2011年3月13日日曜日

平成23年東北地方太平洋沖地震(3):天災は油断した頃やって来る?


寺田寅彦が言ったと言われている「天災は忘れたころやってくる」は、あまりにも有名は言葉であるが、天災を忘れてはいなかったが、油断した時に、やってきたのが今回のM9の超巨大地震だ。

予測された地震の規模と30年以内の発生確率を見ると、宮城沖地震がM7.5,発生確率99%、三陸沖南部地震がM7.7,7%,茨城県沖地震がM6.7~7.2,90%で発生確率が高いことが指摘されているし、数日前には三陸沖でM7.3が発生し、「何かあるんでは」と思った人もいるのではないだろうか。気象庁は、「特異なケース」とコメントしてはいるが、今回の超巨大地震の前震だ。

その結果、町がすっぽり消える激甚災害になった。大津波の爪痕を見るにつけ唖然とする。

この三陸地方は、今までも地震、大津波の被害にあった。50年前にチリ地震では多数の犠牲者が出、先のチリ地震でも災害にあった。年配の老女はその経験を活かして、地震発生後高台へ上っていき助かった。一方で、テレビで60歳代の男性が「こんなの生まれて初めてだ」とコメントしていた。

昔から貴重な経験をしながら、防災意識に大きな差がある。防災に年配者の経験が活かされていないのではないか。

総務省消防庁が、昨年2月のチリ地震による津波で避難勧告や指示が出た20都道府県の189市町村、対象人口約168万人の避難率は、3.8%にとどまったといい、06年、07年千島列島の地震では避難率はそれぞれ13.6%、8.7%であったことを考えると意識は低下している(朝日新聞2010.3.9)。

更に、消防庁の調査によると、青森県、岩手県、宮城県3県で避難指示、勧告となった地域住民のうち実際に避難したのは37.5%にとどまったという(2007人が回答)。「避難しようと思わなかった」が31%、「避難の必要性は認識しながらも避難しなかった」が26.3%になる。理由は「高台で浸水のおそれがない地域と思った」が52.7%、「他地域に到達した津波が大きくなかった」が19.2%、「小さな津波しか来ないと思った」が16.5%になっている(読売新聞2010.4.14)。

テレビなどでの情報を個人的に判断し、「大したことはない」と油断していることにならないか。

岩手県津波浸水予測図で、今回壊滅的被害を受けた越前高田市のシミュレーションを見てみた。

196年、明治三陸地震、1933年三陸地震、想定宮城県沖地震の津波の再来を想定、最大浸水深さを50cm未満、50cm以上1m未満から6m以上まで6段階で色分けされている。津波が押し寄せる時間だろうか「影響開始時間」は4~20分、津波の高さは予想は4~7mになるようだ。

平野部と思われる市街地は浸水し、気仙川を奥まで逆流することになる。南米チリ地震での津波で北上川では17~20km地点まで逆流したことが確認されている(朝日新聞2010.3.8)。

想定されている地震のマグネチュードは8.1~8.2であるが、今回はM9でエネルギーは大きく違うが、このシミュレーションは結構役に立つのではないか(地図だけでは場所が良く確認できないが)。

でも、いくら訓練や防災教育しても実際に災害が発生すると、いろんな判断をしなければならず、訓練通りにはいかない場合もあるが、地震発生と同時に高いところ目指して上り、助かった老女の行動はさすがとしか言いようがない。

私も東京へ転入した時に区のハザードマップをもらって読んだ。昨年の区の防災訓練には参加しなかったが、今年は必ず参加しようと思う。また、震災時の家族の役割分担で、小学校と保育園に行っている孫達の迎えが私の役目になった。


写真:岩手県津波浸水予測図(越前高田市)

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