2011年7月20日水曜日

それでも菅総理を支えるのか



なかなか辞めようとしない菅総理が、早々と「なでしこジャパン」を官邸に招いて祝福した。改めて「諦めない」「まとめる力を学びたい」となでしこジャパンにあやかって続投意欲を表明する菅総理を閣僚、執行部はどう思っているのか。

ハシゴを外された格好の海江田経産相は、「時期が来たら辞める」ことを表明したが、他の閣僚は苦言を呈することはあっても、「菅内閣の一員だから・・」とか「目処が付いたらお辞めになるのでは」と質問をはぐらかす。

安住さんは、野党対策で苦労しているのに、予め何の相談もないと菅総理の手法を厳しく批判したが、岡田さんは従順さを示しながらも8月末で菅総理退陣のレールを引きたい意向だ。

菅総理を退陣させようと思えば、閣僚が辞表を提出したり、執行部役員が辞表を提出すれば良いものを、どうして誰も辞表の提出をしないのか。

菅政権は、民主党最後の政権の様相を呈している。ここで辞めればもう二度と檜舞台にはあがれない。ここは我慢してでも従順さを示しておいた方が得策と思っているのだろう。こんな事もあった。菅内閣不信任案が議論されていたとき、副大臣、政務官6人が辞表を提出したが、否決の号令が出ると笑顔で辞表を撤回した。

一体、民主党政権はどうなっているのか。今、国会では予算委員会が開かれている。NHKの国会中継を聞いていたら、みんなの党の江田さんが、期待されて政権に就いたのに途中で辞めてしまう。天下り規制、八ッ場ダム建設、中国人船長逮捕みなそうだ。脱原発だって個人的見解を記者会見で言っていると批判した。

これに対して菅総理は、3月11日の事故、避難で原子力に対する基本的な考えが変わった。2030年に原発50%を白紙にし、再生可能エネルギーにシフトする。安全保安院も独立した組織にする。これらの背景から考え方を述べたのだと答弁した。

また、江田さんは、民主党政治への認識はどうなんだ。言っていることを実行していないではないか。ある大メデイアが「民主党政治を組織運営の経験のない弁護士や政経塾出身が多く、組織を知らない人が組織を動かしている。マネージメント能力がない」と書いているが、どう考えるかと質問した。

これに対して菅総理は、一つの指摘として謙虚に受け止める。野党生活の中で、内閣は官僚に任せ、党の方でコントロールすると族議員化、政官業の癒着という従来の弊害を打ち破る可能性を持っていると認識を示した。 

更に江田さんは、総理が辞めるには3つの場合がある。「死亡」、「不信任可決」、「自ら辞める」だが、自ら辞めるしかないと迫った。

これに対して菅総理は、3月11日以降、何がやられて、何がやられていないか、いつも見ている。不十分な点も多々あるが努力している。原発事故も汚染では迷惑をかけたが、STEP1は完了。しっかり前進している。そうした責任を果たしていく事が大切だ。辞任時期は記者会見で真意を述べたと反論した。

そして、閣僚が反対しても全員罷免し解散することが出来る。この閉塞感を解散でリセット、タイミングを見て辞めて欲しい。脱・原発、TPP、消費税増税で国民に信を問えという。

「なでしこジャパン」は、最後まで諦めないで一致団結し勝利した。そこにはチームプレーがあった。菅総理も「最後まで諦めないでがんばる」と言うが菅政権は、本質的には菅総理の個人プレーだ。そこには一致団結して政治を進め、その福利を国民に享受させる可能性など期待できない。

菅総理は、責任を果たしていく事が大切だとし、原発事故対応もSTEP1を完了したと言うが、何やら政治色の強い発表だ。簡単に鵜呑みは出来ない。

退陣時期については、記者会見や代議士会で言ったことが真意だというが、曖昧な表現のために政局の駆け引きが続き、政治不信が募っている。

閣僚や民主党執行部が、こんな政治でよいと思っているのか。だとすると民主党は政権を担う能力はない。

写真:国会予算委員会で質問に答える菅総理 2011.7.20 NHK国会中継より

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