2011年8月27日土曜日

求められる代表、首相:難しい課題を先送りしないリーダー







求めていた法案成立で、一定の目処が立ったとして、やっと菅総理の首相退陣会見があった。この3ヶ月は居座りによる政治空白と批判されたが、菅さんは「やるべき事はやった」と胸を張り、次の代表、首相には難しい課題を先送りせず進めていくリーダーと言いきった。

「菅さんにこんなリーダー像を聞くとは」と思う向きも多いだろうが、菅さんは国民の嫌がる課題にも果敢に取り組んだと言う自負があるのだ。100%とは言わないが、間違いのないことをやってきたと言ったこともある。

確かに菅さんには相反する評価がある。TPP、消費税増税、脱原発など何ら根回しもせず唐突な政策発表で進むどころか中途半端になっている政策が多い。復興会議の議長だった人がソウルで「市民運動出身のために能力に限界があった」とコメントしていたが、政治主導の履き違いで、官僚を遠ざけ、内閣府参与を重用した政権運営は、多方面から批判されている。

シカし、一方で原発事故時多くの自衛隊員を救援に派遣したり、再生エネルギー特別措置法で外部からの電力を電力会社が買い取ったり、赤字国債発行を可能にする特例公債法の成立は、菅さんが居座りで「退陣条件」にしなかったら成立する見込みはほとんど無かったのだ。

社会保障と税の問題も財務省に唆されたと批判されたが、先の参院選の敗因原因でもあった唐突な消費税上げ表明でも分るように、財政再建に政治生命をかけていたのかもしれない。

菅さんはそう言った国民が嫌う政策にも、先送りせず言及していたことを、その後の中途半端な状態や選挙を気にしての他の国会議員の批判にもかかわらず、誇りに思っているのではないか。

メデイアや学者も、その必要性を主張するも菅さんの政治手法には疑問を投げかける結果で終わった。

菅さんは、市民運動出身者らしく次から次へ根回しなしに政策を打ち出して、国民の人気を取り戻そうとしたが、一向に支持率は上がらず、寧ろ居座り批判で下落する一方だった。

おまけに自身の外国人政治献金問題、疑惑のある政治団体に多額の資金供与の疑いが明るみに出て、クリーンさが化けの皮を剥ぐ結果にもなった。

菅さんが総理の座を辞する決心をしたのは、一定の目処が立ったからではなく、恐らく
この政治資金規正法違反事件などのスキャンダルのためではなかろうか。

民主党は決してクリーンな政党ではない。小沢さん、鳩山さんそして菅さんばかりでなく、次の候補煮上がっている前原さん、野田さんにも献金疑惑があるらしい。いずれが総理になってもスキャンダル追求が心配されている。

難しい政治課題を国民に訴えるにしても、政治家生命にも係わる政治資金問題をかかえていては、説得力を欠くことになる。

代表選候補者は、身の回りの検査し、国民に一抹の疑問も抱かせない自信が無ければ、辞退すべきである。

身を潔白にして、リーダーとして振る舞うべきである。



写真:民主党代表選 候補者共同記者会見 2011.8.27 NHK中継より

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