2012年2月29日水曜日

民主党300万円「活動費」:カネで政治を動かすことの是非


また、カネで政治を動かすことの是非が問われそうなことが発覚した。新聞報道によると、民主党が消費税増税に反対している新人100人余りに「活動費」として一人300万円を配るという。党内の反対派を切り崩す意味もあるし、野党から消費税増税に「政権与党内すら統一されていない」という批判に対応した策なのだろう。

国会議員は一人一人が自分の自由意志で政策の賛否を表明するのが健全な民主政治のはずだ。勿論「増税は選挙にまずい」という自分の選挙を考えてのことであれば言語道断だが。

国会議員が選挙で選ばれるまでは公職選挙法があり買収や利害誘導が禁じられ、選挙人の自由に表明せる意思により公明かつ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発展を期するという。

ところが、公明かつ適正に選ばれた私たちの代表である国会議員が、委員会採決の前に党の方針と異なる考えの委員をすげ替えたり、国会での採択がカネで動かされることは健全な民主政治を害することにならないか。

古くは自民党が政策推進で野党の反対に会い、政治が行き詰まった時に、野党にカネを配って政局を打開していた。それが官邸機密費であり、国対政治でいう「潤滑油」として必要なのだという。かなりの税金が名目をはっきりしないままに支出されていたのだ。

民主党は、これを悪だとし政権についたら官邸機密費を公表すると約束したが、実際に政権につくと平野元官房長官は「そんなものあるんですか」と恍ける始末で、関係者もあることなので非公開を決めてしまった。

政権与党の政策を推進するためとは言え、カネで政治を動かすことは金権政治と変わらない。カネを配る名目が「活動費」であっても、その背景は変わらない。

私は先に「消費税増税:国会議員は一人一人が賛否と、その理由を明示せよ」というタイトルの記事を載せたことがあるが、有権者は自分の支持する国会議員の考えがどう変わったかを厳しくチェックすべきである。

まともな国会議員を選ぶ責任は有権者にある。

2012年2月28日火曜日

飽くなき消費税引き上げ:8%、10%更に5年を目途に次の改革


2月17日閣議決定された
「社会保障・税一体改革大綱」

野田総理と財務省が目指す飽くなき消費税引き上げは、8%、10%の段階的引き上げに続き、更に5年を目途に次の改革まで目論む「社会保障と税の一体改革大綱」が17日閣議決定した。

大綱は50ページにも及び、一体改革に盛り込まれた具体的施策を政府・与党が連携協力しつつ実現に取り組むというのだ。そして何よりも大切なのは国民の理解だとして、「明日の安心対話集会」も開催するという。

14年に8%、15年に10%の消費税増税スケジュールはメデイアの報道で知ることはできたが、民主党政権は法案成立後、実施する前に国民に信を問うという。それでも今のようなデフレ経済下では景気を悪化させるだけだという反対論を考慮して「経済状況の好転」が条件に加わった。

更に、2050年以降、高齢化が進むと10%では不足で25%必要という意見も多く見受けられ、税制の抜本改革がどう実施されようとしているのかに注目し、平成24年2月17日に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱について」を読んでみた。

前提条件である「経済状況の好転」とはどんな状況なのかと国会の予算委員会でも質問が出ていた。野党の自民党議員は、橋本政権での消費税率アップ後の税収の動向のデータを示して「税収増は期待できない」と迫っていた。私もそうだが多くの人が現在の経済状況の下での消費税増税は景気を悪化させるとみる。

「どんな経済状況下なら実施するのか」と質問された安住財務相は「その時の政権の高度な政治判断だ」と言ってみたり、確か「今の経済状況ではGOだ」と言ってみたり曖昧な感じがした。

大綱では、デフレ脱却にむけ日本銀行と一体となって取り組み、日本経済再生に取り組むとして、平成24年度は復興需要の増加が成長を支え、名目GDP2%程度の成長が見込まれるとしている。従って法案提出時点では経済は好転する見通しを立てており、今年度中に法案を提出するという。

法律成立後も引き上げにあたっては経済状況の判断を行うため経済財政状況の激変にも柔軟に対応できる仕組みを作るというのだ。「引き上げの停止」も含めた所要の措置を講じると記されている。
普通に読めば納得のいく処置だと思うが、経済指標の数値など政権にとっては何とでもできそうだ。願わくは、実施時の政権が民主党でないことを願うばかりだ。

消費税が10%になった後どうなるのか。多くの国民がそれだけでは済まないだろうと思っている。

大綱でも「今後の改革の検討」の項が設けられている。

それによると、今回の改革に引き続き・・略・・次の改革を実施することとし、今後5年を目途に、そのための所要の法制上の措置を講じることを今回の改革法案の不足に明記するというのだ。

今回の税制抜本改革法案は平成21年度税制改正法附則第104条の23年度までに税制の抜本改革のための法的措置をとると規定に沿って今年度中に法案提出をされるものなのだ。

これと同じことを今回の法案でしようとしているのだ。今後5年を目途に今後の改革のための所要の法的措置を附則に明記するのだ。

5年後の政権がどんな政権かはわからないが、また増税でもめた時に23年度の法の附則に明記されていると抗弁することができる。

歳入庁の創設も検討されるというから、その時財務省がどんな形になっているか分からないが、財務省にとっては一応安泰なのだ。

こんな状態では民主党政権である限り消費税増税は飽くなき引き上げだろう。法案成立時は民主党政権で仕方ないが、実施時は別の政権であってほしいと思うのだが・・。




[後記]
次々に増税路線を進める財務省
消費税10%後の追加増税法案 「16年度末まで」付則明記 
政府は、社会保障・税一体改革の柱として月内の国会提出を目指す消費税率引き上げ関連法案の付則に、2016年度末までに追加の消費税増税法案を国会に提出することを明記する(読売新聞 2012.3.10)。







円高、デフレ対策:日銀は責任を共有しているのか


各国中央銀行のバランスシート
週刊エコノミスト2012.2.28
リーマンショック後、欧米各国の
中央銀行は一斉に金融緩和し
たが、日銀は緩和が不十分で
これが円高を改善できない原因
だと在野のエコノミストが主張

今、日本経済が直面している円高、デフレ対策に日銀は責任を共有しているのだろうか。日銀と在野エコノミストで問題意識に差があるように思えるし、国会の予算委員会での日銀総裁の答弁は通り一遍でよくわからない。

先の「中長期的な物価安定の目途」については物議を醸している。デフレ脱却と物価安定へ向けた日本銀行の姿勢を明確化するために、当面1%を目途にすると発表したがインフレターゲットではないらしい。インフレターゲットにすると責任が生じるので回避してのことらしい。

そんな時、23日の衆院予算員会で自民党の中川さんが日銀を追求していた。久しぶりに興味を持って聞いたが、内容を確かめようと翌日の新聞を見たが、国債などの金利が1%上昇した場合の金融機関の損失見込みが6.3兆円になることは報じていたが、その他の日銀とのやり取りは載っていなかった。

記憶を頼って思い出すと、ボードを使って失われた20年の日銀の政策の是非、金融緩和の不十分さ、議事録を見ても誰がどう発言していたのかわからない、責任がどうなっているのか、さらに議事録などの公開が遅いなどの点について質問していたと思う。

私も以前「日銀はもっと国会で政策論争せよ」という内容の記事を書いていたので中川さんの質問には同感だ。

特に今、日銀と在野のエコノミストの間で考えが食い違っている問題に、欧米の中央銀行とのバランスシートを比較すると日銀の金融緩和は不十分で、円高、デフレの要因にもなっているという。

以前、国会の予算委員会で同じような質問を受けた時、山口副総裁が日本と米国の対GDP比でマネタリーベースを比較して、確か日本は15%、米国は12%で決して不十分とは言えないと日銀の従来からの考え方を繰り返し答弁していたのを覚えている。しかし、在野のエコノミストは違うという。

週刊エコノミスト(2012.2.28)のFRASHに「各国中銀のバランスシート」が載っていた。リーマンショック後、欧米の中央銀行は一気に多量の資金を市場に投入する金融緩和を実施したが、日銀は仕方なく金融緩和を実施したような緩やかな投入だ。高橋洋一さんなど在野の経済学者は、このようなデータから金融緩和が不十分と主張している。

日米欧マネー供給量 マネタリーベース
対GDP比 白川総裁の日本記者クラブ
講演2012.2.17より
日銀は先進国でも最高水準の緩和を
しており、緩和が不十分という意見に
「誤解だ」と反論する
一方、日銀は「それは誤解だ」という。2012年2月17日に日本記者クラブでの講演の「デフレ脱却へ向けた日本銀行の取り組み」の中で示した日米欧のマネタリーベースの対名目GDP比をみると日本の比率は主要国で最も高い水準にあり、従来から日銀が言っているように対GDP比では決して不足しているようには思えない。データの取り方により、どうしてこうも違うのか。渋々金融緩和を進めているように見える日銀の都合のいいデータなのか。

白川総裁は講演の中で、金利が極めて低い水準まで低下すると「流動性のわな」と呼ばれる状態になり、金融の量的な指標では金融の緩和度を測ることができなくなるというのだ。欧米ではリーマンショック後、金融市場の機能が著しく毀損知った目に、安定回復にバランスシートの大幅な拡大が不可欠だったが、我が国は金融市場の機能低下は限定的で、欧米ほど極端な量的拡大を行わなくても、欧米以上に緩和的な金融環境が実現できたというのだ(同講演より)。

記者クラブで説明するより、もっと国会で議論すべきではないのか。

従って、デフレの要因も日銀はカネが不足しているのではなく、需給バランスが崩れ需要不足になっているという。その対策は日本経済の成長、成長期待を強化すれば実体経済が改善し、物価も上昇するとみている。

