2012年6月11日月曜日

「ブレない」野田総理、後は不信任決議か解散・総選挙の崖っぷし?


「15日までにまとめ、21日までに採決」
のブレない姿勢を表明する野田総理
2012.6.11 NHK国会中継

「ブレない」野田総理だが、それがために後は不信任決議か解散・総選挙の崖っぷしに立った感じだ。藤井税調会長の「ブレるな」のアドバイスを忠実に守り(?)増税に突き進む野田総理だが、自ら「修正あり」で自民党を協議に引きずり込んだのはよいが、民主党ばかりでなく自民党までも賛否2分する事態になり採決見送りでは野田総理、谷垣総裁ともに崖っぷしに立つ。

一国の総理が事あるごとにブレたりすると「政策が前に進まない」、「決められない政治」になる。ところが猪突猛進では困る野田。事態の変化に対応しなければならないことも重要なのだ。野田総理は増税の採決にあたっては修正協議に応じる姿勢を見せているが、増税に突き進む姿勢に変わりはない。

しかし、最低年金保障制度や後期高齢者医療制度廃止などは自民党の主張する既存制度での対応に反しているが、譲歩すると民主党内がまとまらなくなる恐れがある。そうでなくても原発再稼働もあって反対派の鼻息は荒い。

一方、自民党の谷垣総裁も修正協議でハードルを下げたとはいえ、増税に向かっているが、党内では慎重派、反対派も動いている。執行部の発言が新聞に掲載されているが、それで一枚岩とは限らないのだ。

修正協議での結果を持って各党内合意をどう取り付けるか。修正協議が整わず、合意に至らなかったらどうなるか。

野田政権が先送りしようものなら不信任決議案の提出になるだろうし、強行採決で否決されると解散権を行使し総選挙に打って出ればいい。

11日の特別委員会の審議でも野田総理は15日までにまとめる真意を聞かれ、「何とか全力をあげてまとめる」といい、民主党の中には幟を立てて反対の運動をしているではないかと質っされ「政府が提案した法案だ。党議拘束してでも責任がある」と従来の考えを繰り返した。

解散・総選挙になれば民主党は大惨敗で100議席まで落ちるだろう。民主党と自民党の立場は逆転する。

自民党政権は10%の増税を提案しているが、民主党はどう対応するのか。
民主党がマニフェストで約束している政策を飲まなければ賛成できないという立場をとるのか。自民党の既成制度での見直しで賛成するのか。今の合意のできにくい環境がそのまま新しい政権での繰り返しになるのか。

それに「景気条項」がある。名目3%、実質2%の経済成長を前提に増税を実施するのだと思っていたが、民主党政権は努力目標で前提条件ではないという。自民党は、GDPという指標は、後になって何%だったというのがわかる指標で、法案に掲げる数値には向かず、この条項の取り下げを修正協議にかけるというが、野田総理は特別委員会で「努力目標としてあってもいいのではないか」と答弁した。

社会保障一体改革は、その内容が明確にされないままに増税が先行するおかしなことになっている。野田総理は合意に至るよう努力し、今国会期中に成案にしたいと繰り返すばかりだ。

与野党で設置する国民会議でしっかり議論し、しっかりしたビジョンを国民に示してから国会へ提案すべき政策である。そして景気条項も努力目標ではなく、本来は前提条件なのだ。成長路線への政策も怠ってはいけない。

11日の衆議院特別委員会でも「15日までにまとめ、21日までに採決する」ことが野田政権の責務だと言った。

野田総理の姿勢はブレていないが、修正協議の結果をどう党内手続きで合意に持って行くか。ひと波乱ありそうだ。

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