2012年4月15日日曜日

試練が続く野田政権、変質する民主党?


民主党本部

経験の乏しい野田政権に試練が続く、民主党政権も変質?  内閣支持率も30%を切り、人気を上げるテーマは見当たらない。逆に下げるテーマは満載だ。人気のない政権では、一つ一つの政策に期待がもてず将来の安心感など出てこない。

そのいい例が消費税増税だ。財政再建で将来の負担が軽減し、生活に安心感が出てくれば経済も成長路線に乗ると見られているが、野田政権では期待できない。

ここ2,3日で重要な課題が出てきた。原発問題ではエネルギー政策も含め国民的議論が必要になってきたが、当座の電力不足の強迫観念から安全軽視に突如舵切りし、大飯原発再稼働に政府として否、民主党として安全判断を下した(枝野、仙石両氏で主導)。

北朝鮮ミサイル発射問題では、防空網、警戒・監視で大きな問題をさらけ出した。高価なシステムも「誤報」を心配した余り、迅速な情報伝達に及び腰になり緊急時の対応に禍根を残した。

政権与党ですら統一できない消費税増税関連法案では党内反対派や野党との協調を重んじ意見を取り込むのは良いとしても、公務員制度改革、行財政改革、公務員制度改革などの遅れを批判されると、帳尻合わせの政策を無節操に進める泥縄式の政権運営に疑問を感じる。

中途半端な改革が、後々の改革に障害にならないか。

政策推進にあたって野田総理は「丁寧な議論」を主張するが、消費税増税での党内事前審査はなんだったのか。大飯原発再稼働に向けた数度にわたる関係閣僚会議は先送りで、突如安全を判断したというが、どんな問題があって、どう判断したのか全く分からない。

政策の決定過程が不明朗なのだ。

政治改革のスタンスも変わってきた? 自民党時代からの公務員改革の原動力だった古賀さんを追放した。仙石さんが予算委員会で古賀さんを恫喝したシーンは、これが民主党政権かと耳を疑ったほどだ。

野党時代の民主党から大きく変質していないか。先の党首討論でみんなの党の渡辺さんが「出来損ないの自民党」と揶揄したが、その通りではないか。曲がりなりにも鳩山、菅さんまでは「政治主導」で独自性を出そうとしたが、野田さんに至っては財務省主導の官僚政治に戻ってしまった。野党時代にあれだけ「政権のたらい回し」を批判しておきながら民主党政権でも臆面なくたらいまわしだ。菅さんは民主党サポーターも選出に加わったが、野田さんは国会議員だけの選出で本当の民意とは言い難い。

肝心のマニフェストは、財源の問題から見直しを強いられたが、まだバラマキ予算は残り、震災復興、景気対策で赤字財政は続き、96兆円という予算規模で半分は赤字国債に頼る財政再建とは程遠い。消費税増税も「不成立の場合は重大な決意」と野田総理を言わしめたほどで、解散・総選挙も視野にはいってきた。

野田総理は、消費税増税を民主党単独ではなく、連立政権で進める方針にこだわるあまり、国民新党の分裂まで引き起こした。社民党の福島さんは「民主党は連立を容赦なく切り捨てる」と批判したが、こんな民主党政権に協力する野党など出てこない。

そして、最後は民主党内の主導権争いだ。最大派閥の小沢グループを敵に回しての政権運営は薄氷の技だ。

4月26日の小沢さんの陸山会事件の判決次第では、民主党は分裂の運命にある。「出ていくのはマニフェストを見直した連中だ」と本流を主張している。

問題山積する政治を政治基盤の脆弱な民主党・野田政権に託すリスクは大き過ぎないか。

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