経済・物価情勢の先行きに関しては、消費者物価指数も前年比ゼロ%近辺で脱却の歩みは進んでいるというが、日銀が言う中長期的な物価安定の目途とした1%にはまだ距離があるというのだ(同講演より)。その1%も低いという批判があったためか上げることもあるという。

中川さんが指摘していた、議事録などの公表は確かに遅れている。議事録要旨などは2か月の遅れだ。

日銀のHPから政策委員会金融政策決定会合議事要旨(2012.1.23~24分)を開いてみた。どの委員が何って言ったのかは不明だ。「〇〇について、委員は・・・・・」という形式で、責任追及を回避するためとしか思えない議事録だ。中川さんは責任を強調していた。

出席委員で採決が行われるようだ。委員は当面の金融市場調整方針について「無担保コールレートを0~0.1%程度で推移するよう促す」という現状維持との考え方を共有し、白川総裁から見解を取りまとめる形で議案が提出され採決された。

無担保コールレートは公定歩合の代わりに政策金利となり、それが0~0.1%で低く抑えて景気を刺激することになった。採決の結果は賛成、反対で表記され委員全員の責任なのだ。失敗すれば責任を取る形式にはなっていない。

失敗すれば内閣は責任を取ることになるが、日銀や財務省は何ら責任を取ることはない。高給取りでおいしい仕事だ。

内閣府からの出席者が発言していた。政府と日本銀行は一体となって速やかに安定的な物価上昇を実現することをめざし取り組んでいくことが極めて重要だとし、日銀には、政府のデフレ脱却と経済活性化に向けた取り組みと歩調を合わせ、金融政策面からの最大限の努力をお願いしたいという。具体的には何をしろと言っているのか。

今、巷間ではこの程度の金融緩和では1~2%の物価上昇は難しい。50~100兆円ぐらいの緩和が必要だという。

経済政策は実験ができないところに難しさがある。政治は実験はできるが失敗すると今の民主党政権のようになる。

経済指標の小さなズレから経済の現状を判断し、「ああだこうだ」というのも仕事だろうが、「現状維持」「様子見」では何の変化もない。ただ日銀は景気の現状について、海外経済の減速や円高で横ばい圏内の動きとなっているが、今後は海外経済の成長率が再び高まることや震災復興関連需要で緩やかな回復経路に服していくとの見方を委員たちは共有しているようだ。

だからと言って様子見では話にならない。

在野エコノミストの意見にも耳を傾け、しっかり議論し、委員一人一人が責任を取る仕事で国民に応えるべきだ。

2012年2月26日日曜日

マニフェストの功罪:マニフェストで登場し、マニフェストで去っていく民主党政権か


09年衆院選時の民主党
マニフェスト

民主党政権の明暗はマニフェストにあり。民主党政権はマニフェストで登場し、マニフェストで退いていくのか。耳触りのいい政策を掲げて変革を訴え、09年政権をとったが、財源難を含めその実現難から見直しを迫られ、野党からは「マニフェスト違反」、「政策を取り下げろ」と追い立てられ、政権運営は行き詰まった感がある。

民主党を支持した人たちは、民主党が掲げたマニフェストの政策をすべて理解しての支持だったのか。自民党の長期政権に不満を持ち、「この辺で一度民主党に」というポピュリズムで圧倒的多数の議席を得ることができたのではないか。

しかし、民主党政権誕生後、いきなりマニフェストを推進するといったのが、当時の前原国土交通相の八ッ場ダム建設の凍結だ。反対意見に対して「マニフェストに書いてある」と強弁した。当時の鳩山総理からの指示事項でもあったらしい。

確かに、選挙で政党を選ぶには何をいつまでに実現するかの政策課題は必要であるし、その財源も示せばなおさらのことだ。しかし、政権についたこともない政党に十分な情報があるはずはない。当然のことながら不確定要素も多い。

民主党は、基本的には「政治の仕組み」から変えていくというのだから遠大なテーマだ。1,2年でできるはずがない。おまけに政治主導を勘違いして官僚を排除したから巨大な官僚組織のサボタージュを受けてしまった。

余りのマニフェスト不評に、みんなの党はアジェンダと言い出し、「維新の会」は公約を発表したがスケジュール、財源の根拠は示さず、民主党のマニフェストの轍は踏みたくないという。

私も企業で、環境関係の仕事をしていたので以前からマニフェストという廃棄物の管理票を使っていた。廃棄物の不法投棄が社会問題にまでなったため、廃棄物の排出者、処理業者、最終処分業者がそれぞれマニフェスト(管理票)で適正に処理されていることをチェックするのだ。

国民はマニフェストで民主党政権を作ったが、政策運営に大きな支障をきたしている。民主党政権に今後どう対していくのか。しっかり管理する責任がある。

2012年2月25日土曜日

八方塞がりの野田総理:やっぱり抜本改革は重荷だったのか


消費税増税は大義と突き進んだ野田総理がついに八方塞がりになった。やっぱり国民生活に大きく影響する制度改革は民主党政権には重荷だったのだ。24日の記者インタビューで小宮山厚生労働相が顔を小刻み振りながら「先送りではない。しっかり改革したいので時間がかかっている」とコメントしていたが、増税関連法案が先行し、一体改革法案が先送りされそうだ。社会保障改革関連法案のまとめが遅れているのだ。

22日の衆院予算員会の国会中継を聞いていたが、野党の追及は民主党が09年作成したマ二フェストの年金抜本改革を取り下げろというものだった。民主党の抜本改革は意味があるとは思えず、現行の年金制度の見直しで対応すべきだと鴨下さんは主張していた。

さらに消費税増税案に理解を得ようと、野田政権は取ってつけたような改革案を発表しているが、国会議員定数削減などを盛り込んだために、内閣が立法府の呈す削減に言及したことで批判がでた。

21日には赤字国債発行に必要な特例公債法案などの予算関連法案の審議が始まったが、谷垣総裁は「交付国債を発行するなど筋の通らないことをしている」と、野党は反対姿勢を崩さず、年度内成立な困難な情勢のようだ。

野田政権のもたつきを見越したかのように、格付け会社ムーデイーズは消費税増税と社会保障の一体改革が進まないと日本国債を格下げすると発表した。

八方ふさがりになった野田総理だが、野党との協議が得られず国政が遅滞することを避けるために、解散・総選挙に打って出ることも考えられるが、「1票の格差」問題で選挙区割りが遅れ、違憲状態になったようだ。これで選挙をやると違憲と判断される危険がある。

抜本改革は、民主党政権にとっては重荷だったのだ。直接国民の信を問うていない総理にできる仕事ではない。

この二進も三進もいかない政局をどう切り抜けるか。注意深く見守る必要がある。

国会議員って何なんだ


最近特にそうだが、「国会議員って何なんだ」と思うことが多い。議員1人当たり年間1.2億円も税金を使い、720人という諸外国に比べても多すぎる人数を国会に送り込んでいる。しかも、国会の予算委員会審議を聞いていても質問者は持論をとうとうと開陳し、政府側の答弁は官僚の作成した答弁書を読み上げるだけ。すべての背景に主導権争いがあるから妥協点など見出す雰囲気ではない。これでも「国民の生活第一」と言っているんだからどうしようもない。

国は税収減で赤字国債を発行しなければやっていけないにもかかわらず、自ら身を削る政策は遅々として進まない。議員定数削減、議員歳費の削減(時限で削減されているが)、参議院廃止による一院制、政党助成金の見直し、非課税手当の見直しなどテーマは事欠かないが、国会審議でどう取り組んでいるのかわからない。

私たち国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動すると憲法前文に記されている。

その選挙だって正当かどうかは疑わしい。勿論「1票の格差」問題で違憲判決が出された選挙区割りもあるが、地方区で落選した候補者が比例区で復活する仕組みには大いに疑問がある。

候補者を探し出すのも大変らしい。テレビなどへの出演で知名度の高い者、支援基盤がある者、有名人でも選挙資金のある者など公正で平等な選挙からは程遠い状況だ。選挙ともなれば握手攻めで名前を売ることが第一になる。先の参院選で「〇〇です。名前を覚えておいてください」と選挙カーで呼びかけていた候補者がいた。

たまたま、現職、有名人を抑えて当選する新人がいるが草の根運動の成果だという。しかし、それが後援会として長続きしない。

候補者としてどんな制限があるのか調べてみたが、被選挙権では衆議院25歳以上、参議院30歳以上の年齢制限があるだけだ。議員としての活動には選挙人より高い年齢が必要という理由かららしい。

何か利権があるのだろうか。兄弟、親子さらには世襲で国会議員の職にある者が多い。世襲の廃止、制限で改革を進めようとするが「職業選択の自由」からうまくはいかない。

もし、改革の必要性を有権者が認めるのであれば、そういう候補者がいても投票しなければいいのであって、有権者の意識改革の問題ではないのか。

さらに、地域の代弁者、利便者として立候補や投票しているのだとしたら間違いだ。地方選出の国会議員でも国民全体の代表者である。地元の利益誘導に貢献できなければ次は危ないとか、防衛大臣、外務大臣で頑張っても選挙にはメリットにならないと言う。

国会議員は、総理候補であったり、議院内閣制なので大臣候補である。自民党時代に政治献金が多い出身団体からの議員を大臣にして顰蹙を買った議員もいるし、年功序列で大臣になったが適材適所から程遠い任命だったりする例もある。何かの分野で有名だから票が取れると安易な候補者選びは禁物だ。

集票マシーンとして動く企業、団体も政党に何かの見返りを期待してのことと思うが、公正で平等な選挙を害しているだけではないのか。

肝心な時に、自ら身を切ることもできない国会議員に国民生活に大きな影響を及ぼす社会保障と税の一体改革、消費税増税、TPPなどの制度改革など期待できない。

そして、「数は力」とばかりに議員を集め主導権争いに利用されるだけの国会議員に失望する。実力者に群れず、自分で判断し行動できる人材が必要だ。

ギリシャの政府債務問題が発端となり世界的に経済危機が危惧されているが、政治機能不全が支援を遅らせヒヤヒヤの政局運営になっている。先進国一の借金国と言われている我が国も御多分に漏れない。日本の財政状況も含め、しっかり広く議論すべきであるが社会保障と税の一体改革、消費税増税も議論すればするほど透明性が崩れてくる。

