2011年6月23日木曜日

日本の経緯度原点、水準原点めぐり




































東経と言えば135度の明石の子午線が有名であるが、東経139度44分28秒8759、北緯35度39分29秒1572、これが日本の経緯度原点で東京都麻布台2-18-1に位置する。もう一つ、標高の基準となる日本の水準原点は東京都千代田区1-1-2の憲政記念館の庭にあり24.4140mだ。

この経緯度原点が今回の東北地方太平洋沖地震による地殻変動で20~30cm動いたようで、原点の変動量調査が始まったと言うことで、原点位置へ行ってみた。

JR浜松町駅を降り増上寺、東京タワーへ向かう。途中、東京タワーの頂部のアンテナ部分が地震の揺れで曲がったままになっているのが確認出来た。使用に支障はなく、近いうちに634mの東京スカイツリーに役目が移るので、そのままになっているのだろう。記念に残しておく方法もある。

東京タワーでは、鯉のぼりならぬサンマの幟が泳いでいる。被災地を元気づけるためか。

東京タワーを過ぎ飯倉交差点を横切り、ロシア大使館の角を左折する。警察の警備車や警官が至る所に立っている。道が狭いし通るのに勇気がいる。

ロシア大使館を過ぎ、アフガニスタン大使館の前に空き地が広がる。立ち入り禁止の黄色いテープがはったあり、6月21日~25日にかけて変動量調査を実施中の看板が立っていた。

原点の位置する処までは入れないが、調査のための高いアンテナが原点の上に立てられていた。

今回の巨大地震で日本列島の陸側プレートが大きく跳ね上がり、その反動で東北地方の太平洋側を中心に海岸部分の地殻が東側に移動し、沈降したらしい。海上保安庁の観測点では宮城県沖の海底が東南東に24m移動した。牡鹿半島では116cm、女川89cm沈下した。

東京も20~30cm変動したらしい。

私も工場の図面が必要だったために測量会社の仕事に付き合った事があるが、工場近くの「基準点」から等高線を出していく。この基準点も変わってくるのだ。この正確な情報がないと被災地の復興事業に影響するという。

飯倉交差点まで戻り、桜田通りを霞ヶ関から憲政記念館に向かった。今日の東京の気温は31.9度、暑い。

ここに日本の水準原点があるのだ。言われてみればローマ神殿風の豪壮な建家があるのであるが、以前に来たときはポンプ小屋ではないかと思ったぐらいで興味を引かなかった。

しかし、ここが東京湾平均海面を標高ゼロメートルにした標高24.4140mになるのだ。最初24.5000m賭されていたが、1923年の関東大震災で24.4140mに見直された。

暑くて喉も渇いたので、国会内売店に寄った。国会見学の学生が多い。霞ヶ関では地図を持って官庁街を歩く課外学習の学生もいる。今の菅政権、与野党の茶番劇をどう見ているのだろうか。

売店のお土産では、自民党谷垣総裁をはじめ数人の議員の似顔絵が入った「ねじれん餅」、今回の被災地救援活動が評価されてのことだろうか「がんばろう日本 ありがとう自衛隊」のお土産もある。菅総理のモノはないが小沢さんの「一兵卒」が棚に並んでいた。

私達が何気なく使っている基準の原点を巡って、ありがたさを痛感した。

(註) 10月18日 国土交通省が測量法施行令の一部改正を行った。


写真上段左:日本の経緯度原点 今変動量調査中 20~30cm変動しているらしい 2011.6.22


写真上段中:東北地方太平洋沖地震にともなう海底の動き 2011.4.7 民放テレビニュース


写真上段右:東京タワー頭頂部のアンテナ部分が曲がったままだ


写真中段:日本の水準原点


写真下段:国会内売店のお土産 時をよく反映している


 

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