2012年7月29日日曜日

7.29脱原発国会大包囲デモは、日本の一番の良心か


日比谷図書館前での集会
2012.7.29

7.29脱原発国会大包囲は、日本で一番の良心か。毎週金曜日夕方の官邸前デモには参加できなかったが、29日午後3時半から日比谷公園で集会後、国会大包囲デモがあるということで参加した。どういう人たちが参加しているのか。脱原発の後にどんな展望を考えているのか知りたかったのだ。

JR有楽町駅を降り、日比谷公園へ向かう。リュックを背負った男性、自作のプラカードを持った数人連れの年配の女性、2人連れの若者、子供を連れた家族などそれらしき人たちが目立つ。

公園内のどこで集会があるのかわからなかったので、人波の方へ向かった。会場に近づくといきなり「原子力規制委員会」の人事に異議を唱えるアジが聞こえてきた。国会へ提出された規制委員会の委員長は、原子力ムラ出身で自主的避難者への賠償に反対し、更に低線被ばくリスクに関して認識がないと人事案の白紙撤回を求めている。

手作りのプラカードを持った参加者たち
2012.7.29 日比谷公園で
この委員長人事案が通ると大変なことになる。脱原発をやる前にこの人事案を阻止しようというのだ。

脱原発に向け色んな発言、行動の提案があった。

国会議員にも電話やメールでプレッシャーをかけよう。次の選挙では落ちてもらおうと呼びかける。

海外からの反応も紹介された。日本は広島、長崎そして福島を経験したのに、何故再稼働するのかというのだ。この官邸前デモや国会大包囲デモが日本の一番の良心だというのだ。

再稼動で誰が責任を問うのか。このデモを世界に発信しようという。

3.11の前に戻ろうとする政治を正そうとも訴える。

東電本店前
もう一年4ヶ月も家に帰って
いないと悲痛な訴えをしていた
2012.7.29
「電力は不足などしていない。原発依存はゼロ%」が、この脱原発デモの基本的考えのようで、原発は動かして、火力発電などは止まっていると指摘する。でも、脱原発の後の展望がわからない。

デモが始まった内幸町交差点では、再稼働賛成派と思われるグループが日の丸を振りながら、「原発再稼働で国民の電力を守れ。嘘を言って騙すな」と脱原発デモに反論していた。

デモ隊は東電本社前を通る。「再稼働反対」「家は14か月も入ることができません」と女性が悲痛な思いを訴えていた。「福島を返せ」だ。

経済産業省、原子力安全・保安院の前では、当然「再稼働反対」のシュプレルコールだ。

警察官の指示に従っての整然としたデモだったが、先頭が日比谷公園に帰ってきても、デモの後尾はまだ日比谷公園を出るところだ。

ここで解散かと思っていたら、主催者側が国会包囲をするので国会へ向かってくれという。

経済産業省、原子力安全・保安院まえ
「再稼動反対」のシュプレフィコール
2012.7.29
霞ヶ関の官庁街を国会へ向かう。次第に警察官の数が増えてきた。歩道と車道はバリケードと警察車両で区切られ、歩道もカラーコーンで行き、帰りが分断されている。国会前は完全に警察により車道が確保されている状態だ。

脱原発ということは、原発依存ゼロということだが、首相官邸前での再稼働反対を訴える抗議行動も考慮し、原発比率決定も8月中に拘らず延期するという。古川戦略相は丁寧にやっていくという。

原発がなければやっていけないという意見もあれば、原発なしでもやっていけるという意見もある。電気料金など考えて実際にどうなのか。自然エネルギーにどの程度頼ることが可能なのか。

国会前 歩道と車道は完全に警官隊が
分断
2012.7.29


私も原発はフェードアウトしかないと思うのだが、40年で廃炉し新規原発なしで産業構造、国民生活はどうなるのか。政府はしっかりした資料を提示し、国民の判断を仰ぐべきだ。

次期衆院選は「脱原発、賛成か反対か」で政策論争をしようにも、その後の展望が不明では判断のしようがない。ただの感情的な反対では悔いが残ることになる。




原子力規制委員会の人事にも抗議
2012.7.29


政治の多様化へ応じるため、小選挙区制から中選挙区制へ再改正を


「中選挙区では難問にもモノが
いえた」と言う河野前衆議院議長
2012.7.29 読売新聞
「語る 小選挙区制で政治劣化」

政治の多様化に答えるためにも、小選挙区制から中選挙区制への再改正が必要ではないか。「1票の格差」問題が最高裁で指摘され、次に衆院選に向け選挙制度の改正が急がれているが、如何にせん政党が提案する改革だから党利党略に走り決まりそうにない。特に比例区に重きを置く政党では死活問題にもなる。

そんな時、細川政権で小選挙区制導入時、野党自民党の総裁だった河野前衆院議長が讀賣新聞(2012.7.29)のインタビュー記事「語る、小選挙区制で政治劣化」で多様な意見を反映させるにも今の制度は変えるべきだと主張した。

小選挙区制では、少数意見が死票になる可能性があり、多数派がサッと決められる仕組みにしながら、「決められない政治になっている」と皮肉る。

以前の中選挙区制では難問にもモノを言えたという。

河野さんが、政治改革で理想を求めて小選挙区制に改革したが、理想とはかけ離れた改革だったと述懐しているのは、最近ではこれで2度目だ。

衆院小選挙区比例代表並立制度導入時、自民党も政治改革を巡って離党者続出の危機にあったという。「政治とカネ」の問題など政治改革のつもりでトップ会談に臨んだが、いつの間にか選挙制度改革にすり替わっていたことを悔やんでいた。

確かに今の選挙制度は問題が多い。

有権者の望む政策は多様化している。YESかNOだけでは有権者の民意を反映させられない。例えば原発問題でも、原発か反原発かだけではない。条件付きの容認論もあるのだ。

政権交代できる2大政党制では、どうしてもポピュリズムに走りやすい。郵政民営化での小泉劇場、「政権交代してみませんか」での民主党政権、賛成、反対の民意を問うとして刺客騒動まで起きた。今、消費税増税で反対し離党、新党結成した議員の選挙区に刺客を送ろうとしている。

知名度があり、選挙資金も少なくて済むスポーツ選手、タレント、テレビでのキャスターなどが重用され、小泉チルドレン、小沢チルドレンと呼ばれるような人物が多数を占め、その結果政治は劣化した。郵政民営化、民主党政権の今を考えれば、その弊害は明白だ。
地方区で有権者の支持が得られなかった候補者が比例区で復活することも不思議な選挙制度だ。何故、落としたのかわからなくなる。