こういう時こそ、国会議員一人一人が、率先して決断し国民を引っ張っていくべきであるが、「増税は選挙にまずい」の考えが真剣な議論を妨げ、国民に尽くすべき国会議員や国家公務員が「私欲」のために、決断を避けているとしか思えない。

2012年2月24日金曜日

今後の政局:民主党惨敗は当然でも政界再編は性急過ぎないか


今後の政局は、日本国債への不信も
絡み重大な局面が予想される

社会保障と税の一体改革、消費税増税を巡り、政権与党内は分裂孕みで、今後の政局は混とんとしてきた。「1票の格差」問題で違憲判決が出され、早急に区割りの見直しが必要であるが、モタモタしている下で、もし総選挙ともなれば民主党惨敗は当然だ。メデイアは面白い展開になるのを期待してか、政界再編の話を有力政治家に持ちかけ可能性の言質をとり煽るが、邪道とした言いようがない。

野田政権は消費税増税に向け突進している。社会保障と税の一体大綱も政権の不手際が目立ち、曖昧な点も多いそうだが、消費税関連法案は3月に国会に提出するらしい。一方、民主党内最大グループを率いる小沢さんは消費税増税反対で、政権交代の原点復帰を訴え倒閣も辞さない構えを見せるし、野党も解散・総選挙を視野に3月に内閣不信任案提出の構えだ。

増税実施に向け経済状況の改善が条件になっているが、その条件も曖昧だ。衆議院予算委員会で野田総理は物価指標など経済指標を考慮するというが、安住財務相は「今の経済状況下でも実施する」と答弁したことがある。もしその時、野田政権だったらGOになるのだろう。

国債不信の瀬戸際に立っている我が国だが、増税先送りになると市場はどう判断するだろうか。政治機能不全を見れば下落は避けられない。世界経済が未曾有の混乱状態になるのは目に見えている。

小沢さんは、常々「政治に仕組みを変えれば、増税は必要ない」と主張しているが、民主党政権が仕組みを変えた形跡はない。そこで小沢さんは自民党と同じことをやっていてはだめだともいう。

この小沢流増税否定論を市場はどう判断するか。そして国民は・・・。

一方で、根強い政界再編の見方がある。総選挙前に政界再編の構図を示し、国民に信を問うというのだが、本当にできるのか。

自民党からの政界再編は野党から脱却し政権奪取が狙いだろう。民主党内の政界再編は消費税増税に突き進む野田政権から主導権をとりもどすことであり、その他の少数政党も政策を同じくできれば、大同団結し「数は力」で、イニシアチブを持つことだろう。

「国民のため」に政策を同じくする議員同士が集まり、政権を作り直し、小沢さんの言う「安定政権」を目指すのであればメリットも大きいと思うが、左派から右派まで集めた烏合の衆の政党で確固とした政治基盤が構築できるのか。

政界再編の背後には主導権争いの不純な策略が見え隠れする。

政界再編に踊らされ支持したまではよかったが、飽くなき主導権争い、マニフェスト原理主義では政治は前へ進まない。「1票の格差」問題で区割りが進まない背景には、党利党略があり、消費税増税がモタモタしている背景には、「もっと身を削れ」「もっと無駄削減に取り組め」という要望に応えての政策は付け焼刃の感が強い。

直接国民に信を問うていない野田政権が、数々の制度改革にかかわる政策を推し進めようとしている政局に違和感を持つ。

選挙区区割りを見直し、早急に解散・総選挙を実施し、そのうえで社会保障と税の一体改革、消費税増税を議論すべきで「維新の会」が念頭にある政界再編は性急すぎないか。

政界再編は「維新の会」の姿がもっとはっきりしてからでも遅くはない。

2012年2月22日水曜日

復興を遅らせる震災がれき処理:埋立地、焼却施設は迷惑施設だった?


がれき処理の協力を訴える
環境省の広報
読売新聞 2012.2.21

岩手、宮城、福島の東北3県の復興を遅らせる要因に震災ガレキの処理が遅々として進んでいないことはテレビ画面で知ることができるが、思い出すのは平常時は最終埋め立て処分場、中間処理施設そして焼却施設は迷惑施設だったことだ。

ここ数日の新聞報道、環境省の「みんなの力でがれき処理」の広報(読売新聞 2012.2.21)で11年分、19年分、2253万トン、5%の数字を見る。災害廃棄物の量が岩手県で通常の11年分、宮城県で19年分、東北3県での災害廃棄物量は約2253万トンでいまだ5%しか処理が終わっていないということなのだ。

環境省は20143月までにすべて処理すると計画していたが、いまだ5%の数字に焦っている。すべての過程で安全性を確認しているので、広域処理に協力してくれというのだ。

平常から緊急時も含めた廃棄物処理システムの構築が重要だったのだが、地域エゴのために構築がままならなかった。阪神大震災の教訓も生かされていなかったことになる。

阪神大震災(兵庫県南部地震)での、建物の倒壊、首都高の倒壊そして都市インフラ類の破壊は想像以上のものだった。しかし、復興がどんどん進む要因には震災ガレキを処理する施設が近くにあったことだ。近隣自治体の協力、大阪湾フェニックス計画での埋め立て処分場の存在はガレキ処理に大きく貢献した。

また、東京都は夢の島に巨大な埋め立て処分場を確保しているが震災への対応も考慮されての計画であるという。

7日に開かれた東日本大震災からの復興をテーマにした第7回東北サミット(読売新聞2012.2.22)では「がれき処理の理解を広めて」と県知事が訴えている。被災地のがれきの7割は宮城に集中し、石巻市の分でも費用は2000億円、県内のプラントではこの3割しか処理できない状況だが、受け入れてくれるところがないというし、仕分けには毎日1000人を必要とするが人も集まらないらしい(宮城県知事)。

さらに、受け入れる地域の住民は割に理解がある。地元でも反対する人もいるが、地元以外の人々の反対運動があちこちで見られるそうだ(秋田県知事)。

そういえば、埋め立て処分場、中間施設そして焼却施設は迷惑施設だったのだ。

東北地方は首都圏から廃棄物が集まり大きな不法投棄事件があった。青森・岩手県境不法投棄事件だ。民間処理業者は、最初は真面目に本業をやっていたが次第に経営が苦しくなり、無理な受け入れで未処理のまま埋め立てした結果、不法投棄事件になった。周辺住民が不法行為を見つけ行政に訴えたが、行政は迅速な対応ができなかったことも要因にあるらしい。

どこでもそうだが、民間の処理業者は住民から信用されず、公共の処理施設だって地域住民の反対で建設が不可能だった。この種の施設は迷惑施設で、自分の庭先には来てほしくない施設なのだ。

焼却炉もダイオキシンの問題があて、自治体の小規模の炉は廃棄し、近隣自治体が共同で大規模施設を建設し800度以上で燃焼させる炉に代えた。ところがゴミの排出量削減運動もあって大規模焼却炉の維持管理が大変になったところまでは知っているが、その後どうなったかはわからない。

しかし、今回のような緊急事態への対応を考えると、平常から処理施設の確保は重要な仕事だったのだ。

小さな自治体でも、山間部に埋立地、焼却施設を持っていたら「震災がれき」の処理をある程度うまくいき、復興に少しでも寄与したのではなかろうか。

私も民間企業で焼却施設、中間処理施設、最終埋め立て処分場を建設、維持管理した経験があるが、いろんな製品開発に貢献できるメリットはあるが、廃棄物排出量削減対策では甘い面もあったと思う。

これから首都圏をはじめ、日本全国で巨大地震の発生が予測されている。迅速な復興を願うのであれば、今から真剣に考えなければならない問題ではなかろうか。

2012年2月21日火曜日

消費税増税論争:国会議員一人一人が、その賛否、理由を明示せよ


消費税増税論争が混とんとしてきた。国会議員は一人一人が、その賛否と理由を示し国民に説明すべきではないのか。国会で十分に論議されないまま社会保障と税の一体改革大綱が閣議決定され、消費税増税関連法案も政治スケジュールでは3月上旬に国会提出とあわただしくなってきた。

しかし、民主党の要求する事前協議もままならず、一向に妥協点は見いだせず、かえって政権与党、野党内に賛否を巡り大混乱をきたしている。

今のデフレ経済下での増税は、更なる経済の悪化をもたらし日本経済をどん底に落とす危険があり増税の時期ではないという意見に対して、実施に当たっては経済状況を考慮するという付帯事項が付け加えられた。

ところがその条件も曖昧な点が多い。安住財務相は国会審議でその点を聞かれ、「法案に数値を記すことはなじまない。その判断はその時の政権の高度の政治判断による」と答弁した。野田総理も物価指数などの経済指標を考慮するというが、政権の恣意的判断に任せられる危険はある。

増税の前にもっとやることがあるだろうという批判に対して、「隗から始めよ」とか、自ら身を削る必要があると言って、国会議員の定数削減、国家公務員の給与削減などが急遽政策に上がってきた。

国税や年金の徴収を一括して扱う「歳入庁」構想も上がってきたが、当然に財務省は猛反対だろう。財務省の意向に反して政策を進める度胸が野田総理にあるのか。

しかし、何と言っても不安なのは、民主党内では最大勢力の小沢グループが反対を明確にし、全国的に展開しようとした増税キャンペーンに反対して広報委員長が辞任した。連立与党の国民新党も党内不統一が明らかになってきた。

国会審議で野党に突っ込まれる恐れもある。

一方、野党の自民党はというと、谷垣総裁は相変わらず「マニフェスト違反」を主張し民主党政権での増税に反対するが、領袖・長老からは増税審議に応じるべきだとして執行部の姿勢に反対している。

