権閣僚の政治主導だった。

国家戦略局構想が頓挫したために、政策の司令塔が欠けていた。各大臣が勝手なことを
言い、閣内不一致かと思われるシーンもあった。総理も決断できないから尚更だ。

私も「クリーンで開かれた」政治に期待した。しかし、鳩山、小沢さんの政治資金疑惑とその「政治とカネ」の問題処理に当たっては、とてもではないが「クリーン」にはほど遠い。

クリーンさでは、利権政治を忘れては行けない。自民党政権時代は族議員を中心に、利権が蔓延ったのは明らかだ。しかし民主党政権では小沢幹事長時代に自民党を上回る悪しき利権誘導政治が蔓延った。

情報公開を伴った「開かれた政治」も期待を大きく裏切った。国会審議での閣僚の答弁、仙石官房長官の定例記者会見を見るにつけ、何ら自民党と変わらない。国の情報管理のあり方を検討すると言うが、「開かれた政治」に逆行するものだ。

為政者は「国民目線」を素人の考えとバカにするが、情報公開、説明責任なくして健全な国民目線などあるはずがない。

政権党内での権力争いは、民主党政権になっても後を絶たない。小沢さんの国会招致問題は、民主党を2分するほどになってきた。親小沢がどの程度か分からないが、執行部の強硬姿勢に民主党が分裂する可能性もある。

また、民主党政権は民意に鈍感だ。自民党の方が敏感だった。

民主党へ政権交代して国民が得たモノは何だったのか。政治の混乱しかないのでは。
写真:政界を混乱に導くのか民主党

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