各種メデイアの世論調査で共通しているのは、無党派層が50%以上を占めていることだ。特に若者の選挙離れが激しいという。

以前、若者へのアンケート調査では、「政治に参加する場が少ない」のが原因だという。選挙しか参加する場がないのだ。その選挙もYESかNOだけでは選択肢が狭すぎる。

選択肢の狭い小選挙区制から選択肢を広げられる中選挙区への再改正が必要ではなかろうか。

「党議拘束がかかっているから」という理由だけで、採決に賛成し、反対なら処分されることの是非も問われる。今の民主党にあってメデイアはこぞって反対者、造反者を処分せよというが、反対意見を蔑にするお粗末な論調ではないか。

党議拘束で拘束しなければならない政策課題こそ民意を反映しているのだろうか。国民に民意、信を問わず、難題に挑戦する野田政権は小選挙区制の弊害から出てきた圧倒的多数の議席に無理に頼ろうとしているのではないか。

2012年7月28日土曜日

大臣、官僚の多用する「重く受け止める」って、どの程度反省しているのか


総理を始め大臣や官僚が謝罪する時に多用する「重く受け止める」ってフレーズがあるが、どの程度反省しているのか。テレビを見ていた孫が「おじいちゃん 軽く受け止めるってこともあるのか」と聞いてきた。

何のことかとテレビのニュースを見ていたら、東電・福島第一原発事故の政府事故調が提出した報告書に関するニュースで、責任追及された経済産業省の原子力安全・保安院の責任者が「重く受け止める」と会見していた。

そういえば、先の国会で脱原発の首相官邸前のデモに関して「どう思うか」と質問された野田総理が、「重く受け止める」と答えていたように思う。

謝罪する時に多用されるフレーズだ。あの「3つのフレーズで答えればよい」と講演会で喋ってしまった柳田元法相が、国会を侮辱していると解任させられたが、この時のフレーズには入っていなかった。

色んな閣僚、官僚が多用するフレーズなので、謝罪の時の常用語として決まっているのだろう。

しかし、こんなに頻繁に使われると、本当に反省し改善しようという意思があるのか疑いたくなる。

孫の「「軽く受け止める」ということもあるのか」という質問に、「右から左に聞き流すこともあるのだ」と答えた。

官僚なんて自分で責任を取ることをひどく嫌う人種だ。最近の大津の中学生いじめ問題でもはっきりしたことだが、隠ぺい体質はどの分野にもはびこっている。他の失敗事例すら何ら参考になっていないのだ。

同じ不祥事が続いている。今回の原子力発電事故でも、規制側の責任が追及されていたが、原子力安全・保安院がどの程度身に染みて反省しているかはわからない。

広辞苑で、「重く受け止める」とはどういう意味か調べてみた。

「受け止める」とは、逸らさずに引き受けること。攻撃を受けて防ぎ支えること。
「重く」とは重要だということ。

「重く受け止める」とは、重要なことと逸らさずに引き受けることか。もっといい表現はないのか。

受け止めるのは良いが、しっかり対応してほしいものだ。

続く「駆け引き」と「メンツ」の不毛な政治


財政再建に向けた社会保障と税の一体改革、消費税増税やデフレ脱却、そして経済成長戦略に加えて、野田総理が解散・総選挙を先送りしてでも取り組みたいという特例公債法案、TPP,自衛隊の集団自衛権問題など難しい政治課題が続く国会であるが、その裏では不毛な政治とも言える「駆け引き」、「メンツ」が横行している。

9月には民主党・代表選、自民党・総裁選が控え、国民にとっては次のリーダーに誰がなるか、関心も大きいと思うが、人気も下落し、埋没を恐れて代表選を924日から21日に繰り上げたそうだ。自民党の総裁選が923日らしいということで、その前にやってしまって注目を浴びようということらしい。

政権の座にあればメデイアも注目するが、野党ではメデイアの注目度も低いことは言える。しかし、今回は民主党は落ち目、自民党は解散・総選挙でもあると政権奪取のチャンスでもある。当然に自民党の総裁選は注目を浴びるだろう。

開催日の駆け引きに気を使わなければならない民主党を気の毒に思う。

政治の面では、3党合意までして進めてきた社会保障と税の一体改革、消費税増税に民主党の造反者が多数出たことは、自民党、公明党にとってはメンツに関わる重大事で、国会審議でも「造反者を厳しく処分せよ」、「党内をしっかりまとめろ」と追及された野田総理は「一致結束できるよう努力する」と言うしかなかった。

場合によっては、3党合意を破棄する可能性まで出てきた。「舐めるな」ということだ。

野田総理は、「予算執行を確実なものにしたい」と特例公債法の成案を挙げているが、自民党は解散・総選挙との人質作戦の駆け引きだ。

更に臨時国会では補正予算が出てくる。3党合意では成長路線への舵切りもあり、公共事業が問題になりそうだ。自民党は民主党マニフェストをバラマキ予算と批判してきたが、公共事業が人気取りのバラマキ予算になる可能性がある。

政府vs自民党、公明党vs財務省の「駆け引き」になる。

ところで、こんなことをやっていると「財政再建は待ったなし」と言っていた野田総理の消費税増税論に説得力があるのか。
国会審議を聞いていても「待ったなし」の説得力に欠ける。「今、何故消費税増税か」にまともに答えていない。

説得力のある説明はできないが、野田総理の本音は消費税増税を施行するかどうかを判断する来年中頃まで総理の座に居たいのではないか。

願わくは、野田総理以外の政権で施行に移すかどうかを判断すべきである。

2012年7月27日金曜日

野田総理は、消費税増税施行決定まで居坐るのではないか


頑なに解散・総選挙を避けようとする野田総理に、ひょっとしたら消費税増税の施行に向けた判断を自らやりたいためではないか。そうだとしたら、来年の中頃までは野田政権が続くことになる。9月に任期いっぱいでの総選挙ということになる。参議院選との同日選挙も考えられる。それまでに野田政権は支持率回復の手を打つのではないか。

27日の参院特別委員会の国会中継を聞いていて、そんな気がしてきた。

デフレ脱却をやらなければ価格転嫁できず、収益は圧縮、経済は縮小することになる。物価下落を脱却し、再びこうならない状況になれば消費税増税はGOだと安住財務相は言う。
デフレは構造的問題を抱えており、好況でもデフレ脱却はできないとも言う。