肝心な与党内でも最大グループの小沢さんが「今の増税はよろしくない。政権交代の原点に返れ」と反旗を翻している。増税しなくてもやっていけるというのが小沢さんの持論であり、総選挙になると不利な議員が10人以上も群がっているという。

小沢さんやグループの議員たちは「増税なしで、どうやるのか」の説明が全くないともっていたが、今週の週刊ポスト(2012.3.2)に「小沢一郎が考えていること」の記事が掲載されていた。

内容の信憑性はわからないが、増税前にやらなければならないテーマであると思う。何故、民主党内で議論しないのか不信だ。それとも小沢系の役員が、その時の会合で発言しても執行部が無視していたのか。

それによると、09年の民主党マニフェストにも盛り込まれている「歳入庁」を創設すれば、保険料の徴収漏れがなくなり、18兆円の財源が確保されるという。また、大きな権限を持ち官僚組織の総本山ともいえる財務省の権限を削ぐことができる。これはぜひやってほしいものだ。

大企業に対する消費税の「輸出戻し税」も年間約3兆円あり、租税は平等に負担されるべきだという原則に照らしてもこの輸出戻し税の還付金制度は廃止すべきだという。経団連会長がTPP推進を強力に主張していたが、背後に大企業優遇の魂胆があるのだ。

宗教法人への課税強化もいままで取りざたされてきたが、公明党との協力関係ですっきりしない。日本全国いたるところに立派な建物の支部を持っているが、活動の多くが非課税では納得がいかない。

公共事業の入札制度の改革、官庁の物品購入で予算の無駄が非常に大きいという。「競り下げシステム」を導入すると、大きな無駄削減になるのは当然だろう。イギリスでは実績もあるらしい。

予算の仕組みを変えることを小沢さんは力説していたが、このことを言っているのだ。

また、メデイアにも批判の矛先を向ける。全国紙や地方紙に増税のキャンペーンをやっていることだ。税金を使った大メデイアへの「付け届け」という。すでに増税に関して6億円近くが使われているし、TPPでは10億円近くが大メデイアに配られるという。

そのたびごとに言われてきたが、改革が進まない政策ばかりだ。何故、野田政権は取り組みについて賛否が言えないのか。

これも大メデイアへの「付け届け」
になるのか。この公告で増税論争
に反対意見がなくなるのは危険だ
読売新聞 2012.2.21
また、国会議員は群れあって行動するのではなく、一人一人が賛否を明確にし、その理由を有権者に説明すべきである。

2012年2月19日日曜日

日本洗濯:政治の仕組み、制度を変えることの出来るリーダーが出るか


霞ヶ関から国会を望む
日本の政治の仕組み、制度改革
は、まず国会、官僚組織をどう改革
するかだ。

日本の政治のしくみ、制度を変えることのできる強いリーダーが出てくるのが期待されているが、無理なようだ。今まで日本社会を支えてきた制度が、グローバリゼーション、リーマンショックに端を発した世界経済危機、国内的には世界でも例を見ない急速な少子高齢化、先進国一悪い財政危機で今まで日本を支えていた社会制度、政治制度にほころびが出てきた。

デフレ、円高が続き日本経済は沈滞し、税収は約40兆円に落ち込むが国の一般会計は約92億円と借金まみれで2004年以降、対GDP比100%を超え、今200%を超えた。

年金制度を始めた当初は、大黒字で使い道がないことを良いことに国会議員や官僚は国民のためと言って色んな施設に投資したが経営破たんさせ、国民に大きなツケを残した。そして少子高齢化と相まって年金制度は行き詰まり、医療・介護制度などの分野で大きな改革が必要になってきた。

しかし、国民に「NO」と言われないために子育て支援、医療・介護ではサービスの強化が約束され、国民に痛みを強いることを避けての増税のために、社会保障と税の一体改革の大綱は批判の声も聴かれる。

総選挙を控えての制度改革は、政権与党を及び腰にする。

民主党は、政治の仕方を変えると国民に訴え、政権交代にこじつけたのはいいが、標榜した政治主導も国民が期待したものとは程遠く、脆弱な政権は官僚依存を強めていく。党首討論も党首の主張の仕合で協調は見いだせず、政治資金集めに翻弄することなく国政に打ち込めると強調し導入した政党交付金制度も理想論とはかけ離れ、小沢さんのような政治家が権力を握るのに利用され、「カネのかからない政治」など程遠い。

官僚を排する一環として、法制局長官の国会答弁を禁止したが、民主党政権で法解釈がぎくしゃくし、弁護士資格を持つ枝野官房長官(当時)が担当したが、今国会で法制局長官の答弁が認められるようになった。

TPPは、昨年の横浜でのAPECで当時の菅総理が参加を表明し、「平成の開国」といい、野田総理も参加へ向けた協議に入るというが、根強い反対論もあり党内を二分するありさまだ。一方の自民党は考えを明確にしておらず先送りの様子見だ。
日本の国家感も変わるかもしれない憲法改正も国民投票法は成立したものの、一向に進んでいない。改正の発議を各院でそれぞれ2/3の賛成を1/2に緩和しようという動きが自民党時代にあったが、その後どうなったか。

小泉政権時代に首相公選の検討がされたようだが、人気投票とか、実績・力のない名前だけ売れている候補者が当選する弊害もあり立ち消えになったという話は聞いたことがある。

国会議員の定数削減が問題になっているが、衆参二院制から参議院を廃止し一院制にする話も自民党時代にあったと思うが、参院側の猛反対で立ち消えになったと記憶している。本来の参院は衆院とは違った人材で構成し、衆議院のチェックをするような組織だったと思うが、今の参議院は衆議院を落選した者、選挙区の事情で外れた議員が鞍替えしたり、衆議院の二番煎じでは、その存在価値は否定されて当然だ。

デモ、憲法の改正を必要とする制度改革、国会議員自身が対象となる政治家改革は、発議自体が自分のことのために余程のことがない限り難しいのではないか。二院制でその内容を変えていくしか方法はないのでは。

そして、制度改革、政治改革では国家公務員制度をどうするかがポイントになる。官僚組織は巨大で、情報と行政のノーハウを持っている。国民のためというより省利省益で動く組織だ。自分たちの利に反するような政策には、サボタージュや政治家を利用して潰しにかかる。法案も牛耳ることができ、国会で検討された内容も官僚組織にとって不利なところは最終段階で改ざんされる。自民党政権の時、その改ざんで一行分の文章が書き加えられて改ざんされていた問題が国会で問われたとき、担当官僚は「いわゆる接続詞的なもの」と恍けた答弁をしていたのを覚えている。

民主党政権になって事務次官会議が廃止(今は復活している)されたので、そういうことはできなくなったと思っていたが、今は復活しているのでどうなることやら。

巨大な官僚組織を相手に、どうやって改革をやっていけるか。これが最大の問題だ。菅前総理に一縷の期待はしていた。財務相の時「官僚は大馬鹿野郎だ」といったのはいいが、国会予算委員会で自民党議員から、何かの予算で「乗数効果」を聞かれ、官僚の耳打ちもなく答えられなかったことがあってから菅さんは官僚への依存を強めていったようだ。

今、既成政党への不満が高まっているところに、橋下さんの「維新の会」や大村さんの政治塾、石原都知事を中心にした新党など第三極構想をメデイアが煽っている。

坂本竜馬の船中八策を真似た公約も発表されたが、考えは同じだという石原都知事やみんなの党もある一方で、既成政党はあまりにも遠大な政策でスケジュールが示されず、予算措置も不明なままでは尻込みせざるを得ないが、選挙を控えて戦々恐々としているのは間違いない。

総理にさせたい人の調査では、野田総理や現役閣僚を押しのけて橋下さんや石原さんの人気が高い。しかし、しっかりした国政に対する政策を聞いての人気ではなさそうだ。カリスマ性とスピード感を持って政策を進めることに共感をもたれてのことらしい。

民主党が言うように仕組みを変えることは容易なことではない。自民党議員が言うようにガラッと変えるのではなく、それぞれの制度の内容を見直していくことの方が先決かもしれない。

内憂外患の時代を走った坂本竜馬に肖ろうとする気持ちはわかるが、ポピュリズムに走るとまた失敗する。政治の世界で「青い鳥」はいないのだ。

民主党に引き続き政権を担当させるか、もうお灸をすえるのは止めて、ここで自民党に復権させるか。既成政党で地道に制度改革、政治改革を進めていく以外に方法はないのではないか。

2012年2月18日土曜日

小沢元代表公判調書不採用:政治資金規正法の目的、基本理念を活かせ


政治資金規正法違反事件は、犯罪の成立要件も重要ではあるが、その法の目的、基本理念から白黒をつけるべきではないか。小沢氏公判で裁判所が起訴の拠り所となっている検察調書の一部を不採用としたことで、メデイアは一気に「小沢氏無罪か」の見方を流している。

弁護人側も記者会見で、公訴棄却か無罪を追求すると意気軒昂だ。

デモ、今までの小沢さんの公判での言動を新聞で見ると「知らぬ、存ぜぬ」、挙句は「政治資金収支報告書など見たこともない。ほとんどの議員がそうではないか」といったのには驚いた。虚偽記載は訂正すれば済む形式犯と考え、政治資金規正法を格下の法律とみているのだ。

そうではないのだ。国会議員、政治家として政治資金規正法は憲法のような位置にある法律なのだ。

その目的では、この法律は、議会制民主主義の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ・・中略・・政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため・・中略・・政治資金の収支の公開・・中略・・政治資金の授受の規制を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することだという。

そして、その基本理念では、政治資金が民主政治の健全な発達を気球して拠出される国民の浄財であることをかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、判断は国民にゆだね・・中略・・適切に運用されなければならない。政治団体はその責任を自覚し、その政治資金の授受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行われなければならないともいう。

