2011年5月15日日曜日

逆説:菅総理 ここはパフォーマンスで乗り切れ



具体的な指示は何も出せず、リーダーシップに乏しい都批判され、この非常事態に野党との協同を目論むも「菅の存在」がネックになって挫折するが、本人は一生懸命やっているつもりだ。ここはパフォーマンスで乗り越すしかない。

国会の予算委員会での質疑を聞いていると、菅総理は「言い訳」ばかりで非を認めない。渡部恒三さんが自民党谷垣さんへの連立参加を打診した姿勢が悪いと批判され、持っていき方が悪かったと認めたぐらいだ。非を認めれば一気に支持を失うことが分っている。自分はその時、その時に一生懸命やっているのだと言うことか。

世論調査でも、内閣支持率は相変わらずの低調さであるが、一方で「菅でしかたない」と言う空気だ。「菅おろし」を考えても、後が思いつかない。野党自民党の谷垣さんでうまく行くかというとそうでもない。地味でリーダーシップに欠けるというのだ。先の統一地方選での政治ポスターでも、菅さん、谷垣さんの顔が見えなかった。

菅流「政治主導」がパフォーマンスと揶揄されがちだ。官僚に任せず、側近や参与などに相談するだけで独断即決、党内調整していては時間がかかりすぎ、まとまるモノもまとまらない。菅総理自身の決断しかないのだ。人は「パフォーマンス」と批判するが、政策決定に総理は目立つ立場にあるだけだ。

連立構想も含めて、今回の大惨事を与野党が協力して対応できる仕組みを作ろうとしたが、「菅さんの存在」自体が仇となってうまく行かない。広く意見を出し、対応しようと会議を20近くも設立したがうまく動かず、広域の大震災での対応の難しさがわかる。誰が総理になっても、そんなに代わり映えしないのだ。

統一地方選での敗北、マニフェストの見直しなど小沢系グループの「菅おろし」の動きもある党内抗争もネチネチして大きな発展がない。ガス抜きのため両院議員総会でも開けばいいものを「代表―総理の座」をかろうじて保てるとしても白日の下に晒すことになる。しかし、このまま党内のゴタゴタを放っておく訳にはいかないだろう。

浜岡原発停止要請は、何時起きても不思議ではない東海地震あるいは東海・東南海・南海地震の3連動型地震に対する安全確保のための期限付きの高度の「政治判断」だ。結果がポロッとでて、思考過程がブラック・ボックス都経団連会長は批判するが、いろんな人に相談していては何も決まらない。利権者の猛反対は目に見えている。

2~3年後の再稼働時は、原発のあり方が大問題になるだろう。恐らく稼働はむりだろう。

菅総理もエネルギー政策の見直しを発表した。原発比率50%など基本計画を白紙撤回し見直し、自然エネルギーにシフトするらしい。産業界でも反対意見はあるモノの賛意を表明する経営者も出てきている。

財政再建は難しいテーマだが、今のままでは財政破綻は目に見えている。財務相をやったために財務省に言い含められたと批判が相次いでいるが、もっと国会で日本の財政について議論すべきではないのか。

事業仕分けでは、特別会計は「すき焼き」ではなかったが、国会審議を見ると、特別会計にはまだ余剰金があるらしい。みんなの党の江田さんは、復興財源に増税ではなく、その余剰金を使えというが、財務省は難色を示す。

最後は、増税しか財政再建はないだろうが、今回の大震災の影響は大きい。復興構想会議での復興財源の提案で増税を言わしめようとしているようだが、増税と復興財源をゴチャゴチャにしてはいけない。

更に忘れてはならないのは、東電が「作業員の退去」を連絡してきたとき、菅総理は東電に乗り込み「退避すれば企業はつぶれる」と説得し事故処理の対応をうながしたことだ。今、かろうじて福島第一原発が安全を保てているのは、菅総理の功績だろう。事故処理工程表は今回のメルトダウンの発覚で見直しが必要になった。菅さんは言ったか言わなかったか分らないが、避難民は「20~30年は帰れない」という発言が現実味を帯びてきた。

菅総理は、今年度末までに見通しを出すと約束したが、菅さん自身がそれまで総理の座に居られるか。

日々、私達の「苛立ち感」は募るばかりだ。やはり菅総理の政治手法に問題があるのだ。ある時点で「政治の顔」を変え、国民の気持ちの転換が必要なる。

菅さん! 退くタイミングを失するな。

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