そして、物価上昇1%にはこだわらず、すべての経済指標が上向くことを総合的に判断するのだという。目標があって、それに近づくことが大切なのだ。

停止する場合としては、リーマンショックとか大震災のような事態が考えられ、法律を出して施行を停止することになるそうだ。

質問に立った自民党の塚田議員は、どういう状況であれば消費税引き上げを停止するのか明確になっていないと主張した。

塚田議員は、いつまでやるのか、政治生命がいくつあるのかと早期の解散・総選挙を要求したが、野田総理は「予算をしっかり執行するために重要な法案が残っている」と応じた。

どうやら野田総理は、消費税増税の施行を最終的に判断することになる来年中頃まで、総理の座に座り続けるのではないか。

野田総理! 政治生命がいくつあるのか・・参院特別委員会より


「予算執行に必要な法案がある」と
解散・総選挙を避ける野田総理
2012.7.27 NHK国会中継より

「野田総理 いつまでやるんですか、政治生命がいくつあるんですか」。27日の参院特別委員会で、自民党塚田議員が、何時まで経っても辞めようとしない野田総理に業を煮やし発した質問だ。

3党合意ができているので、社会保障一体改革、消費税増税関連法案が通ると総理は安心しきっているのではないか。消費税増税法案以外にやることがあるのかわからない。早く民意を問えという塚田議員の質問に、野田総理は安心しているわけではない。思いは変わらない。重い法案だと答えた。

更に、一体改革、マイナンバー、国民皆保険の維持、特例公債法案などしっかりやり遂げる。予算をしっかり執行するために、重要な法案が残っていると答えた。

その後、自民党の宮沢議員が政治スケジュールを示しながら、89月しか解散・総選挙のチャンスはないと畳み掛けたが解散の言質は取れなかった。

野田総理は「やるべきことをやった後、しかるべき時に国民に信を問う」というが、当面の予算執行を確保するというのであれば特例公債法案の行方だろう。

菅前総理と同じように、特例公債法成立と引き換えに解散・総選挙になるのか。内閣不信任決議案、問責決議案の後ではプライドにかかわるのではないか。かといって今国会で論争になっているのは、解散・総選挙の時期だけのような気もするが。

誰が考えても今の民主党政権は行き詰まっている。野田総理の政権運営での真意が測りかねる政治状況なのだ。

谷垣総裁 自民党に「日本再生」が託せるのですか


谷垣総裁が、次期衆院選は「日本再生」の最後のチャンスと発言したことをMSNニュース(2012.7.26)で知った。自民党が政権に復帰しなければ日本の将来はなく、次の衆院選は最後のチャンスというのだ。それだけ今の日本は危機的状態なのだ。世界的にも、何もせずに重要課題を先送りする政治姿勢を「日本的」と揶揄されているのだ。

社会保障と税の一体改革、増税関連法案での衆院採決で多数の反対者、造反者をだし分裂、新党結成へと進むグループがありながら、今も分裂絡みのゴタゴタが絶えない民主党政権に政治機能不全の予兆がみられる。

欧州経済の方が余程危機的で、すぐに市場は動かないだろうがファンドは大儲けのチャンスを狙っている。

民主党は、更なる造反、分裂を回避することが、今の執行部の最優先課題で、一体改革、特例公債法など重要法案の取り扱いで政局になる可能性をはらんでいるのだ。

一方、自民党も一枚岩ではない。9月の総裁選では谷垣総裁の再選に危険信号がついていたが、新聞報道によると引退を発表した森さんが谷垣容認論を打った。瑕疵はなかったというのだ。

その谷垣総裁の目論みは早期解散・総選挙だが、四苦八苦している。党首会談で「話し合い解散」に持って行けるか、採決後に内閣不信任案、問責決議案が提出できるかどうか。そのタイムリミットは810日という。

「国民のため」の政治を忘れた駆け引きの政治が続くのだ。

ところで、自民党・谷垣総裁の言う「日本再生」のプログラムは何なのか。「最後のチャンス」というからには、それなりの政策があるのだろう。それとも相変わらずの「反民主」だけなのか。

もし、次期衆院選で自民党が単独政権に復帰できるかどうかわからないが、自・公連立であったとしても、重要法案で今のゴタゴタが攻守を変えて続くのではないか。

自民党が野党になって3年、国民は許す気になったのか。新生自民党の姿が見えてこない。

谷垣さん、新生自民党の姿を示し、日本再生のプログラムの提案を。

2012年7月26日木曜日

「待ったなし」の消費税増税も、政局がらみでは「待ったあり」か


野田総理が不退転で臨む「待ったなしの増税」と思っていたが、選挙を控えての政局絡みの局面になって来たかと思ったら、民主党執行部で「待ったあり」でもよさそうな動きが出てきた。消費税増税関連法案を先送りにしてでも、特例公債法を先にやりたいと言い出し、解散・総選挙を急ぐ自民党と対峙することになった。

先の参院予算委員会で、「たちあがれ日本」の片山議員をして「欲深い」と言わしめた野田総理であったが、25日の参院予算委員会でも山谷議員から「執行部は先送りを臭わせているが、どうなんだ」と追及される始末だ。

NHKの国会中継がある度に聞いていたが、「今何故、消費税増税か」と質問されても野田総理、安住財務相の答弁からは緊急性はうかがえなかった。

その一方で、国債残高は増加の一方だ。安住財務相は質問に答え、国債残高は25年前は145兆円だったが、現在は670兆円、銀行の保有残高も52兆円から280兆円になったという。長期金利が2%上がれば、銀行は13兆円の損失を被り大きな影響があるという。

消費税増税で国民に負担を強いることになり政治家として切ない感じがするが、安定財源の確保であり、増税分は全額社会保障に充てるので、負担ばかりでなく、受益分も考えるべきだと野田総理は言う。

消費税増税は「待ったなし」に変わりはないという。

でも、ここに来て「待ったあり」もあるのだ。

早期の解散・総選挙を目論む自民党は、中央公聴会→一体改革関連法案採決を急ぐスケジュールを提案したが、民主党は特例公債法を一体改革関連法案に先駆けてやりたいと主張、これに内閣不信任決議案、参院での問責決議案などが絡み、党内分裂の拡大を回避したい民主党の姑息な増税採決先送りが出てきた。