小沢さんは「知らぬ」「存ぜぬ」と肝心なことは全幅の信頼を秘書に任せていたと逃げの手を使い、疑惑について国民に説明しようという意思はない。裁判戦術であると思うが、今まで良きにつけ、悪しきにつけ政界に存在感を示してきた政治家としては残念な姿である。

また、小沢さんは野田政権が消費税増税にひた走る政局を見て、それに反対し「政権交代の時期に帰って、本当の民主主義を築かなければ死んでも死に切れない」と言う趣旨の発言したことが報道された。
遠大な政治を目指すのはよいことであるが、小沢さんには、まず政治資金規正法の理念にのっとった行動のできる政治家に代わってほしい。

小沢さんは政治家として責任を取るべきであるが、この裁判が万一、小沢さんに有利な判決であったとしても国民に疑惑をもたれたままであることに違いはない。政治団体の責任者として民主政治の健全な発達を害するものである。

国会議員をはじめ、政治家は政治資金規正法の重要性を再確認し、政治資金収支報告書には目を通し、全責任を持つべきである。

2012年2月17日金曜日

日銀の1%インフレ目標、ゼロ金利継続、追加緩和で経済が好転するのか


日本銀行本店

日銀の脱デフレに向けたインフレ目標1%は、不思議にサプライズで受け止められたが、ゼロ金利政策の継続、10兆円の追加緩和が本当に日本経済の好転につながるのか。デフレ、円高は日本経済を脅かし工場の海外移転による国内の空洞化回避、雇用確保が最重要課題になっている。

また、輸出依存の経済から転換すべく、前川レポートや海外からも度々要求されていた「内需の拡大」も一向に進まず、そのうちに誰も言わなくなった。

日銀がインフレ目標を1%とし、デフレ脱却の姿勢をはっきりさせたことは、それなりの責任を負うということであり歓迎すべきことであるが、同時にゼロ金利の継続、10兆円の追加緩和で本当に経済が好転するなど考えられるのか。

ゼロ金利で銀行に低金利で金を流すと銀行は企業や個人に融資を増やすことができる。日銀が銀行の保有している国債を買い入れることによっても同様の効果がある。企業に融資すれば設備投資で財やサービスを増やす。給料が増え家計は潤い、消費が増えれば物価も上がる。皆がそうなることを期待している。

物やサービスの値段を上げるには、新しい技術、新しい品質など付加価値の高いものを提供しなければならない。従来と同じ物をただ値段だけ上げるわけにはいかない。そのようなイノベーションが容易に見つかるとは思えない。

今、町工場は仕事は増えているというが、単価が低く抑えられ利益にはつながっていないともいう。企業だって低単価に慣れて久しいが、急に下請単価を上げることなど考えられない。

大企業は儲かれば従業員の給与を上げることなどすぐにはしない。ある程度景気のいい時でも、仕事は順調に伸びていると言いながらベースアップやボーナス闘争では、先行き不透明を理由に抑えるのが常套手段だった。素直に上げることなど考えられない。

家計もすぐには潤わないのだ。社会保障と税の一体改革で将来への安心感が持てれば消費も増えるだろうというが、消費税増税も含めて民主党案では不安を募らすばかりだ。一度引き締まった財布は緩まない。

預金金利の低さもあきれ返るばかりだ。銀行から金を借りる時は5~6%であるが、預金は0.0何%で雀の涙程度の利息だ。一方で銀行は大儲けしているが、法人税は払っていないという。

また、資金を十分に供給するというが、本当に不足しているのか。ダブっているからギャンブル的な投資に走っているのではないか。その為替変動、株変動が世界経済を混乱させている。

企業を格付けする格付け会社の存在がクローズアップされているが、ほとんどの格付け会社は、儲かっているかどうかが判断基準だ。社会にどう貢献しているか、雇用確保に努力しているか、環境問題にどう取り組んでいるかなどをチェックし格付けを判断する格付け会社は少ないらしい。

市場が企業を見る観点を変えなければならない。株主への配当金が高いことで経営者を評価してはならないのだ。

簡単に経済を正常化することはできない。

消費税増税関連法の実施に当たっては、経済状況が条件になっている。野田政権は復興需要で公転する期待を持っているようだ。野田総理は物価指数など経済指標で判断するというが、凡そ2年後に消費者物価指数が前年比1%になっているだろうか。

2012年2月16日木曜日

どうした自民党 それで政権復帰できるのか


自民党本部

自民党よ、どうしたんだ。そんなことで政権復帰できるのか、政権に復帰したら何をするんだ。今国会予算委員会の後半で久しぶりに聞き耳を立てたが、自民党谷垣総裁は相変わらず「マニフェスト違反」を御旗に国民に信を問えという。では自民党はこのままで国民の信を得られるのか。

自民党が下野して3年、どんな政党に衣替えできたのか。長老支配の弊害から脱却するために若手を中心に党改革案を作った。首相経験者は公認しないとか派閥の廃止などが掲げられたが、石原幹事長が派閥の領袖の反発を見越して、強引に削除してしまったと新聞が伝えていた。

麻生元総理は「公認されなくても、俺は出る」と反発したというし、伊吹さんは「派閥の領袖が支配していることなどない」と言い切った。衆議院予算委員会の質問に町村さんが登板し、民主党のマニフェスト違反、隠ぺい体質を追求していたが、他に任すべき若手の議員はいないのか。民主党は野党時代、若手論客が予算委員会で政府側を追及していた姿を見て、多くの国民は何か期待できると考えても不思議ではない。それが政権交代につながった。
自民党総裁の椅子
誰が自民党の顔となるのか。ベテラン議
員と若手議員の主導権争いばかりが目立
つと、国民は離れていく。

また、長老が弊害だと言っているわけではない。消費税増税も自民党は訴えているのだから民主党が求める事前協議に乗るべきではなのか。自民党が政権に復帰した時に消費税増税をどう扱うのかと真っ当な考えを示しているのも森さんや麻生さんらの長老なのだ。

今自民党は無派閥者が多くなってきたというが派閥も悪いわけではない。志を同じくする者同士が政治を語り合い、人材育成の場でもあった。それがいつの間にか「数が力」と考えられるようになり、選挙資金、政治活動資金の供給機関になり、人材育成、新人発掘の場でなくなったことが今の総理候補、国政選挙候補者の確保が思うようにいかなくなった原因の一つではなかろうか。

各メデイアの世論調査では、国民が既成政党に飽きている結果が出ているという。

必然的に強引ともいえる強い個性のリーダーに期待が集まる。「維新の会」であったり、「石原新党」であったりする。しかし、今回の維新の会の公約とも言えそうな船中八策を見る限り、遠大な政策で憲法改正をもとなわなければならず、連携を尻込みする動きもでてきた。

過去の政治史を見ても「青い鳥」はなかなか見つからないのだ。細川さんの日本新党、小沢さんの新進党、そして今回の民主党を見ても新党が国民の期待に応えた例はない。

当然ながら、既成政党の自民党に頼るしかない。

しかし、自民党がどう変わってきたのかわからない。野党の悲哀で政策に関するニュースは与党民主党に比べ圧倒的に少ない。ニュースになる時は、政府、与党民主党の安に反対している時だ。自民党の政策が十分に伝わっていないのだから、反対している自民党が悪いんではないかと誤解を受けやすい。

ニュースの重み、行政などからの情報収集に後れを取る野党の立場はあるが、イメージチェンジした自民党の姿をどう示すかが問われる。

2012年2月15日水曜日

日銀インフレターゲット:目途も目安も意味は目標、用語で責任逃れするな


デフレ脱却に向け野田、白川会談
が実施され、一層緊密に連携して
デフレ脱却にあたることを確認した。
会談後白川総裁はノーコメントを通した
2012.2.15 NHKニュース
使っている用語が「目途」、「目安」でも、その意味は目標、日銀は用語で責任逃れするな。日銀は従来から消費者物価伸び率を「前年比2%以下で中心は1%程度」と物価安定への理解としていたが、14日の日銀金融政策決定会合で、さらにわかりやすく「物価上昇率1%を中長期的な物価安定の目途とする」と決定した。

この「目途」が曲者なのだ。日銀の言う「目途」は目標達成に結果責任を問われないものなのだ。

日銀は姑息な用語で責任逃れしていないか。FRBは2%を目安とし、日銀は1%を目途としたが、広辞苑を開くと「目途」も「目安」も「目標」なのだ。FRBは物価安定と雇用の最大化を目指しているので正確なインフレターゲットではないというが、日銀の1%はインフレターゲットと読めるのだ。

勿論、日銀には独立性が認められているが、日銀には政策手段の独立性はあるが、目標設定の独立性はないという。本来であれば、政府が定めた目標を達成するために日銀は金融政策を実施するものだ。

今回の1%目途で日銀に責任が出てくる。目標達成ができない場合は政府なり国民にその理由と軌道修正を説明しなければならないのではないか。会合には黒塗りの公用車で乗り付け、結果責任を負わない象牙の塔のような日銀には違和感を感じていた。

そういえば、福井総裁の退任の時、総裁選びに一悶着あった。白川さんは京大教授から副総裁に決まっていたが、総裁に武藤さんの名前が上がっていたが財務省事務次官経験者ということで民主党が拒否した。そこで急遽副総裁から総裁になったのだ。

その時、誰が総裁になってもこの経済環境を改善するのは難しい。「すでにゼロ金利政策を取っており選択肢はないのだから」といわれていた。案の定様子見が続いた。

最近の国会審議を聞いていても、一層の金融政策を要求し日銀総裁への批判は強かった。日銀法の改正まで言及されたほどだ。

しかし、デフレ脱却など現在の経済状況からの脱出は日銀の金融政策と政府の景気対策が組み合わされなければならない。政府は「日銀が・・」、日銀は「政府が・・」と言ってはいられない状況なのだ。
政府・財務省も日銀も最終的には結果責任を取る不退転の気持ちで当たれ!

