2011年1月28日金曜日

秒速170万円で迫り来る国の借金1000兆円







我が国の借金は、秒速170万円で今年度末に1000兆円に迫っている。この財政悪化を懸念して、米の格付け会社S&Pが日本国債の格付けをAAからAA―の4順位に下げた。あのスペインより格下というのだ。

円安になるだろうと見ていたが、一時83円台になったが、27日は71銭安で終わった。しかし、市場は警戒の目で見るだろう

IMFも以前、消費税上げで財政再建を急げと警告していたが、なかなか進まないと見ている。ある情報通は、IMFには日本から財務省などの役人が多数派遣されており、その人達の意見が反映され、それが政府・財務省の消費税あげの方針を後押ししているとも見ていた。

どうしても、財務省の影を疑うと素直に受け入れられない状況だ。

菅総理の進める「社会保障と税の一体改革」にも援護射撃するようなニュースであるが、菅総理は記者団の質問に「そう言うことには疎いので、改めてにさせてください」と、ニュースを知らない振りのコメントをする姿がテレビに映った。

何故、自信を持って「だから日本は税制再建を急がなければならないのだ。早急に税制も含めた対策案をまとめて、国民の皆さんの信を問う」と言えなかったのか。これでは財政に疎いと言われても仕方ない。

確かに日本の財政は厳しい。国債の評価が下がることは国の評価も下がることだ。国が責任を持津べきであるが、この国に力がないと見られかねない。

債務残高を財務省のHP「債務残高の国際比較 対GDP比」を見ると、債務残高は日本が断トツに高く2008年で170%、イタリアが117%、他は50~60%だ。この純債務残高から政府保有の金融資産などを差し引いた純債務残高でも日本は86.8%、イタリア90.7%、他は40~50%で、それでも日本は先進国で一番わるい。ただしこの資料は2008年度であって今はもっと悪化している。

財務省の「日本の財政を考える」に借金時計がある。1月28日午前7時10分では、908兆8664億58万6168円75銭を示している。猛スピードで借金額が積み上がっている。今後1年で54.6兆円増えるとすると秒速170万円だ。

日本には1400兆円の資産があり、国債の買手はほとんどが国民だから心配ないという意見もあるが、それも限界がある。真剣に財政に向かい合わなければならないが、削減策はあるのか。

消費税増税に反対する人は、まずムダの削除を上げる。当然の話だが、その削減がうまく行かない。事業仕分けも聞きに行ったが、根本的な特別会計の組直しではない。寧ろ特別会計は「すき焼き」ではなかった感がした。

国民と痛みを分かち合うには、国会議員自ら報酬、手当の見直し、公務員の削減、人件費の削減などを実施すべきだという国会議員もいるが、遅々として進んでいない。それで国民に増税を強いるなんてもってのほかだ。

政権を維持しようとすれば嫌われ者の財務省との距離が影響する。財務省が言うように事を運べば懐柔されたと言われ、政治主導をうたえば情報が入ってこない。内閣の支持率も大きく影響する。

財務省が言うように財政はピンチであることに違いはない。問題はその程度だ。ムダをトコトン削って、それでも財源が不足するのであれば仕方ないが、まだムダを削ったとは思われない。

国民は勿論のこと、市場を納得させる方策を強力に進めないと日本経済はズルズルと破綻に向かうコトになる。今、国債の金利は1.25%位だが、昔は6%だった。強い経済をうたうのであれば金利を上げて欲しい。

国債の格付け下げの感想を聞かれて、直ぐにコメントできない総理に、社会保障と税の一体改革を任せられるのか。不安が増すばかりだ。
写真上段左:純債務残高対GDP比 2008年度日本は86.8%で先進国中最悪 財務省HPより
写真上段右:日本の借金時計 1月28日午前7時10分 908兆8664億58万6168円75銭 財務省HPより
写真下:日本の借金が2011年度末1000長円になることを伝える読売新聞(2011.1.27)

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