2012年4月27日金曜日

小沢元代表無罪:「有罪」判決する勇気がなかったのでは


小沢元代表無罪を報じる
2012.4.26 読売新聞
夕刊

なかなか理解に苦しむ判決だ。記者会見で指定弁護人「判決を聞いているうちは有罪かなと思ったほどだが、どうしてこれが無罪なのか」と首を傾げていたが、裁判官に「有罪」という勇気がなかったのだろう。

新聞夕刊で無罪判決要旨を読んでみた。

一番肝心の収支報告書の虚偽記入について、裁判所は「共謀共同正犯が成立するという指定弁護士の主張に相応の根拠があるというが、契約の履行過程に関心がないということはあり得る。土地公表を先送りする方針は小沢元代表への報告と了承を経たものだが、先送りの実行過程には関心がないということもあり得る」と判断している。

何故ここで「関心がない」と推認できるのか。小沢さんは公判で「関心は天下国家、他のことは関心がない」と言う意味のこと言ったことがあるが、このことから推認しているのか。

判例によると、共謀共同正犯とは2人以上の者が共謀のうえ、その中の1人に実行させたとき、全員が共同正犯になるという。共同正犯の認識があることが必要で、単に他人の犯行を認識しているだけではダメなのだ。

第一検察審査会の不起訴不当議決
2011.9.22
これで小沢さんは共同正犯の認識がなかったというのか。

池田被告が処理の仕方を説明した時に、小沢元代表は「ああ そうか」と言って了承したというが、説明は簡単なやり取りで小沢元代表は聞き流し、問題点を認識しなかったと考える余地があると裁判所は判断している。

しかし、一般社会通念上は可笑しいのではないか。4億円、土地購入、政治資金報告書への先送り記載(虚偽記載)について、小沢さんともあろう政治家が問題点を認識していなかったとは思えない。

この点、十分立証されていないという。供述証拠がないし、「そうか そうしてくれ」の会話もなかったのか。

4億円の簿外処理について、メデイアから取材や批判をされ、小沢元代表が政治的に不利益を被る可能性を避けるためだったと裁判所は認めている。だとすると、小沢元代表と秘書の間でその辺の話はしている可能性があると裁判所は認めないのか。

先の小沢元代表の秘書の判決では、裁判所は各所で「推認される」を連発し有罪を下した。

でも、今回の小沢元代表の判決では、「認識していなかった」と無罪を下した。「知らなかった」、「秘書に任せていた」が責任回避に役立つ法廷闘争だったのかと考えると、小沢元代表の「政治とカネ」の疑惑は何ら解明されていない。

野党がこぞって「国会で説明を」と証人喚問を求めていくという。一体今までがなんだったのか。小沢元代表には、政党の結党、解党を繰り返し政党交付金などの処理で疑惑が残っている。疑惑に説明してからの新たな政治活動ではないのか。

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