2011年7月15日金曜日

「国政の福利は国民がこれを享受する」というが



今の国政は、本当に国民のためになっているのか。憲法前文には、国政の福利は国民がコレを享受するという。国政は、国民全体の利益、幸福のために行なわれることをようするのだ。

菅総理は居座り、次々に唐突に打ち出す政策が国民のためになっているのか。提言していることは正論でも、何ら検討された形跡もなく、実現に向けたプロセスも不明だ。おまけに菅総理を退陣させる動きも耐えないが、手詰まり感は否めず、そんな総理に国政を託しても国民に利益が出てこようはずがない。

財政再建のための社会保障と税の一体改革も時期を曖昧にした増税になったが、経済に与える影響を考えて賛否両論あるが、要は選挙で増税を訴えると負けるという議員のご都合主義で、どれだけ国民のためになっているのか。

菅総理は、久しぶりの記者会見で「脱原発」表明した。原発はフェードアウトするしかなく、将来は原発に依存しない社会を目指すのだという。「泥田に金の卵を産む鶴が降りてきた」と進められた原発行政も交付金などで立地自治体は潤ったが、事故が起これば多大な被害を被ることとなった。

代替エネルギーに再生可能自然エネルギーと言っても、メインエネルギーには為らず、火力発電になると燃料費高騰で国民への負担が大きくなるらしい。電気代が高騰すれば製造業の競争力は弱まり、海外進出になれば、戻ってこない空洞化が始まる。国民生活にはマイナスだ。

震災復興も遅れているらしい。あれほどあったガレキもテレビ画面を見る限り片づいてきたと思うが、35%位の処理率らしい。

よく阪神大震災復興と比べられるが、そもそも被害規模が違うし、阪神地区には大阪湾フェニックス計画で最終処分場があるし、近隣自治体で焼却処理が出来た。しかし、東北地方にはそのようなインフラの整備が遅れていた。復旧が遅れているのは当然かも知れない。

原発事故対応もメルトダウン、メルトスルーになると未知の分野だ。法律で定められた対応をやれば良かったのだが、菅さんによる一種の政治介入があり、かえって被害を拡大させた疑いは否めない。菅さんの私的諮問機関である復興構想会議が報告案を提出したが、それがどう活かされているのか、メデイアの報道には見えてこない。被災者の不満は高じるばかりだが、満足のいく処置を望んでも無理な話だ。

政治は、国民全員に利がある訳ではない。利のある人もいれば、不利な人もいる。そこを調整して実現に向けなければならない難しさがある。政党は票を得るために組織、団体の要望を聞き約束したことをマニフェストに表明する。しかし、国民の大多数はそんなチャンスはなく、我慢するしかない。

自分たちの選んだ国会議員が国政でどう行動しているのか。おおかたの国会議員はグループ、派閥、党の意向に従って行動しているが、最終的には自分自身のために利があるかどうかが行動規範だ。

退陣を言明していないと言う菅総理に対して、退陣を表明したのだから早く退陣しろと居座りを批判する異常な国会だ。それでも菅さんは何を考えているのか、やりたい政策を小出しにして今回は、「脱・原発」に言及したが、案の定、閣僚からは異論が続出氏、官房長官は「総理の個人的な思い」とまで言い切った。

閣内不一致、官僚排除の政権で、国民に利のある政策など推進できるはずはない。1日も早く菅総理は退陣し、政治を前に進めなくてはならない。そしてポスト菅がどうなるのかを国民に示さなければ、安心は出来ないのだ。

写真:霞ヶ関官庁街から国会を望む 本当に国民のための政治をやっているのか。「政治ゲーム」をやっている時ではない。

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