来月上旬にかけて、目の離せない政局になってくる。

解散・総選挙後の新しい体制で、社会保障と税の一体改革関連法案を審議した方が国民にはスッキリすると思うが、世論調査では早期の解散への支持は30%チョッとだ。

野田総理は増税は「待ったなし」と言い続けるが、民主党の政治手法は「待ったあり」もあるのだ。その理由は、党内分裂回避という身勝手な理由なのだ。

新聞報道によると、野田総理はメデイアのトップらと会食し「民主党の代表選での再選が濃厚なのではないか」と問われ、「油断はいけない」と言ったそうだが、意欲は持っているようだという。

今の民主党で代表選に出る者はいないだろうし、コロコロ総理が変わることも問題だ。再選、続投の可能性はあるだろうが、政権の座にいられるのも時間の問題だ。


民主党のキャッチフレーズだった「国民の生活が第一」を小沢新党に取られ、新しいキャッチフレーズを国会議員、党員に募集したらしい。本来なら代表である野田総理が提案すればいいものだが、これといった目標を持っていないのだ。


そんな野田総理に国民はいつまでもついては行かない。

2012年7月25日水曜日

読売新聞の「政党文化」って、お粗末過ぎないか


讀賣新聞が言う「政党文化」ってあまりにお粗末すぎないか。最近、讀賣新聞で2つの文化が記事に出てきた。722日の社説「離党相次ぐ民主」での「政党文化」と724日の政府事故調最終報告での「安全文化」だ。

「安全文化」は、東電・福島第一原発事故に関する政府の事故調査・検証委員会が、東電と政府の対応を厳しく批判し、原発事業で再構築を求めたのが「安全文化」だ。理由もなく安全神話が蔓延り、本来は危険で、その回避のために可能性な限り安全対策をとることを東電、政府ともに疎かにしていた結果、発生した大参事だ。

あくまで想定外、予見可能性がなかった不可抗力と主張し責任回避する東電、あらゆる面で危機管理に不手際を暴露した政府と関連行政機関に安全の根本に返って安全意識の再構築を求めたのは当然の帰結だ。

一方、「政党文化」では、民主党執行部は、時には毅然とした態度を示し、所属議員が政府の決定や党議拘束に従う「政党文化」を育てていかなければならないと主張する(讀賣新聞2012.7.22社説)

今回の消費税増税論争では、讀賣新聞に限らずメデイアは賛成一辺倒の論陣を張り、反対者、造反者は厳重に処分/排除せよとの論調だ。

これが「新聞という公器のやることか」とあきれ返るばかりだ。

国会議員は、国民の意見をくみ取り、国会の立法などに反映させる役目を負い、一人一人が自分の考えで行動することが期待され、党議拘束などで考え、行動に制限を加えることは厳に慎むべきではないのか。

寧ろ、今回の採決での民主党のゴタゴタの要因は、民主党の政策決定プロセスに不備があり、党内で十分に議論されないままに、委員会での審議にかけられ、国会での採決に至ったことではないのか。

野田総理も口先だけの代表であり、総理だ。

「丁寧な議論」をおうむ返しのように国会審議で言うが、先日の参議院特別委員会で民主党を離党したばかりの「国民の生活が第一」の中村議員が、「今何故消費税増税か」と民主党内で発言したが、一向に説明がなかったことを暴露した。

民主党内の運営も稚拙なようだ。鳩山政権の時の政府と党の在り方で当時の小沢幹事長に引っ掻き回されたのは、まだ記憶に新しい。

先の2009年の衆議院選、そしてその後の参議院選を見ても、知名度がそれなりにあり、関連する団体で票が確保でき、選挙費用もあまりかからない候補者が選ばれる傾向が強い。

政治より数の確保だ。

そんな候補者選びで、政党文化など育てることができるはずがない。次の選挙でそういう政治家の淘汰が期待できそうだが。

それにしても消費税増税での偏った報道には困る。

安住財務相が、参議院特別委員会で「新聞は皆賛成している」という趣旨の発言をして消費税増税を正当化しようとした。そんなことに利用されるメデイアも反省すべきではないのか。

政党文化は、有権者とメデイアが育てていかなければならないのではないか。

2012年7月24日火曜日

「消費税増税待ったなし」の総理の気持ちが国民に伝わっていない?


24日の参院予算委員会で、消費税増税の「待ったなし」という野田総理の気持ちが国民に伝わっていないのではないかという質問が、民主党川崎議員から発せられた。先日は民主党を離党したばかりの新党「国民の生活が第一」の中村議員が「何故、今消費税増税か」と野田総理を追求したばかりだ。

民主党議員を始め、国会議員の中にも「待ったなし」と急ぐ野田総理に疑問を感じている議員は多いようだ。

この「国民に総理の気持ちが伝わっていないのではないか、もっと丁寧に説明を」という質問に、野田総理は次のように答えた。

曰く「財政だけでなく、一体改革、特に社会保障で困った時に出番となる皆保険など日本の素晴らしい制度がスタートし、持続可能にすべきだが、ここに来て少子高齢化が進み、時期的変化もあって、放置すれば持続可能性が不可能になる。給付、負担を考えれば消費税増税が必要だが、財政規律も考えると安定財源として消費税増税になる。増税は切ないが社会保障を支えるためだ」という趣旨の答弁を行った。

さらに、川崎議員は、「これが国民のための改革なのか」と、先に発表された大和総研の2016年にどのくらいの可処分所得の減額になるかの資料を掲げて質問した。

野田総理は、負担分だけ考えるのではなく、消費税増税分は社会保障に充てるので、負担より受益の方が多くなるはずだ。官の肥大には使わないという。

だとしたら、大和総研の可処分所得の減額予想に対して、受益分がどうなるのか。数値で示してほしい。

また、関連法案付則18条では、増税で浮いた分を防災、減災の公共事業に充てる動きも出ている。選挙を控えての人気取りだ。野田総理はどう考えているのか。

そして更に不思議なのは、野田政権がそれほど「待ったなし」と言っているのに、何故自民党がお盆までに早期に採決を主張しているのに、民主党は早期採決に慎重な姿勢を示しているのか。

早期に採決すれば、民主党は党内が割れ、更には内閣不信任決議案、問責決議案などの提出もあり、政局は混乱してくる。民主党は党の混乱を回避するためだけの姑息な手を考えているのだろう。