2012年2月14日火曜日

内閣支持率下落:国民の直接の信を得ていない野田政権の末路?


国民の直接の信を得ていない野田総理
だが、重要な制度改革などの政策を次
次に決めて行くが、その末路?
2012.2.14 NHKニュースより

これが、直接国民の信を得ていない野田政権の末路? 野田総理は「国家国民のため・・」と力むが内閣支持率は朝日新聞の世論調査(2012.2.14)で27%、読売新聞(2012.2.14)で30%へ下落し政権運営は厳しさを増す。消費税増税も半数の人が仕方ないと思っていたのが、逆に55%反対になった。国の経費削減に十分に取り組んでいないことが主な理由だ。

当初は消費税増税だけが先行し、余りにも国民の批判が大きいのに驚いて慌てて自ら身を削る努力も必要だと取り組みを始めたが、増税スケジュールに合わせての国家公務員改革、議員定数削減などは中途半端さ、取ってつけたような政策でうまくいきはずがない。

野田総理は野党に協議参加を促しているが、党内にだって反対論が強い。09年の政権交代時のマニフェスト作成を主導した小沢さんは「民主党と同じことをやっていて、カネがないのは当たり前。予算の組み替えを前提に組みたてたのだから予算の組み替えが必要」(読売新聞2012.2.14)だと今の野田政権のやり方を批判する。

だとすると、何故党内の正式な機関で議論しないのか。「こうすればできるんだ」という案を示さずにただ外野にあって反対を唱えてばかりいる小沢さんに疑問を感じるし、「俺は政権についていない」と思っているとしたら、余りにも了見の狭い政治家としか言いようがない。

私たちが国政を託した民主党は何だったのか。自民党の長期政権による政官腐敗、政治不信が高じて、この辺で政権を変えてみようと有権者が判断したことは理解できるが、烏合の衆の民主党では荷が重すぎた。初の政権にはしゃぎ過ぎて標榜する政治主導をパフォーマンスと勘違いするありさまだ。

9か月ぐらいの短期政権だったが、国民の多くの期待を背負って登場した細川政権を思い出す。

色んな考えの政党が集まってできた連立政権、連立内で十分に議論されず唐突な政策発表(環境福祉税など)、一一ラインとまで言われた2重権力構造、小沢さんの存在と主導権争い、財務省の暗躍、そして細川さん自身の「政治とカネ」の問題など政権が信を失っていく構図が同じではないか。

今の民主党、当時の連立政権を「烏合の衆」という人もいるがカラスに悪い。カラスはお互いに声を掛け合って団結しているようだが、民主党政権は旧社会党系、民社党系、保守系などがごちゃ混ぜの政権で統一感が全くなく、グループごとに行動しているから何時どうなるかわからない。

維新の会の公約に当たる船中八策
遠大な政策が並ぶが、大衆迎合に
ならぬよう注意
2012.2.14 知りたがり フジテレビ
そこで出てきたのが「維新の会」だ。大阪の地盤沈下を回避しようと「大阪都構想」を提案してきたが、国の制度を変えなければどうしようもないと考えたのだろう。船中八策で国政への進出を狙っている。FNNの世論調査では65%もの人が期待している。維新政治塾には3300人の応募者があったという(2012.2.14 知りたがり フジテレビ)。

政権公約も、憲法改正、社会保障制度改革、統治機構の再構築、行財政改革、教育改革、公務員制度改革、経済政策、外交、安全保障など八策がたたき台として公表された。維新の会の1丁目1番地である大阪都構想は見られないが、統治機構の再構築の中に含まれているのだろうか。

支持政党なしの無党派層も50%弱になっているが、大衆迎合(ポピュリズム)に走らず、冷静に考え行動すべきだと思う。

肝心の野田政権だが、野田総理が増税を力むほど国民は離れていく傾向にある。直接に国民の信を得ていない内閣の悲哀かもしれないが、このような重要な社会保障と税の一体改革、TPP、在日米軍問題など制度上重要な政策を国民の信を得ていない内閣が取り組むには負担が大きすぎる。

「マニフェストに掲げていない政策でもやらなければならないこともある」と野田総理は大義を主張するが、それは国民の信を得ている内閣での話だ。

自民党は、消費税10%を公約にしているが、谷垣さんは民主党の消費税増税に「マニフェスト違反」と反論し頑なに協議を拒否している。万一、総選挙になり自民党が政権に復帰した時、消費税増税にどう対応するのか。

野田総理は、消費税増税関連法案を通すには無駄削減の徹底、経済状況の好転に向けたデフレ脱却、円高対策など経済政策の推進が必要になるが自信があるのか。国会審議を聞いていても耳をそばだてることはなかった。

野田総理は、内閣支持率の下落、消費税増税への説明不足批判、党内不協和音にどう答えようとしているのか。

2012年2月12日日曜日

安住財務相の介入手口言及:「開かれた政治」へ方針転換?


安住財務相の為替介入手口
言及を報じる読売新聞
2012.2.11

安住財務相の為替介入手口発言は、民主党が標榜している「開かれた政治」への方針転換ならいいが、そうではなく「軽率な発言」の批判が多い。

私も10日の国会衆院予算委員会の質疑をきていた。質問者は野党自民党の西村さんで、テレビ中継を意識してのボードまで用意した質問だった。あの介入時、安住財務相は「納得のいくまでやる」とインタビューで強気発言をしていたので80円近くまで頑張るのかと思っていたが、78円20銭でやめたという。

答弁を聞いていた時には、そう違和感を持たなかったが手の内を公表したという批判には理解もできる。本来なら「75円台は日本経済にとって厳しい水準だ」とでも言っておけばよかったのだ。

介入をやめた78円20銭をどう見るか。

安住財務相は「一定の効果はあった」と言っているが、その後も覆面介入をしていることを考えると、78円台が期待された水準ではなかったのではないか。

この為替介入資金だって国民の借金になる。財政健全化を唄い、消費税増税を国民に強いる状況下にあっては多額の介入資金になることに抵抗があったのだろうし、ドル安を容認する米国をはじめ、協調加入を拒否する先進国の反対も気になるところだ。

これからも市場との戦いが続くだろう。円高要因は流通貨幣量に関係するという指摘もある。ドルに比べて流通量が少なければ当然に、円高になる。

日銀は、対GDPで比較すると米国は12%、日本は15%だから決してそうは思わないと日銀の白川さんは国会で答弁したことがあり、頑なな態度をとっている。

今国会でも更なる金融緩和を要求され、「日銀法を改正してでも円高、デフレ対策に当たれ」と訴えた質問者もいた。

今回の安住財務相の介入手口発言は、「開かれた政治」には良いと思うが、失言だったら問題だ。

2012年2月10日金曜日

佐渡で震度5強:日本海側でも巨大地震の可能性?


日本海東縁変動帯
M8,M9の巨大地震が発生すると
予測されている震源域図の中に
日本海東縁変動帯を図示した。

8日夜、NHKニュースウォッチ9で地震情報が流れた。午後9時1分ごろ地震が発生、佐渡で震度5強、震源地は佐渡付近で北緯37.9°、東経138.2°、深さ10㎞、M5.7だという。津波にご注意くださいということだったが、その発生の心配はなくなった。

現地の様子をカメラが映している。雪も積りしんしんと降っている。電話取材では大きな被害はなかったようだが、夜でもあるし雪も積もっているのですぐには把握できないのだろう。

その後、同じ場所で21時22分、深さ10km、M3.1 佐渡震度1、さらに日が変わり0時22分にも深さ10km、M3.1が連続した。

3.11以降、日本列島周辺のプレートに歪の変化がありバランスが崩れており、全体的に地震が発生しやすくなっているのは確からしい。佐渡付近にどのような海溝があるのか調べてみた。
気象庁地震情報
8日午後9時5分発表

海溝と名のついているところはないが、糸魚川―静岡構造線から佐渡沖、牡鹿半島沖、積丹半島沖を通って間宮海峡に抜ける「日本海東縁変動帯」というユーラシアプレートと北米プレートが衝突している境界が存在する。将来は海溝になるのだろう。今回はその佐渡沖付近が震源だ。日本海中部地震、奥尻島に甚大な被害をもたらした北海道南西沖地震の震源域もこれに属する。

そういう意味では、この佐渡付近を震源とする地震は重要な意味がある。日本海側でも巨大地震発生の可能性があるのだ。


[後記]
この日本海東縁変動帯がユーラシアプレートと北米プレートの境界と言われてきたが、これに疑問をはさむ意見がある。プレートテクトニクス理論に疑問をはさむことにもなる。


科学の危機 科学理論はこうして崩壊
する(学習研究社)
当初北米プレートは北海道中部とサハ
リンを結ぶ点線の位置が考えられてい
たが、巨大地震の発生で、その震源域
を通るはずだと考えられ西に大きく変更
され、実線の位置になった。これが「日本
海東縁変動帯」といわれている。
「科学理論はこうして崩壊する 科学の危機(卯田 1995年 学習研究社)」によると当初、北米プレートは北海道中部からサハリンを結ぶ線上にあると考えられていたが、1983年に日本海中部地震が発生したのを契機に、この震源域を北米プレートが通ると考えられ、北米プレートの位置が西に大きく変更された。


その後1993年に北海道南西沖地震が発生し、その震源域もこの境界にあるとして北米プレートの位置が定説化された。


しかし、この2つの地震はプレートの沈みこむ側が反対であり、1995年のサハリンでの大地震は横ズレだった。そのため「形成されつつある」境界ということになったが、学会では議論のある日本海東縁変動帯であり、プレートテクトニクス理論の信憑性にもかかわる場所なのだ。 



2012年2月9日木曜日

富士山大噴火は、避けることの出来ない自然現象の繰り返し


噴火を描いた絵図

富士山大噴火は、避けられない自然現象の繰り返しなのだ。3.11東日本大震災の発生後、日本列島は巨大地震の発生が危惧されている震源域での歪などの蓄積で、その確率が早まったという。そこで出てくるのが富士山の大噴火の恐れで、メデイアの報道も目立ってきた。

