2011年4月16日土曜日

他人事でない東日本大震災復興計画


20兆円を超える被害の出た今回の大震災の復興計画は、「スピード感がない」と批判されながらも構想会議が始まった。今後、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海地震の連動型超巨大地震の発生が危惧されている我が国で、この復興計画は「東北モデル」と限定した他人事ではないのだ。

未来を見つめ「新しい日本の希望」となるようなグランドデザインづくりが基本方針になっている。どんな案が出てくるのか興味のあるところだが、この会議が首相の私的諮問機関だと言うから心細い。菅さんの政権生命は危うい所に来ているからだ。6月までに緊急対策を提言すると言うが総理が替わった途端どうなるのか.

それにしても錚々たるメンバーを揃えたモノだが、未来都市の街作りなど非現実的な復興、地域住民の資力を越える開発、その地方の生産高を超える投資、政権や政治家の利権がらみなど「やってはいけないこと」も明確にしておくべきだ。さらに大事なのは「国民への説明責任」だ。

国が資金を見てくれるので、あれもこれもと計画して、後になって自治体に大きな負担がのしかかってくるようであっては復興とはほど遠い。

東北地方は今後も過疎化が進行するだろう。未来志向の街づくりで若者を呼び込める可能性などない。過疎化、住民の高齢化を前提に漁業、水産加工、農業、観光などその地域の特性にあった産業を再建していくことだ。

更に急ぐべきことは、明日の仕事をどう確保していくかだ。被災地の状況をテレビで見ると、復興に向けて立ち上がった企業家も紹介されているが、多くの人は収入源となる仕事を失っている。グランドデザインが出来なければ被災地の再開発も遅れ、仕事の確保も大きく遅れる。「現実的なデザインに希望を持てるようにしなければ」と思う。

復興資金をどう手当てしていくかも重要だ。

震災復興税とか言うモノが検討され、基金を新設しようとしている。消費税1%増は2.5兆円になるから2%で5兆円、5年で25兆円になる。でも今の時期の増税は、更に景気を押し下げる危険がある。 民主党のマニフェストを見直し、費用を捻出するのではなく、「特別会計の余剰金を使え」と提案する小沢系議員グループもいる。

また、これだけ税収が落ち込んでいるのに、公務員の給料が減らないのはおかしいという点から年間27兆円にも上る公務員の給料を20%カットすれば年間5兆円が確保でき、5年間で25兆円が捻出できると先の参議院選で訴えていた政党があった。

ここはみんなで支えないといけないと思うのだが、増税に至る我が国の財政の緊迫さ、財政の現状に財務省を信用できないのだ。国の財政について、広く議論し統一見解を出すべきだ。

この東北地方の被災地の復興のやり方は、今後起きるであろう超巨大地震による震災復興にも影響を及ぼすものである。否が応でも注目しなければならない。

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