1票の格差」問題もあるが、口先では「待ったなし」と言いながら政局では「待ったあり」では国民の理解など得られるはずがない。

解散で国民に問うのは信か、民意か


どうでもいいことかもしれないが気になってきたことは、解散で国民に問うのは「信」か「民意」か。菅前総理や野田総理が「やるべきことをやった後で、国民に信を問う」と国会審議で言うので、そうだと思っていたが、法律書では解散で確認するのは民意なのだ。

解散は、衆議院が民意を反映しているか疑わしい場合に民意を確かめるための制度だという。

信と民意では少し意味が違う。

「信」とは騙さない、欺かない、言をたがえることがないこと。「民意」とは国民の意思になる。

野田総理が「国民に信を問う」とは、民主党政権始まって以来、社会保障と税の一体改革まで、国民を騙しているかどうか、欺いているかどうか、言ったことが違っているかどうかを問うのであれば国民の審判は、はっきり言うと「騙された」、「欺かれた」だろう。実現性の乏しいマニフェストでの政策提言、その大幅な見直しは国民を裏切ったことになる。

民主党に「NO」なのだ。

ところが、解散で「国民の民意を問う」というと、今までの社会保障と税の一体改革案にどう思うか。これから野田総理が意欲を示しているTPP,PKO法改正案、自衛隊の集団自衛権など新しい政策を新しいマニフェストでどう取り組むか。取り組みを国民に示す政策に対しての国民の意思を確認することになる。

民主党マニフェストへの信頼の失墜、明らかになってきた民主党の政策プロセスの欠如、政権政党としての無秩序さなどは、国民に信を問えば「NO」だ。

一方、新しいマニフェストで、今後取り組もうとする政策への国民の考え方を確認するのであれば、その内容にもよるが、選挙で民主党が大負けすることを回避できるかもしれない。

自民党時代の小泉さんは、郵政民営化で「民意を問いたい」といって解散・総選挙に打って出て、圧倒的な支持を得た。一方の民主党も「国民の生活が第一」、「政治の仕組みを変える」と訴えて圧倒的多数の議席を確保した。

そして今度、野田総理は今までやってきた野田政権を始め民主党政権を国民が信頼しているかどうかを問いたいのか。

逆に、自民党は「早期解散」を要求しているが、国民に何を問うのか。その準備は出来ているのか。3党合意も案院で否決の可能性が出ているが、これで国民の信を問えば「NO」にならないか。

民意を問うのも政党が信頼されてのことだと思うのだが。

2012年7月22日日曜日

野田総理は何故、解散先送り、難しい政策課題に挑むのか


「決められる政治」を目指す野田総理が、どうして解散・総選挙で国民の信を問うことが決められないのか。どうして国民の信を問うことなく難しい政治課題に取り組むもうとしているのか。マニフェストの総崩れで民主党政権への付託は大きく後退し、野田総理自体が直接国民の信を問うていない。

社会保障と税の一体改革は勿論のこと、TPP,集団的自衛権、PKO法案改正などしっかり党内議論し、意思統一しなければならない政策課題であり、ただ野田総理の趣味(?)で扱える問題ではない。

民主党には、その前提となる党内での政策決定プロセスがあいまいで整備されないままに委員会審議、国会採決に持ち込んでいる。

先の参院特別委員会で「国民の生活が第一」党の中村議員が「「何故、消費税増税が今必要なのか」の議論が不十分だった」と、つい最近までの民主党議員の時代の協議の実態を暴露していた。

そんな政策決定プロセスの不備な党に重要課題を託すことはできない。

野田総理が解散を避けるのは、惨敗が目に見えているためではないか。国民の信を問うことなく、「決められる政治」を進めることにより、少しでも国民の評価を上げたいと思っているのだろうか。

気持ちはわかるが、今の政治は民・自・公の3党連立(?)でないと進まない体たらくだ。
このまま3党合意のような格好での政治は反対意見が埋没し、民主政治に反するのではないか。

今、国民はスッキリした政治を望んでいるのではないか。とはいっても党議拘束で締め付けることは、反対意見を蔑にすることだ。

野田総理の「やるべきことをやった後で」ではなく、「今、やるべきこと」は解散・総選挙ではないか。

このまま無理をすると「政治機能不全」の状態に陥り、市場は警戒感を強めるかもしれない。「緊急性はない」という市場関係者もいるということだが、ファンドは儲けの糸口をつかもうと政権の行方を見ている。

野田総理は一人で悩まず、国民に信を問うべきだ。

2012年7月21日土曜日

大飯、志賀原発の活断層再調査:3.11を機に「合理的見地」から「最悪想定」へ意識が変わったのか


原発周辺の活断層の存在で再調査の動きが出てきた。3.11を機に「合理的見地」から「最悪想定」へ舵切りされたような感じだ。1980年代は原発ラッシュの「原発ありき」、「建設ありき」で、建設の障害になりそうな活断層の存在、評価があいまいに扱われたのではないか。それが3.11の大震災による原発災害で見直しが急がれるのは当然の結果だ。

それにしても活断層のずさんな判定には驚くばかりだ。朝日新聞(2012.7.18)によると、電力会社の設置許可申請でのずさんな調査、不十分な提出資料に原子力安全・保安院の専門家会議で「よく審査に通った」とあきれる意見も出たそうだ。

会合の結果、大飯原発は再調査、志賀原発も再調査し、活断層であれば廃炉の方向性も出てきた。泊原発も敷地内に11もの断層が走っていると言われ、検討するように指示されたらしい。

何故今問題になっているのか。

「活断層の上に原発の重要施設を建ててはいけない」という規定は、原発の耐震安全審査指針で示されている。2006年のことだ。

活断層でよく言われることは、断層の長さを短く見る、地表に出ている部分だけで地下あるいは海底への延長を無視する、活断層であるかどうかを曖昧にするなどが考えられる。電力会社も活断層になると原発建設もままならないために、いろんな理由を付けて否定する。

原子力安全・保安院の専門家会合で従来と180度異なる意見/評価が出たことに関して、専門家会合のメンバーが大幅に変わったのかと思い、原子力安全・保安院のHPで確認しようとしたが、わからなかった。同じメンバーではないのか。

そうだとしたら、専門家もいい加減だ。

3.11を機に、原発に対する安全の考え方も「合理的見地」から「最悪想定」に意識が変わったのか。3.11以前は何とか原発を維持しようとする「原発ありき」が前提にあったが、3.11以降は本来の安全確保に回帰したのだ。

