2012年1月3日火曜日

本当に民主党は政治改革家集団なのか


民主党は、本当に政治改革家集団なのか。野田総理は、12月29日の党税制調査会、社会保障と税の一体改革調査会の合同会議総会で、民主党は政治家集団ではなく、政治改革家集団であることを力強く国民に示そうではないかと挨拶した(民主党税制抜本改革案骨子を了承)。

本当に政治改革家集団なのか。野党時代は、それぞれの分野のエキスパートが自民党政権に果敢に議論を挑んでいた姿を見ると、確かにそう感じたものだ。しかし、政権交代後を見ると「政治とカネ」の問題に始まり、自民党政権より悪い政権のイメージが焼きついた。

目玉であった政治主導もパフォーマンスに姿を変え顰蹙を買った挙句、官僚主導の政策決定が矢継ぎ早に続き、マニフェスト違反で民主党政権は政権交代の根拠を失ってしまった格好だ。

野田総理の「2012年新年のご挨拶」で、成長戦略を着実に実行し、分厚い中間層を復活させると繰り返す。そして「経済成長と財政健全化」の両立を図るともいう。常識で考えれば相反する目標のように見えるが、安心できる社会保障制度を構築すれば消費も増え、家計増、税収増で財政再建ができると言うのだろうか。

税と社会保障の一体改革に絡む消費税増税では、党内最大グループの小沢系議員が反対し、離党者まで出る結果になったが、一番苦しく、逃げてはいけない、時間的猶予のないテーマだと言う。

12月20日に収録されたTBSラジオ政府広報番組で「政府だけのそろばん勘定だと思われてはいけない」といい、行政改革、国会議員定数削減も不退転の決意でやるといったそうだ(読売新聞 2012.1.3)。

先の合同会議総会での挨拶でも、行政改革、政治改革にも言及し、先の臨時国会で成案にしていなければいけなかったと反省しているが、これにはスタンスの問題もあったようだ。

ここで、民主党は政治家集団ではなく、政治改革家集団だという発言が出てきた。

当初は与野党協調で進めようとしたが、うまくいかず「攻め」に転じたようだ。法案を先に提出しボールを相手方に投げると言う。「まず成案を持って来い」とは、野党も言っていたことだ。

でも、今は3党首の年頭挨拶でも分かるように、自民党、公明党は「解散・総選挙」に追い込み政権奪取の決戦の年と言っている。成案を提出しても何でも反対の立場では議論も進まない。

国会議員定数削減、国家公務員給与削減は、今盛んに言われている消費税増税とのセットではなく、復興財源とセットなのだと人道面を強調しだした。

人件費削減、定数削減を声高に主張しなければ国民、党内の理解も得られない事態になっていることを野田総理は悟ったのだろう。財務省主導に政治主導を加味することにより反対意見を抑え、国民の理解を得る作戦だ。

政権交代の意味にも多くの疑問が出ているが、政治、財政にたかっているシロアリを退治して働きアリの政治を実現すると、原点に立ち返りやり直す考えも示している。

ドジョウ→シロアリ→働きアリ→政治改革家、そのときそのとき、いろんなことを言っているが、改革派官僚だった古賀茂明さんを追放した民主党政権に改革家の顔を見ることが出来るか。

政治改革には、いろんなプロセスがあると思うが、こうもゴタゴタしていてはどうしようもないとも思えてくるのだが。

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