2011年11月1日火曜日

歯止めのかからぬ円高:日本も財政悪化、それでも円を買うのか
















日本の財政状況は、先進国一最悪なのに何故、投資家の円買いで円高が止まらないのか。10月31日10時35分、テレビに為替介入のテロップが流れた。「必要な時がきたら介入する」と口先介入だと思っていたが、75円32銭で、財務省はやっと介入に踏み切った。安住さんは、「納得のいくまで介入する」とコメントし、断続的な介入を匂わせていた。

安住さんは、さらに記者団に「何ら理由があるわけでもいない」のに残念と、投機的な取引に不満をにじませていた。投資家は、短期的な利益確保に専念している。これでは経済が安定するはずがない。

欧州の財政危機、EUの封じ込め策への懐疑的な見方、米経済の低調さ、米の更なる金融緩和、米大手証券のMFグローバルホールデイングの破、はドル、ユーロの売り、消去法で円が買われる結果になった。

どうして日本の財政状況が先進国一の悪化を来していることが頭にないのか。

読売新聞(2011.10.29)によると、今年度の国の借金は1024兆円になる。赤字国債や建設国債など国債が約795兆円、政府短期証券が約171兆円、この中には為替市場での円売り介入の資金調達も含まれている。借入金は約58兆円だそうだ。国の借金は1年間に99.7兆円、秒速320万円で増え、個人総資産に近づいている。

日本は、95%が国内で資金調達されるために、個人資産にまだ少し余裕があるために余り騒がれないのか。

それでも債務残高は対GDP比200%で、先進国一悪いのだが、円が買われる。ドルもだめ、ユーロも駄目では、円しか残らない。

「円が危ない」とは認めたくないのだ。少なくとも短期的には円は逃げれない。

今回の円買い、ドル売り介入に経済界は効果があったというが、経済アナリストたちは効果は数日しか持たないだろうという。

日銀の白川総裁は、「為替相場の形成に相当の影響を及ぼす」と思っているようだが、11月1日は78円台で推移している。

経済評論家といわれる人たちには、もっと日銀は積極的に介入しなければならないと批判する。円/ドルの関係は相対的な量関係にあるという。数10兆円という大胆な金融緩和をしないと話にならないという。

でも、円売り、ドル買いの資金も借金になる。借金で介入し、おまけに買ったドルが円高では目減りする。為替介入はすべて国民の負担なのだ。介入効果が上がらないまま借金だけが残る介入が今までの介入だ。

投資家は、短期的に利益を確保できればいいだろうが、世界経済は混乱と疲弊していくだけだ。バチカンが「利己心を捨てろ」と提言しているのを投資家はどう判断するのか。

今は、ドル、ユーロから円に移っているが、逆に円からドル、ユーロに移りだしたらどうなるか。

写真上段左:介入後の円の推移 テレビ東京WBS 2011.10.31より

写真上段右:日経平均株価の推移 テレビ東京WBS 2011.10.31より

写真下段:政府・日銀の介入を報じる読売新聞 2011.11.1

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