2011年11月29日火曜日

大阪ダブル選挙:維新圧勝と言っても支持は30%



大阪W選挙となった知事、市長選挙も橋本さん率いる維新圧勝と言っても、賛成したのは投票率、獲得票から全体の約30%、政治にリスクは付き物であるが、このまま橋本さんに託して突っ走るのか「大阪都構想」の感がする。

NHK出口調査(2011.11.28 クローズアップ現代)でも分かるように60%の人は大阪再生を託して維新の会を支持したのだ。長い間、大阪は地盤沈下に悩み関西経済の疲弊は大きな社会問題にまでなっていた。

そこで大阪府、大阪市は行政の無駄をなくし、集中投資で景気を回復させるため、大阪都構想を打ち上げた。橋下さん率いる地方政党・大阪維新の会は、大阪府議会で単独過半数、大阪市議会では第1党にまでなったが、なかなか言う事を聞かない大阪市に橋下さんは自ら乗り込み改革を進めようとした。

結果は、橋下、松井両氏の圧勝の感がするが、投票率、獲得票数から考えると、橋下さん支持は全市民の約36%、松井さん支持は全府民の約30%で、「大阪都」という大きな行政機構・地方自治改革を目指すにしては圧勝、完勝とはいえないのではないか。

テレビ報道を見ていると、不安を抱いている有権者も多い。このまま突っ走って、後で失敗ではどうしようもないというのだ。しかし、「何とかしなければ」と期待して支持した有権者も多い。

政治にリスクは付き物であるが、「大阪都構想」のメリット、デメリットをしっかり府民に提示すべきだ。改革し無駄な投資を止め、効率的な投資で景気が本当に回復するのか。大阪を8~9、堺を2~3の特別自治区にし、区長を公選し、住民サービスは区、広域行政は都が担当するという。

でも、区長、区議会議員、区議会の維持管理に相当の行政コストがかかるのも間違いない。橋下さんは大阪府の赤字を解消し、黒字に持っていった業績、経験がある。「オレの考えに反対のものは辞めていけ」と発言したことに独裁色を匂わすが、大きな行政改革は強いリーダーシップが必要だし、「数は力」でもある。

今後は、構想案を具体的に提示し、議会承認→住民投票→地方自治法改正のステップを踏むのだろうが、住民投票は過半数の賛成が必要で30%程度ではダメだ。法改正は国会での仕事になる。既成政党がどう対応していくのか。スピード感、国民目線の欠如している国会議員に適正な対応が出来るのか。

期待よりも心配の方が大きい。

写真:喜びの橋下さん NHKクローズアップ現代 2011.11.28

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