2012年2月19日日曜日

日本洗濯:政治の仕組み、制度を変えることの出来るリーダーが出るか


霞ヶ関から国会を望む
日本の政治の仕組み、制度改革
は、まず国会、官僚組織をどう改革
するかだ。

日本の政治のしくみ、制度を変えることのできる強いリーダーが出てくるのが期待されているが、無理なようだ。今まで日本社会を支えてきた制度が、グローバリゼーション、リーマンショックに端を発した世界経済危機、国内的には世界でも例を見ない急速な少子高齢化、先進国一悪い財政危機で今まで日本を支えていた社会制度、政治制度にほころびが出てきた。

デフレ、円高が続き日本経済は沈滞し、税収は約40兆円に落ち込むが国の一般会計は約92億円と借金まみれで2004年以降、対GDP比100%を超え、今200%を超えた。

年金制度を始めた当初は、大黒字で使い道がないことを良いことに国会議員や官僚は国民のためと言って色んな施設に投資したが経営破たんさせ、国民に大きなツケを残した。そして少子高齢化と相まって年金制度は行き詰まり、医療・介護制度などの分野で大きな改革が必要になってきた。

しかし、国民に「NO」と言われないために子育て支援、医療・介護ではサービスの強化が約束され、国民に痛みを強いることを避けての増税のために、社会保障と税の一体改革の大綱は批判の声も聴かれる。

総選挙を控えての制度改革は、政権与党を及び腰にする。

民主党は、政治の仕方を変えると国民に訴え、政権交代にこじつけたのはいいが、標榜した政治主導も国民が期待したものとは程遠く、脆弱な政権は官僚依存を強めていく。党首討論も党首の主張の仕合で協調は見いだせず、政治資金集めに翻弄することなく国政に打ち込めると強調し導入した政党交付金制度も理想論とはかけ離れ、小沢さんのような政治家が権力を握るのに利用され、「カネのかからない政治」など程遠い。

官僚を排する一環として、法制局長官の国会答弁を禁止したが、民主党政権で法解釈がぎくしゃくし、弁護士資格を持つ枝野官房長官(当時)が担当したが、今国会で法制局長官の答弁が認められるようになった。

TPPは、昨年の横浜でのAPECで当時の菅総理が参加を表明し、「平成の開国」といい、野田総理も参加へ向けた協議に入るというが、根強い反対論もあり党内を二分するありさまだ。一方の自民党は考えを明確にしておらず先送りの様子見だ。
日本の国家感も変わるかもしれない憲法改正も国民投票法は成立したものの、一向に進んでいない。改正の発議を各院でそれぞれ2/3の賛成を1/2に緩和しようという動きが自民党時代にあったが、その後どうなったか。

小泉政権時代に首相公選の検討がされたようだが、人気投票とか、実績・力のない名前だけ売れている候補者が当選する弊害もあり立ち消えになったという話は聞いたことがある。

国会議員の定数削減が問題になっているが、衆参二院制から参議院を廃止し一院制にする話も自民党時代にあったと思うが、参院側の猛反対で立ち消えになったと記憶している。本来の参院は衆院とは違った人材で構成し、衆議院のチェックをするような組織だったと思うが、今の参議院は衆議院を落選した者、選挙区の事情で外れた議員が鞍替えしたり、衆議院の二番煎じでは、その存在価値は否定されて当然だ。

デモ、憲法の改正を必要とする制度改革、国会議員自身が対象となる政治家改革は、発議自体が自分のことのために余程のことがない限り難しいのではないか。二院制でその内容を変えていくしか方法はないのでは。

そして、制度改革、政治改革では国家公務員制度をどうするかがポイントになる。官僚組織は巨大で、情報と行政のノーハウを持っている。国民のためというより省利省益で動く組織だ。自分たちの利に反するような政策には、サボタージュや政治家を利用して潰しにかかる。法案も牛耳ることができ、国会で検討された内容も官僚組織にとって不利なところは最終段階で改ざんされる。自民党政権の時、その改ざんで一行分の文章が書き加えられて改ざんされていた問題が国会で問われたとき、担当官僚は「いわゆる接続詞的なもの」と恍けた答弁をしていたのを覚えている。

民主党政権になって事務次官会議が廃止(今は復活している)されたので、そういうことはできなくなったと思っていたが、今は復活しているのでどうなることやら。

巨大な官僚組織を相手に、どうやって改革をやっていけるか。これが最大の問題だ。菅前総理に一縷の期待はしていた。財務相の時「官僚は大馬鹿野郎だ」といったのはいいが、国会予算委員会で自民党議員から、何かの予算で「乗数効果」を聞かれ、官僚の耳打ちもなく答えられなかったことがあってから菅さんは官僚への依存を強めていったようだ。

今、既成政党への不満が高まっているところに、橋下さんの「維新の会」や大村さんの政治塾、石原都知事を中心にした新党など第三極構想をメデイアが煽っている。

坂本竜馬の船中八策を真似た公約も発表されたが、考えは同じだという石原都知事やみんなの党もある一方で、既成政党はあまりにも遠大な政策でスケジュールが示されず、予算措置も不明なままでは尻込みせざるを得ないが、選挙を控えて戦々恐々としているのは間違いない。

総理にさせたい人の調査では、野田総理や現役閣僚を押しのけて橋下さんや石原さんの人気が高い。しかし、しっかりした国政に対する政策を聞いての人気ではなさそうだ。カリスマ性とスピード感を持って政策を進めることに共感をもたれてのことらしい。

民主党が言うように仕組みを変えることは容易なことではない。自民党議員が言うようにガラッと変えるのではなく、それぞれの制度の内容を見直していくことの方が先決かもしれない。

内憂外患の時代を走った坂本竜馬に肖ろうとする気持ちはわかるが、ポピュリズムに走るとまた失敗する。政治の世界で「青い鳥」はいないのだ。

民主党に引き続き政権を担当させるか、もうお灸をすえるのは止めて、ここで自民党に復権させるか。既成政党で地道に制度改革、政治改革を進めていく以外に方法はないのではないか。

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