国会事故調査委員会が先に指摘していたように、電力会社と規制当局のもたれあいが、活断層否定の根底にあったのではないか。

枝野経済産業相は、讀賣新聞とのインタビュー(2012.7.21)で、活断層と廃炉に言及し、従来の基準に照らし、建ててはいけないところに建っている場合は、保安院として廃炉を求めるのは当然との立場を明らかにした。

日本全国いたるところに断層が走っている。原発立地は大量の冷却水が取り入れられる海岸線が適しているのだろう。原発周辺の断層、活断層が連動し原発に大きな被害を及ぼすことは十分に理解できるが、その発生が明日なのか、数十年先なのか数百年先かは誰もわからない。

40年で廃炉を考えると既設原発も大丈夫なような気もするが、一度原発災害が発生すると取り返しにつかない結果になることは、今回の東電・福島第一原発事故で明らかだ。

原発の安全を確保すべく新しい原子力行政として原子力規制委員会の設置が決まっているが、肝心の5委員の国会同意が停滞しているという。原因は人事が国会で決まる前に、新聞報道で内容が流出したことに、自民党が反発しているというのだ。

原発の安全をつかさどる目的から余りにもかけ離れた理由で新しい規制組織が決まらないなんてもってのほかだ。

政治家はメンツを捨て「国民のための」政治を取り戻さなけれなばらない。

2012年7月19日木曜日

今の消費税増税に正当性があるか・・参院特別委員会審議より

今の消費税増税に正当性はあるか。19日の参院特別委員会のNHK国会中継で民主党を離党したばかりの「国民の生活が第一」党の中村議員が質問に立ち、「選挙後に議論してもよいのではないか」、「2009年のマニフェストで約束していない増税をやる正当性があるのか」と安住財務相と論戦を繰り広げた。

私も「今、増税しなければならない理由がわからないし、選挙で国民の信を問うてからでも遅くはないのでは」という趣旨の記事を載せたこともあり、久しぶりに聞く耳をたてた。

選挙と増税をからませて議論することはよくないが、「選挙後に増税を議論してもいいのではないか。今やる正当性、妥当性はあるのか」との質問に安住財務相は、先の衆院での採決で75%の議員が認識を共有しているし、自公政権時の所得税改正法付則104条に基づく増税であることを主張した。

そして、いずれ国民の審判を受けることになるが、3党合意は大きな成果だとも言う。

でも今は、成長戦略をとり、デフレを脱却し、成長路線に持っていかなければならない時で、増税の時期、順番が違う。ブレーキとアクセルの踏み方が違うと主張し、2009年に約束しないことを今どうしてやるのか。その正当性が分からないと中村議員は挑む。

更に、本当に財政危機なのか。為替デイーラーに聞くと、「緊急性はない」という。いつまで財務省の路線を踏襲するのか、財務省の考え方を変えるのが民主党政権ではなかったのかと畳み掛ける。

逆に安住財務相は、「メデイアは増税を是認しているではないか」と反論した。

19日の午前中の審議でも日本の国家財政の現状について論戦が張られたが、安住財務相は、従来からの財務省の考えを繰り返すばかりだ。

新聞だって、確かに増税のキャンペーンを張っているが、財務省に増税論調を強制されているし、新聞は何故か軽減税率の適用を要望している。理由は公器だからという。

今の新聞に消費税増税でバランスのとれた報道など期待できない。

結局、本当に財政危機なのか、今やらなければならないほど緊急性があるのか、選挙後にしっかり議論しても遅くはないのではないかなどの疑問に納得のいく説明は安住財務相からはなかった。

最後に野田総理も感想を聞かれたが、新成長戦略とデフレ脱却は同時にやらなければならず、財政再建がブレーキではない。財政を考えずに政治をやってきた結果が、今の状況なのだと増税の正当性を主張した。

今国会中継が面白い。今になって初めて本質論での議論になってきた。




3党合意で「決められる政治」が進むのか


3党合意で「決められる政治」が進むのか。野田総理が「政治生命をかける」と背水の陣で取り組む社会保障と税の一体改革、消費税増税関連法案も政策を同じくする自民党、公明党との3党協議を経て修正3党合意が成立し、国会審議では与野党議員も発議発案者として答弁に立っている。

ところで3党合意で「決められる政治」が進むのか。

早速、政権与党である民主党から消費税増税採決で3党合意に反する造反者が続出し、今でもポロポロ離党者が続き、しかも今まで使っていたキャッチフレーズである「国民のための生活が第一」も小沢グループの離党、新党結成で持って行かれた。参院特別委員会の審議でも自民党議員などから「何とかしろ」と野田総理のガバナビリテイーを追及する声が上がっている。

しかも、この3党合意も参院審議で修正もあり得ると野田総理が発言したニュースが流れて、野田総理は内容はどうでもよく、一体改革という名の法案が成立すればいいと考えているのかと疑問が湧いてきた。

案の定、19日の参院の特別委員会の国会中継で、そのことを聞かれ、野田総理は「まだ気が付かなかったことも出てくるだろう。そういうときには修正も考える」という意味の弁解をしていた。

3党合意も政党によっていろいろ思惑があるようだ。

質問に立った「たちあがれ日本」の片山議員は、民主政治から考えると3党合意のような政党政治には賛成できないという。二院制で熟議のプロセスを確保しなければならないと意味の主張をしていた。

自民党の野田議員は、発議者として財政再建、消費税増税の重要性を考え、3党協議に参加し合意案を発議した。今後は解散・総選挙で新しい政権を選び進めるべきだという意味の答弁をし、自民党の主張している「早期解散・総選挙」を訴えた。

片山議員は、スケジュール的には、今が解散・総選挙のチャンスと野田総理に畳み掛けたが、野田総理は「やるべきことをやった後で」と従来の考えを繰り返すが、片山議員は「欲深い」と批判した。
公明党議員も3党合意では「重い決断をした」ことと強調し、附則第182項の実施を要求した。

3党合意で一体改革も前に進むかと思っていたが、消費税増税が絡んでくると、議員の個別事情が絡んできてゴタゴタし、政権与党の民主党は末期症状と揶揄され、「政治機能不全」と見られてもおかしくないが、市場はまだそこまで行っていないようだ。