富士山は、私が高校生のころは休火山だったと思うが、いつの間にか活火山に分類される活動している火山なのだ。もう30年ほど前だったろうか、相良さんという気象学者が9月15,16日に富士山が爆発することを予知した本を出版されたことがある。低周波地震、地下水温、マグマの上昇など理由を挙げての警告だったと思うが、その時を過ぎても噴火はなかった。

予知が外れたのだから、それまで名声をさせていた相良さんはメデイアから消えていったが、直後に富士山と関連している三宅島かどこかの火山の噴火があり、強ち相良さんの予知も全くの嘘ではなかったのではないかと思ったこともある。

宝永の噴火のときに出来た火口
富士山噴火の歴史を見ると、貞観地震後の864年、宝永地震後の1707年11月23日の大噴火といわれているが、「火山災害の研究」(損害保険料率算定会 平成9年)によると、1707年10月28日東海道沖~南海道沖を震源とする大地震起きる。11月16日、地震頻発し、東麓で強い地震、16日8時、東麓で強い地震とともに噴火開始、ゴロゴロという音と黒煙が上がった。

10時に噴火開始、東麓、南麓で白い灰が降る。13時には江戸でも白い灰が降る。16時には江戸も黒雲に覆われ、降灰が続き、灰の厚さは5~7mm(江戸)、日暮れのようになった。夜は晴れて空も見えたが、17日は江戸で強い振動、南西の噴煙中に雷、強い振動が止んだり続いたりした。18日は江戸は曇り、霧が立ち込めたようになり、黒砂が降るようになった。富士山の近くの村では「砂の降ること雨のごとし」という。その後強い振動、雷鳴が続くが、23日には噴煙と火山弾が吉田で見えた。灰は降り止むが霧煙が深く火山弾の噴出も続くが、1708年1月、噴火が終息する。

噴火が始まって数時間は安山岩質の噴出物が噴出し、その後玄武岩質のスコリア噴出に変わった。爆発的な噴火は最初の3日間で、あとは断続的な噴火が1708年1月まで続いた。大量の火砕物が山や谷に堆積し、雨とともに酒匂川などの河川に流入し、洪水が頻繁に発生した。下流域では農地の埋積がたびたび発生、このような洪水は噴火後10年にわたって続いたそうだ。焼石の落下は近くの村を全滅させたほどだ。
降灰は酒匂川に大洪水をもたらし浚渫を繰り返したようだ。幕府は藩領を幕領にし、全国の藩に普請の要請、分担をしたようだが、生活弱者も生み、男、若者は他に仕事を見つけに出て被災地は子供、女、高齢者だけになったそうだ。

当然、社会的矛盾も明らかになってきた。この点は今回の東日本大震災にも言えることだ。

相模トラフ、東海・東南海・南海の連動による巨大地震の後には必ず富士山噴火の危険があることは災害歴史から見ても明らかだ。

今、富士山周辺では異常が見つかっている。異常出水、温泉の出現、富士山の永久凍土の減少、低周波地震、山頂直下での地震、富士山周辺での地震の発生、磁気異常、マグマの上昇、山体温度の上昇などを前兆として指摘する研究者もいる。

寺田虎彦博士の「自然災害は、必ず繰り返す自然現象だ」という言葉を思い出すまでもなく、肝に銘じておかなければならない。残念なことはその時期、規模まではわからないことだ。国は今、地震研究に年間400億円もの研究費をつぎ込んでいるのだから、専門分野にこだわらず、研究者の奮起を期待する。


写真:いずれも「大震災後の富士山はどうなる 噴火と崩壊の危険」 2011.12.15 テレビ朝日 スクランブルより

2012年2月7日火曜日

国会審議:何故、協調出来ないのか


霞ヶ関から国会を望む

国会審議を聞いていて、どうして協調点が見いだせないのか不思議に思う。日本国憲法前文に「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」と記されている。国会審議は国民目線でおこなうものであり、すべて国民のためでなければならない。勿論、国民にもいろんな立場の人がいるので考え方、利益の享受も異なるので一様でないことは確かだ。

しかし、基本的に国民目線での政策を推進するのであれば、与野党で協調点を見いだせるはずであるが、国会審議を聞いていると議論は平行線を辿り一致点は見いだせそうにもない。

不毛の審議を続け、政治スケジュールが詰まり時間切れになり、あとは数に物を言わせた強行採決になる。その様子をテレビの映像で見るたびに政治不信が募る。

何故、協調点、一致点が見いだせないのか。

国会に提出される法案のほとんどは内閣提出法案だ。憲法では国会が国の唯一の立法機関とうたっているが、国会議員の法案提出数は非常に少ない。内閣に法案を提出する規定は憲法にはないが、内閣法で規定されている。

ということは、多くは担当官庁からの政策提言であり、当然に官僚主導の法案作りになるのではないか。

政策には従来からの整合性されたポリシーが必要で一度決まれば、滅多なことで変更できない。時代の変化にも、なかなか対応できないのだ。

政策は、長い間の腐れ縁である族、省利省益が優先し一部の国民は利するが、大方の国民の利益は無視される。

国会審議での閣僚の答弁は、あらかじめ質問取りし官僚が答弁書を作成し、閣僚は野党議員などの質問にあたかも自分が答えるように棒読みする。答弁書は官僚作成だから国民目線とかけ離れている。野党議員は当然反発してくる。

でも質問が続かない。質問者には持ち時間があり厳守だ。時たま予想だにせぬ答弁があって審議は紛糾する。理事が委員長席の周りに集まって協議する。面倒な問題は理事会預かりで急場をしのぐ。時間が来て他党の質問者に変わっても、また同じ質問を繰り返す。

そんな審議過程に協調点など見いだせない。

さらに、最近多く例が見られるのだが、政治基盤の脆弱な政権が誕生すると財務省との離が重要になる。財務省の機嫌をそぐと政権運営が難しくなる。逆に近づき過ぎると嫌悪感を持たれ政権の支持率が下落する。

国民目線の政治をやるには、議員立法を徹底するしかない。そのためには立法能力のある国会議員を国会に送る必要がある。

でも、これも難しい。人材難時代だし、国会議員数削減の問題もある。勿論多ければ良いという問題でもない。

国会審議での協調点、一致点を見出す方法は、政府が野党案をどう取り込むかにある。政府案はどうしても官僚案になりやすく、反対に野党は国民目線の考え方になりやすい。ここが本当の政治主導だと思うのだが、民主党政権はパフォーマンスに走りすぎたり、財務省の庇護下にありすぎたりバランスの取れない政権だ。

官僚を抑え、包容力のある総理の出現を期待する。

国会の平行線審議:考えの主張し合いでは何も決まらない


参院予算委員会での野田総理
政権と野党の考え、持論の主張
し合いでは何も決まらない。政権
には野党の意見も取り入れる
懐の深さが要求されないか
2012.2.7 NHK国会中継

国会の委員会審議を聞いていると、お互いに持論を主張し合う平行線審議では何も決まらない。これでは突っ込んだ審議もできず、民主党政権が事前協議を要求する気持ちもわからないではない。

7日の参院予算委員会で、みんなの党の小野議員が「事前協議でないとダメなのか」と社会保障と税の一体改革などで事前協議を要求している政権に説いただした。岡田副総理は「もっと突込んだ議論が必要」といい、野田総理は「国会審議もしっかりやるが、否定することもおかしいのでは」と野党の姿勢に不満を述べた。

公明党の魚住議員は、今、喫緊の課題であるデフレ脱却、円高への対応に機動的な金融政策を要求した。日銀の白川総裁は、デフレ脱却し経済成長への道筋は変わらず、物価安定の展望ができるまではゼロ金利を継続するという。物価安定は2%以内、物価指数がどうか、下落と景気悪化、物価感などを考慮するらしい。資金供給が減っているのではないかとの問いにも、資金供給も十分で実態経済に反映させたいという。

日銀は従来の考え、政策を正当化するだけだが、魚住さんは「何もやらないということか」と怒り、デフレ脱却に思い切った手を打ち、物価安定ばかりでなく、雇用の最大化にも努めてほしいと注文を付けた。

昨日6日の参院予算委員会でも白川総裁は円高を「大変厳しい問題と認識、よく状況を点検し政策に取り組みたい」と殊勝なことを言っていたが、市場は少し円安に動いたがけ為替介入の意思はなかったのだ。

更なる金融政策の必要性は叫ばれているが日銀に打つ手がないのか。インフレ・ターゲットの設定も嫌がっている日銀に、そんな度胸は期待できない。

みんなの党の小野さんは、「身を切る改革が必要というがどんな改革か」と問う。野田総理は「定数削減などの政治改革、特法、独法などの削減を含めた行財政改革だ」という。「ではどれを増税の前にするのか」と聞くと「すべてにおいて結果を出せることができなければ増税はない」とまで言い切った。岡田さんは、法案の成立は与野党での話し合い次第だという。

さらに国家公務員の給与削減は、2年間に限る時限的なものか。2年たったら元に戻すのかと質問。川端総務大臣は「時限であるが、法律が通れば労使交渉になる」といい、「いつになったら20%削減が実現するのか」の問いに岡田副総理同じ考えを示した。

議員歳費の引き下げ、政党交付金の削減を岡田さんがメデイアなどで語っていたが、この可能性について岡田副総理は「議員歳費については言及しないことにし、政党交付金については各党にいろんな意見がある」とトーン・ダウンした答弁になった。

消費税増税関連法案に景気動向の条件が付いているが、どういう経済変動なら増税が猶予されるのかの問いに、安住財務相は、「具体的な数字を法律には書きこむことはできないが、その時の政府の高度な政治判断による」という。小野さんは、それじゃ予算が組めないのではないかと反論する。

