2011年12月15日木曜日

参議院問責決議:無視することは民意に沿わず

一川、山岡両大臣が参院で問責決議を受けたが、野田政権、与党は無視し続投させるらしい。組織的に、いろいろ問題のある参院ではあるが、大臣の資質、野田総理の任命責任を問われたもので、国会の「ねじれ」状態を批判する事は勿論のこと、無視することは民意に沿わないのではないか。

政権をとったら強権面する輿石幹事長、仙石元官房長官など政権与党の態度は許されるものではない。

参院出身の一川、山岡両大臣が不適切発言、マルチ商法がらみでの不適任問題は先の国会で執拗に野党が追及した。国会審議を見ていてもこの程度の人間が大臣なのかとがっかりさせられたものだ。

そのそもが民主党内の対立構図を回避しようと、野田総理が党内融和を打ち出し、小沢系グループからの入閣者なのだ。今は有力者にのし上がった輿石幹事長の推薦もあって、野田総理自身が更迭を決断できない事情があるし、更に求心力を落とす結果にもなりかねない。

党内政治基盤の脆弱な総理の悲哀であるが、国民にとっても大迷惑な話だ。

ところで、参議院の決議を無視して政局を運営していいものなのか。

本来2院制を敷く場合、民意を正しく反映させ、多数党の横暴を抑制し議事を慎重且つ合理的にするためであって、「数」の政治に対する「理」の政治を要求していることなのだ。

現在の参議院は、衆議院のように「内閣不信任決議案」などを出す権限はないが、組織、活動、機能から考えて衆議院の2番煎じの傾向が強いけれども、「チェック機能」を持つことは否定できないのではないか。

衆議院が理想どおり国民を代表していれば、参議院は無用で、かえって有害であるが、今の衆議院は決して民意を反映しているとは思えない。

国民の信を直接問うていない野田総理にとっても、大臣任命には大きな責任がある。「適任者を配した」と抗弁しても国民の誰も信じてはいない。党内の実力者に気を使っているとしか思わないのだ。
今は、それもはかなく見えてきたが圧倒的多数で政権交代したのも民意であるが、「ねじれ国会」を作ったのも民意なのだ。

少しでも国民の信を得ようとするなら、謙虚に非を認めることだ。内閣支持率も30%台半ばとあっては、人間の常識に従った行動しか出来ないのではないか。

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