2012年1月25日水曜日

「大きな政治」より、まず「大人の政治」を


野田総理の施政方針演説
2012.1.24NHK国会中継
今、求められているのはわずかな
違いを喧伝するのではなく、国民
の秦の利益、この国の未来をおも
んばかる「大きな政治」だと言う。

野田総理、今求められているのは「大きな政治」より、まずは「大人の政治」ではないか。野田総理は施政方針演説で、求められているのは、わずかな違いを喧伝するのではなく、国民の真の利益とこの国の未来をおもんばかる「大きな政治」で、重要な課題を先送りしない「決断する政治」政治だといった。

今の国会での消費税増税論争を見ていると、民主党は、消費税増税は大義だといい、2009年マニフェストに載っていない消費税増税に不退転の取り組みをしている。一方の自民党は2010年の参院選でのマニフェストで消費税10%を掲げ、菅前総理も増税の目安は自民党案と賛意を示した。

しかし今、消費税増税に向けた事前協議の乗るように自公に誘いをかけているが、自公は「マニフェスト違反」の民主党の政策推進のための事前協議には頑なに拒否し、解散・総選挙で政権への返り咲きをもくろんでいる。

施政方針演説でも、自民党福田元総理、麻生元総理の施政方針演説の言葉を引用に思いは共有していることを強調した。福田さんは、当時のことを振り返って「あの時は本当に困った」とテレビのインタビューに答えていた。福田さんは小沢さんとの党首討論で、「誰に話をすれば進むのか、本当に困っているんです」と訴えていたのを思い出す。

今、その立場が逆転しているのだ。

自民党は反民主、民主党は反自民でなんでも反対をしていた。当然議席数に任せての強行手段しか解決策はない。それが、「ねじれ国会」でますます「決められない政治」へと拍車をかけた。

混乱の要因は、与野党立場が変わって政治手法に不整合が出てきたことだ。民主党は野党時代、何でもかんでも自民党政権に反対し、国民が自民党の長期政権に飽きてきたとき、政権交代の機運が高まり、なおさら、自民党政権に反対の立場を強行した。

ところが、政権交代し政権を担うようになると、今度は自民党の反対姿勢が政治にブレーキをかける結果になった。そこで出てきたのが、施政方針での自民党との問題の共有発言なのだろう。

自民党も「今更なんだ」と怒るのも当然だ。
そこのところを記者会見で問われた岡田副総理は「野党時代、そういうこともあった」と苦笑する姿がテレビで流れるのを見た。野田総理は、その反省もなく自民党に事前協議に参加させ政治を前に進めようとしているのだ。

今、要求されるのは、与野党立場が変わっても政治手法、政治姿勢は変わらない「大人の政治」が必要ではないか。

民主は反自民、自民は反民主でやっていけた時代は終わっている。反対すべきところは対案を出して反対し、協議して一致点を見いだせるものは協議していく政治姿勢が要求される。

自民党は、2010年の参院選で消費税10%をマニフェストに載せたが、今民主党の消費税増税へ向けた事前協議参加を拒否している。根底がひっくり返ったのだから国民に信を問えという。真っ当な意見に思えるが、万一政権に復帰したとき、消費税10%へ国民や野党の理解を得ることができるのか。

民主党政権は、「マニフェスト違反だ」という批判にどうこたえるのか、消費税増税への反対、慎重意見にどう答えるのか、そして党内の反対グループへの対応をどうしようとしているのか。これからの国会審議を通じて国民に説明できるのか。

熱意だけは伝わる施政方針であったが、新聞報道によると小沢さんは「朝早くから政調会部門に出席しても有権者は認めてくれない。選挙区へ帰って活動せよ」と選挙を念頭に置いた檄を飛ばしたそうだ。

こんな民主党および民主党政権に野田首相が言う「大きな政治」を期待できるのか。

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