野田総理は「決められる政治」で海外のメデイアには評価がいいし、日本のメデイアも一体改革、消費税増税、3党合意を後押しするが永田町はどうなっているのか。

3党合意に頼っていると民主政治を歪めることになるし、国会審議での政策論争に支障をきたすのではないか。

2012年7月18日水曜日

解散時期で国民の支持? 野田総理か、谷垣総裁か


熱心な消費税増税論者である野田総理と谷垣総裁の唯一の相違点は解散時期だ。野田総理は「やるべきことをやった後」というが、谷垣総裁は「早期解散」だ。このまま政治がモタモタしていると任期が1年を切り「早期」とは言えなくなり、谷垣総裁は自民党内で求心力を失う。

野田総理は専権事項である解散権をチラつかせて増税採決でけん制するが、従来から「やるべきことをやった後で、国民に信を問う」と繰り返し、山積する政治課題に「決める姿勢」を示し、区切る時期があいまいだ。

何やら菅政権時の「菅おろし」と似てきた。野党の反対が強い特例公債法を担保に解散に踏み切ることも考えられる。

今選挙をやると、民主党の惨敗は明らかだ。政権の座に就くと甘い汁を吸うことができる。どうせ負け戦であれば、任期いっぱい政権の座にいて甘い汁を吸い続けようと考えても不思議ではない。「国民のため」と言いながら本音は利権の確保だ。

甘い汁を吸うことのない民主党議員が、選挙を控えて行動に出た。消費税増税反対、TPP反対、原発再稼働反対、尖閣諸島問題で中国に及び腰外交反対で離党、新会派結成の動きに出たのだ。党議拘束で縛られるのを嫌い自らの考えで行動することを望んでいる。本来こうあるべきではないのか。

一方、自民党も一体改革3党合意で、政策論争が難しくなり、野党でありながら半野党、半与党の立場で、参院特別委員会の国会中継を見ていてもやりにくそうだ。野党である自民党議員の質問に自民党の発案者が答弁する光景は迫力を欠き滑稽だ。

先の党首討論で谷垣総裁が、質問時間を15分残して止めたことが問題になっていたが、従来から主張は平行線で折り合い点はない。だから3党合意した結果、論争点が埋没したのだ。

解散時期について、国民はどう考えているのか。

直近の讀賣新聞(2012.7.16)の世論調査を見ると、「出来るだけ早く」34%、「今年の秋以降」27%、「任期満了まで行う必要はない」32%だ。

谷垣総裁の早期解散への賛成は34%、秋以降、任期満了が59%になり、国民は野田総理を支持しているように見える。総理がコロコロ変わることへの抵抗もあるだろう。

内閣支持率は31%だが、首相が信頼でき、これまでの内閣よりはましとも見られている。

3党合意で一体改革関連法案に自民党案を反映さすなど、それなりに実績を上げている谷垣総裁だが、難しい立場に置かれていることになる

野田vs谷垣:明暗の分かれ目は解散・総選挙

野田総理と谷垣総裁の政治攻防は、明暗が分かれるだろ解散・総選挙だ。谷垣総裁は「先頭に立って政権を取り戻すまでは徹底的にやる」と早期解散を要求するが、野田総理は「やることをやった後で国民に信を問う」と一体改革、TPPそして最近は自衛隊の集団自衛権まで政治課題に挙げ、言質を取られない発言に努める。

何やら菅政権の時の末期に似て来た。

ところが谷垣総裁の要求する「早期解散総選挙」も政局がゴタゴタし、停滞する状態が続けば来年9月の衆議院の任期いっぱいに近づく。1年を切れば早期などと言えない。

「野田総理は」というと、党内のゴタゴタ、造反者を抱えたままでの求心力は落ちる一方で、案の定離党、新会派結成の動きが続く。輿石幹事長は「国民に信を問う前に、政権は崩壊する」と危機感をあらわにする。

今の民主党は、選挙となれば惨敗で、政権の座から追われる運命にあるし、第一党の立場だって危うい。民主党が選ぶ一番の道は任期いっぱい踏ん張ることだ。

9月の民主党代表選は、野田総理の再選だろう。前原さんは立候補しないこと明言したし、ころころ総理が変わることは避けた方がいいに決まっている。この難局に敢えて代表選に出る人間がいるのか。

自民党の谷垣さんも、9月に自民党総裁選を控えている。解散・総選挙を勝ち取れなければ、谷垣さんの求心力は落ちるという。そうでなくても地味で選挙の顔に向かないとの批判がある。

谷垣さんだって、手詰まり状態なのだろう。

先の党首討論で、15分も質問時間を残して打ち切り党内から批判が出ているが、追及するネタがなくなっているのだ。

その要因の一つが、一体改革、消費税増税への民・自・公の修正3党合意がある。重要法案が自民党主導で進んでおり、政治的攻防が難しくなってきている。

野田総理、谷垣総裁にとって、今は「手詰まり」状態なのだ。

突破口は、内閣不信任決議案、参院での問責決議案だが、どの時点で突き付けることができるのか。

修正3党合意に対する忠誠心だろう。民主党の政権交代時の主要マニフェストはどうなったのか、経済成長への影響、消費税増税関連法案の付則18条での消費税増税分の予算の使い方など火種を抱えたままでの国会審議が始まった。

選挙を控え、政治が人気取りに走ったのでは本末転倒だ。はっきり明暗の分かれる選挙であっては、尚更だ。










2012年7月17日火曜日

大阪維新の会、国政進出:維新八策は共感できるが、本当に託せるか


維新八策には共感できる面が多いが、その実現には不安を感じざるを得ない。耳障りのいい政策を掲げ、ポピュリズムに乗ってそれ相当の議席を確保できたとしても、民主党の二の舞になる可能性が大きい。ただ政権を取れる状態ではないために一抹の安心感はある。

国政に進出が画策されている維新の会(維新政治塾)の八策がメデイアで漏れ伝えられるようになった。既成政党の不甲斐なさをしり目に、上げ潮の大阪維新の会だが、その政策の内容が明らかになるに従い、賛同する面も大きいが、尻込みする面もある。

最近のメデイアの世論調査では、大阪維新の会の国政進出を56%の人が期待し(読売新聞2012.7.16)、比例代表の投票先でも維新の会が28%、民主党14%、自民党16%で圧倒的に人気がある(毎日新聞2012.6.3)。

