2011年8月5日金曜日

米国発世界同時株安:投資家は、どうして持ち堪えられないのか













オバマ大統領よ、何とか出来ないのか。投資家はどうしてもう少し持ち堪えられないのか。そう言いたいところであるが、世界経済の先行き不透明感から世界的規模での株安、米国の債務上限引上げ問題から来る基軸通貨の信用低下でドル安、円高が続いている。

東京株式は、ほとんどニューヨーク株式に影響をされる。過去9番目に当たる512ドルの大幅下げを受けて、東京株式も300円を超える下落だ。

円高も77円台の過去最高の円高を回避するために、単独介入し一時、80円台まで下げたが、円の買い戻しで78円台まで戻っている。大方が単独介入の効果に否定的だったが、そう通りになった。

円高対策が後手になっているとの指摘は以前からあるが、菅総理が財務相だった時が91円ぐらいで、理想は90円台中ぐらいとコメントして顰蹙を買っていたが、それからもう13円も高くなっているのだ。

でも、面白い見方をするエコノミストがいた。実質ベースでは大幅な円安なのだという。
95年4月と11年6月を比べて、ドル円レートは、それぞれ83.7円、80.5円であるが、米国の物価は100に対して150となっており、実質ドル円レートは83.7円に対して現在は120.7円だというのだ(2011.8.4.テレビ東京 WBS)。

米国経済も持ち直すので、円安傾向は続くだろうと予想している。でも投資家はそう言う見方をしない。

米国経済の減速懸念もあって、期待に反して円高だ。日本はまだ安全という意識があるのか、株が下がればドル安、円買いになる。

しかし、日本は決して安全ではないのだ。米国は14.3兆ドルの債務上限に近づいたということで2.5兆ドル引上げで民主党と共和党が駆け引きで揉めた。日本だって秒速170万円で債務残高1000兆円に迫っている。米国も債務が約1130兆円であるが、米国の国家予算は約200兆円なので約5倍、日本は92兆円なので約10倍だ。

コレでも日本は、まだマシなのか。国債の94%位は国民が持っており、国民の資産約1400兆円を考えると、まだ数年は大丈夫という見方なのだが安易過ぎないか。
投資家の運用資金は株価が下がれば、日本の国債に向かう。債券市場での長期金利は下がる。

更に、米国の財政再建は厳しい。2.5兆ドルの引上げが認められたとしても、それに匹敵する2.4兆ドルの赤字削減が要求されているのだ。

小さな政府を標榜する共和党にとっては、当然の要求かも知れないが、この財政再建が、経済の足を引っ張りかねない。来年の大統領選を見据えての事だろうが心配の種だ。

株価、ドルは、米国の発表される経済指標、統計資料に大きく影響する。5日に発表される7月の雇用統計が市場予想を下回れば、ドル売りは続くという。

ところで市場予想って誰が作っているのか。国の統計値は莫大な情報から作成されているはずだ。それを民間の機関が予想した数値と比較するなんて無理な話ではないのか。そんなことで株価や為替が変動しては堪ったものではない。

以前、エコノミストが自嘲気味に行った言葉に「予想はうそよ」がある。予想を逆に読むと「うそよ」と言うことになる。

機関投資家が、毎日の売り買いで利益を確保するのも分るが、じっくり持ちこたえて経済の安定、企業を育成することも大事ではないのか。

写真上段左:5日発表の米の雇用統計次第では、また円高に向かうという 2011.8.5 NHKおはよう日本

写真上段右:単独介入を発表するのだ財務相 2011.8.4 民放テレビニュースより

写真下段:過去の介入結果を報じる NHKおはよう日本 2011.8.5

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