2011年12月11日日曜日

COP17主張対立で紛糾:政治課題として急ぐ付け?





毎年のことだが、今回も国連気候変動枠組み条約第17回締結国会議(COP17)が新枠組み交渉で紛糾している。関係国の思惑がらみで難航しているのだ。地球温暖化という科学的検証も十分でないままに、政治課題として急ぐことに無理がある。

「国内問題だって旨く処理できないのに、このような国際問題を進めることなど無理な話しだ」と当初政府高官がコメントしたことが思い出される。米国や中国のCO2大量排出国が不参加を決め込んだ京都議定書は、全ての国が参加しない状態では、その効果において最初から無理があった。

先進国と途上国では又考えに大きな隔たりがある。先進国は全ての国が参加する新しい枠組みが必要といえば、途上国は自分たちには削減義務のない京都議定書の延長を主張する。

COP17も京都議定書に変わる枠組みを決める作業部会を設置する議長案が提示されたが、表現に異論が出てまとまっていないらしい。それによると、来年COP18から始め、15年までに枠組み作り、20年に発行を目指し、枠組みも議定書か法的文書あるいは法的成果のいずれかを目指すというのだが異論が出て、「法的効力を持つ合意された成果」に書き換えることでまとまりかけたのだが、まだ協議中というのが11日の午前中の報道だった。

ところが、毎日新聞Webニュースで、京都議定書を延長することで合意したという。延長期間はCOP18で決めるとし、新しい枠組みでの温暖化対策について作業部会を創設、協議し、15年までに採択、20年に発効を目指すと決まったらしい。

会期が2日間延びる異常な締約国会議になった。

日本は、13年度以降は「移行期間」として自主的に削減に取り組むとしているが、6%削減は厳しく、いわんや鳩山元総理が提案した25%削減は困難だという。

世界全体の排出量の24%を占める中国は、20年以降に削減義務を負うとし、それまでは自主的に削減する意向で、自国に有利な削減目標を作るのだろう。

18%を占める米国は、生活スタイルが石油消費でもあり、温暖化自体を否定的に考える勢力もあり、オバマ大統領は苦慮しているようだ。

しかし、肝心なことだが、本当に地球温暖化はCO2人為説なのだろうか。科学的に十分な検証をやらずに、CO2説の独壇場になっているが、異論も多く出てきている。

その中で自然変動説がある。IPCCは気温上昇をホッケー・ステイック状に急上昇をしているとして0.6℃/100年を主張しているが、北極圏研究の世界的権威であるアラスカ大の赤祖父先生は、そうではなく気温上昇は直線的で、0.5℃/100年だという。そして現在の温暖化の5/6は自然変動要因、1/6がCO2要因だというのだ(「正しく知る地球温暖化」 赤祖父 誠文堂 2008.7.7)。

IPCCと違って、しっかりした検証結果だという。

CO2は主に人間活動によって生じるものであるから、その削減は大きな課題を抱えている。しかし、間違った理由で莫大な投資をし、それでも効果がはっきりしなかったら、どうなるのか。

一度、あらゆる分野の研究者が集まり科学的検証をしっかりやったらどうだろう。

無駄な投資を少しでも遅らせるためには、モタモタしたほうがいいのかもしれない。



写真:COP17を報じるテレビニュースより 2011.12.11


[後記]

12月13日、カナダが正式に京都議定書から離脱すると発表した。

理由として、世界の2大排出国の中国、アメリカが入っていないことは京都議定書が機能していないこと、そしてカナダが目指した6%削減には1兆600億円が必要で国民に強いる事は出来ないという。

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