2012年4月22日日曜日

次々に高さを増す津波予想:「正しく怖がる」ために説明を


最大10m以上の津波が予想
れる11都県 高知県黒潮町
で34.4m
読売新聞012.4.1

次々に高さを増し発表される津波予想が続くが、「正しく怖がる」ためには詳しい説明がほしい。4月1日に南海トラフ地震で、これまでの予想を大幅に上回る津波が襲ってくることが分かり、高知県黒潮町では34.4mで町の存続にかかわる事態になったが、4月21日には北海道十勝港でさらに高い35.1mの津波の予想が発表された。

首都圏では、関東地震(M8.2)では、震度6強の地域がひろがり、品川区では最大津波高さを2.61mと予想された。

北海道防災会議は、北海道太平洋沖地震で震源域を三陸沖北部から根室沖と想定し、規模を従来のM8.6からM9.1に引き上げた結果、津波高さは22mから35.1mに上がった。根拠に過去の津波堆積物などの調査があるらしい(読売新聞 2012.4.21)。

東日本大震災以降、数百年~1000年に一度しか起きない最悪の場合を想定する動きが主流になり、思い切った予想になったのだろう。では今まで、過去の堆積物の調査などの結果をどう見ていたのか。恐らく、「起こりえない」想定外の規模と考えたのだろう。

北海道で10mを超える津波想定
十勝港で35.1m
読売新聞 2012.4.21
南海トラフも、東海、東南海、南海地震も最初は単独発生が考えられていたが、いろんな調査からもっと規模の大きい地震、津波だったことがわかりだし、3連動から震源域の拡大、更には日向灘自身も加えた4連動を言い出す学者も出てきた。

内閣府の検討で34.4mの予想が出たのが高知県黒潮町、海抜4mのところに8mの津波避難タワーを3000万円で作ったが、これでは役に立たない。「すべて一からやり直しだ」という(プレイボーイ 2012.4.23)。

1946年の昭和南海地震の体験談で「激しい縦揺れがずっと続いた。とても立ってはいられなく怖かったが、津波は堤防の一部が決壊したぐらい」(同上)というが、3連動、4連動ではそうはいかないだろう。

品川で最大津波 2.61m
読売新聞 2012.4.19
東京都が発表した震度想定分布によると、関東地震(M8.2)では品川区で最大津波2.61mだ(読売新聞 2012.4.19)。

品川区では津波対策に備えて河川沿いに海抜表示板の設置を始めた。最初に品川区民公園の入り口に設置したと言うので、22日見に行った。
「ここは海抜2.2m」の表示板が建ててある。京浜急行大森海岸駅で降り、「しながわ水族館」入り口を過ぎ、旧東海道を品川の方に歩くと「しながわ区民公園」の入り口に表示板がある。勝島南運河、京浜運河を経て東京湾につながっている。万一2.6mの津波が押し寄せても、公園内には小高い丘上の造築物もあるし、近くには高層のビルが乱立しており、避難には問題なさそうだが、区民公園や大井競馬場が避難所に指定されていた。津波を伴う地震での避難所では、チョッと心配になる。

品川区「しながわ区民公園」に
建つ海抜2.2mの表示板
それにしても3,11までは「想定外」と思われていた巨大な地震、津波の予想が続いている。

2度と「想定外」を起こしてはいけないという地震学者の考えだろうが、目いっぱい最悪の場合を想定するとは、何か「責任逃れ」のような感じもするが。

要は、我々国民が、これらの予想を「正しく判断し怖がる」ためには、その結論に至った経過、条件をしっかり公表すべきである

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