批判も多くて増税関連法案に無理矢理に景気条項を付けたが、政府のさじ加減でいかようにもなるということだ。

民主党政権が、増税案成立後に国民に信を問うのは遅すぎないかと小野さんは追求するが、野田総理は「やり抜いた後で信を問う」の一点張りだが、小野さんは「法案提出後に国民に信を問うのが本筋ではないか」と反論した。民主党が敗けた場合はどうなるんだと問いかけに、野田総理は「争点がいろいろある。国民が判断することだ」と答弁した。

野田総理は、「決められる政治」を施政方針演説で主張したが、国会審議を聞いていると、お互いに考え、持論を主張し合うだけで何ら結論の出ない平行線の審議が続き、最後は時間切れで質問が終わる。

消費税増税だって、民主党政権の従来の方針を変えて、法案提出後に国民の信を問うような協調点がどうして見いだせないのか。

小者の政治家の集まりに怒りを覚える。

2012年2月6日月曜日

次々報道される巨大地震シミュレーション、でもまだ安心か


東大地震研発表の「直下型地震4年以内
に発生確率70%」を報じる読売新聞
2012,1,23

次々に飛び込んで来る巨大地震シミュレーション、でもまだ安心なのか。毎日どこかのメデイアでM8,M9巨大地震の危険が報じられているが、極めつけはいつ起きても不思議ではないといわれている首都圏直下型地震の発生確率が「4年以内に約70%」だ(読売新聞 2012.1.23)。今まで「30年以内に70%程度」だったのだから東大地震研のこの試算はセンセーショナルなものだった。ただ、注意書きがあり、この試算の数値は、今の時点での最大瞬間風速で今後どう変わるか見守る必要があるという。

ところが、2月1日、今度は京大防災研が「5年以内に28%、30年以内に64%」と発表した。

3.11前後の地震発生データを昨年9
月時点で抽出し、モデルにインプット
した。
2012.1.29 日テレバンキシャ
同じモデルを使ったのだが、インプット・データとして東大は、昨年9月時点での3.11前後のM3以上の地震観測データから震災前は47回、震災後は343回に増えていること。地震はMが1大きくなると発生頻度は1/10になることを踏まえて試算したという。一方の京大は、それよりも発生頻度の落ちている時期のデータから試算したのだから確率も低くなっているのだ。

インプット・データが違えば当然結果も違うが、4年と5年、70%と28%の違いにどんな意味があるのかわからない。しかし、4年で70%といわれるとギクッとするが、5年で28%と聞くと少しは安心する。差迫っていることに変わりはないが、数字が低いとついつい安心し、そっちの方を信用しがちなのに驚く。

ところで3.11以降、出てくる地震予測は軒並みM9クラスの巨大地震だ。M9クラスの巨大地震は沈む込む海側プレートが陸側プレートに対して浅い角度で潜り込む地域で起きる。日本周辺のプレートは比較的深い角度で沈み込むからM9は起きないと考えられていたのだ。こうM8,M9クラスの予測ばかりだと、M6、M7クラスは「大したことはない」と思われては困るのだ。

地震に関する知識も以前とは変わってきたのではないか。「ゆっくり地震」の発生は歪も解消し、被害も少ないのでむしろ歓迎すべきだといわれてきたと記憶するが、今は「ゆっくり地震」の隣に危険な震源があるという。3.11の東日本大震災も「ゆっくり地震」が少しずつ南下していって、行き着いたところに3.11の震源域があったといわれている。「ゆっくり地震」は、巨大地震の予測にも利用できるらしい。

地震大国の日本だから地震の研究者も多いのは当然であるが、十人十色でいろんな注目震源域が挙げられている。

地下のプレート構造、他の地震との連動性、交通の要所で経済に大きく影響する地域、3.11以降地震活動が急増している地域、3.11以降ひずみ、バランスの崩れている地域、破壊を逃れた(割れ残り)地域、アウターライズ地震の可能性のある地域、さらには富士山噴火の危険、各種前兆現象からの予知など研究者の対象は多様だ。

私たちは、ちょっと確率が低くなったからとか、自分の住んでいるところから遠いからと言って「まだ安心だ」と思ったり、M8、M9ばかりが注目され、M6クラスは「大したことはない」と思ってはいけないのだ。

私も急遽、地震対策をした。家具、本棚類は転倒防止ゴムを敷き、ねじれん棒類で固定した。パソコンは、デスクトップ・タイプは止めノート・パソコンに交換している。戸棚のガラスはアクリール樹脂板に交換した。液晶テレビはテレビ台にバンドで括り付けた。この液晶テレビは我が家の地震計になる。テレビで地震情報が流れる前に揺れて教えてくれるのだ。後、小物類はゼルなどで止めようと思っている。

水は、45Lのポリ容器に45Lのごみ袋をいれ、飲料水をためることにしている。3日間ほどの携帯食糧、簡易便器なども用意しなくてはならない。

役割分担もある。小学校、保育園に行っている孫たちを迎えに行かなければならない。そして決められている一時避難場所の小学校に集まり、最終避難所、私の場合は多摩川河川敷になる。しかし、多摩川河川敷もM9クラスで大津波が東京湾に入ってくると危険になり、見直しがされているというが詳しいことはわからない。

地震に関する情報に一喜一憂せず、平素からの心構えが必要だ。

京大防災研は同じモデルで、余震が減った
本年1月のデータをインプット。「5年で28%」
の試算を公表した。
2012.2.1種と直下型地震 フジテレビ
スピーク
寺田虎彦博士が言われたかどうかは定かではないが、「災害は忘れたる頃来る」という。それは昔の話だ。今はそれなりの防災処置がされて安心していた時に、3.11が来た。今は「災害は油断したる頃来る」だ。

2012年2月4日土曜日

日本再生への道:消費税増税より国内投資、雇用の確保では


日米が競って金融緩和を進めるが
円高傾向が続く
読売新聞2012.2.3

財政再建、国債下落回避のために、消費税増税が大きな政治課題になっているが、日本再建には製造業の国内空洞化防止のための国内投資、職場、雇用の確保で日本を再建していくことが先決ではないのか。消費税増税は国民の支持が得られれば、一番楽な手段ではあるが際限がない。

パナソニック7800億円の過去最大の赤字、テレビ不振と合併問題が響いたという。最近の経済ニュースで日本を代表する大手企業の赤字1000億円などザラなのを聞くと驚きとともに、政府、日銀のデフレ、円高対策に何ら有効な手が打てないままに様子見の姿勢にいらだつ。

また為替市場で一時的とはいえ75円台になり超円高傾向はとまらない。1月25日、FRBは政策金利を1年延ばす方針を決め長期化することが分かったが、ますます円高基調だ。

日米が競っており、金融緩和策もさらなる追加緩和に踏み出す用意があるとバーナンキ議長は言っているという。インフレも2%を目安にしているようだが、決してインフレ・ターゲトではないらしい。2%の物価上昇率はほとんどの中央銀行が採用している数字で、物価安定と雇用の最大化は重要という(読売新聞 2012.1.27)。

日銀は確か1%の物価上昇率を考えている。金融緩和の継続も日銀の考えと大した違いはないとみているようだ(読売新聞 2012.2.3)。しかし追加金融政策については、実効性では試してみないとわからないという手探り状態なのだ(讀賣新聞 2012.2.1)。

製造業が海外移転し国内経済を空洞化させる円高、デフレ対策に不退転の決意であたり、日本国内経済の再建こそ最重要課題ではないのか。

今国会は、消費税増税で民主党マニフェスト違反、普天間移設問題、新防衛相の資質問題で不毛の論争を繰り広げているが、もっと真剣に円高、デフレ対策を議論しなければならない。

1月30日の代表質問でも民主党の藤原さんが日本経済は需要の低迷、物価の下落、賃金の減少の悪循環から抜け出せていないと指摘、共産党の市田さんも日本経済再生には、営業の再建、労働者の雇用の拡大と安定、時給1000円の最低賃金の引き上げが急務だと重要な提言をしているが国会審議ではその動きはない。
ただ2日の衆院予算委員会で自民党の山本さんが日銀も物価目標を明確にして、金融緩和を進めるようにせまったが、日銀の白川さんは「FRBも同じ目的のもとで金融政策を運営している」と述べたという(読売新聞 2012.2.3)。

2日はNHKの国会中継がなかったので、詳しいことはわからないが、要求する更なる金融緩和がどんな緩和なのか、日銀の相変わらずの従来の考え方の繰り返しでは如何に日銀の独立性を考えても議論にならない。

確かに、今の円高は欧州経済危機、米国の経済不安などが絡んでいることはわかるが、手をこまねいて様子見ではだめだが、政府も何もやっていないのではないらしい。

政府は、超円高対策に2000億円補助するという。製造業の国内設備投資1兆2600億円に対して2023億円を補助する。これにより約5兆円の需要、約20万人の雇用を期待しているという(読売新聞 2012.2.4)。

円高もまた危険な水準になってきた。他の先進国との協調介入でない限り単独為替介入には限界があるし、介入するにも資金は国民の借金になるのだ。それがわかっているから、政府、財務省は様子見なのだろう。

しかし、財務省は消費税増税には野田政権を援護射撃をする。

財務省が税と社会保障の負担が国民所得に占める割合・国民負担率の2012年の見通しを公表した。前年に比べてー0.2%の39.9%で、イタリア63.2%、フランス60.1%、イギリス45.8%。景気回復で国民所得は増えるとみている(讀賣新聞 2012.2.4)。

消費税10%でも他国に比べればまだ低いことを言いたいらしい。復興需要などで景気は回復すると政府も見ているようだが、その実感はまだ沸いてこない。

円高、デフレ対策、そして国内製造業の空洞化回避は我が国の緊急の課題で、これ以外に日本再建策はない。消費税増税が日本経済再生にどう貢献するのか。財政再建と経済成長は両立しにくいのではないか。