この結果を見て、橋下大阪市長は「大変うれしい。ただ既成政党に対する不信の裏返しで、積極的な維新の会への応援ではないと思う」(毎日新聞6.4)と冷静は判断を示していた。

決して維新の会に追い風が吹いているとは限らないのだ。71日投開票のあった大阪府羽曳野市長選では首長選での推薦候補が初めて敗れる結果になった。29日には山口県知事選でも維新の会に近い関係者が出馬し、その趨勢が注目されている。

維新の会が大きな曲がり角に立ったのは、大飯原発再稼働に向けて反対だった橋下市長が、何を思ったのか条件付き賛成に回り、なし崩しで野田政権は再稼働に踏み切った。維新八策には「脱原発依存体制へ」が掲げられているが、理想論をぶち上げる一方で現実問題に直面した時、翻意しなければならない事態にも直面するのが現実の政治なのだ。

維新の会の八策には共感すべきことが多いが、特に若い世代は「自立、自己責任」が要求されていることを忘れてはいけない。

世代間格差では「同一労働 同一賃金」を問題解決手段に挙げている。企業は人件費削減に非正規雇用を強めているが、同一労働、同一賃金で正社員との格差を是正しようとしている。これは昔から提案されていたことであるが、最低賃金の改正だって抵抗が大きい。

年金システムも賦課方式から積立方式に変えることにより、年金保険料が自分の年金給付のためだけに使われ、年金不信も解消するというのだ。

生活保護も問題がある。務めて得る収入より生活保護の方が収入が多く、おまけに医療費までただなのだ。これでは公平さに問題がある。年越し村が社会現象になって以来、生活保護費が急増し、財政を圧迫するまでになった。貧困を食い物にする輩が増え、本当に保護されなければならない弱者の保護がないがしろにされている。

この医療費を自己負担させる改革が挙げられているが、既得権益者である医師会が反対しているという。医療費が只だからチョッとしたことでも医者に行く。医者はそれで儲かるというのだ。

日本を本当に変えようと思うと既得権益者の排除は欠かせない。財務省の権限を弱体化するためには歳入庁の創設が急がれるが、何故か民主党はマニフェストに掲げながら、歳入庁構想は消えて行った。修正合意でも自民党が歳入庁に反対したらしい。それはそうだろう、自民党の伊吹さんだって財務省出身だ。野田総理だって財務省に助けられてやっと政権運営やっているようなものだ。

特別会計の見直しもやらなければならない。国会の監視なしに官僚が思うままに使える会計などあってはならないものだ。民主党も主張していたが、今はどうなったか。

国家公務員の強固な身分保障など廃止した方がいいに決まっている。しかし、公労協を支持母体に持つ民主党では不可能だ。

統治機構の作り直しも課題だ。維新の会は首相公募、消費税の地方税化、道州制を挙げている。憲法改正が必要な課題もあり、チョッとやソッとではできない。ハードルの高い政策であるが、人気のある政策なのだ。

今無党派層が50%を超えている。既成政党に飽きて第三極が注目されているが、維新の会のどの程度の実行力があるのか。そして、自助、自己責任で自分はどう対応できるのかを合わせ考えて行かなければならない。

熊本県知事を辞めた細川さんが日本新党を立ち上げた時、希望あふれる若手政治家などが集まり国会へ進出し、連立政権を樹立したが陰の実力者、財務省に引っ掻き回され、そして自らの政治とカネの問題で1年と持たず瓦解した。

新しい党だったから、地方組織も整備されないまま献金を募ったために、募金をしたがうんともすんとも言ってこないと批判される事態になった。

寄せ集め所帯の民主党だって、「日本の仕組みを変える」と理想論を打って政権の座に就いたが、理想のかけらもなくなり自民党に牛耳られる状態になり下がった。

「日本を変えなければならない」、「自助、自己責任」、「維新の会が本当に期待できるか」など慎重に考えながら、「維新の会」に対応しなければならない。

一時の夢を託した行動は慎むべきだ。

2012年7月16日月曜日

世界文化遺産登録推薦へ:富岡製糸場の「木骨レンガ造」は見事だ


富岡製糸場

地元念願の旧官営富岡製糸場の世界文化遺産登録へ向けた一歩が踏み出された。「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界文化遺産に推薦が決まったという。順調にいけば2014年夏に登録の可否が決まるらしい(読売新聞2012.7.13)。

今から約140年前の明治5年、殖産興業を掲げた政府は、養蚕が盛んで製糸に必要な水が確保でき、燃料が近くで取れ、広い敷地も確保できる条件に合ったこの群馬県富岡市に、フランス人の指導で官営富岡製糸場(器械製糸工場)を建設した。

全国から若い女性が技術伝習生として集められ、技術習得後はそれぞれの地元で技術指導者として活躍したそうだ。

この富岡製糸場も民間企業に払い出され、最後は片倉工業が昭和62年に操業を停止するまで115年間活躍した。

施設群はこの富岡製糸場はじめ日本全国から繭を集める為の碓氷峠鉄道施設、全国標準の養蚕法を創造した高山社発祥の地、冷凍施設としての荒船風穴など10施設が絹産業遺産群となっているが、今回は4施設で構成されるらしい。

私も歴史的建造物に興味があって、何回も見学に来た。最近有料になり1500円見学料がかかる。

木骨レンガ積み
何よりも興味を引くのは、正面に見える東繭倉庫だ。1階は検量所、作業所で、2階が繭の貯蔵に使われていた。構造は「木骨レンガ造り」で木の骨組みと西洋レンガ積み技法だ。

工場内は、当時としては珍しい「トラス構造」で、邪魔な柱はなく広い作業場が確保されている。

建設材料も、この近辺で手に入る物が使われている。

骨組みに使われた木は妙義山の2~300年ものの杉が使われた。真ん中の赤身を使っているから水を吸い上げる導管もなく固くしまっている。今も木の部分はペンキの塗り替えだけで、交換したことはないらしい。鉄は錆びるが木はそんなことはない。

工場内は柱を省き、広さを確保している
漆喰は、近くの青倉で取れる。今でも石灰を生産している。

レンガも近くで焼いたという。埼玉県の深谷から瓦職人を連れて来て、技術を教えレンガを初めて作ったのだそうだ。あの渋沢栄一も一役買ったらしい。レンガ積みも壊れている箇所は見られない。

兎に角、いつ見てもその姿は美しい。

バラバラに散在する施設群、富岡製糸場と切っても切れない施設として「くず糸」を再生する「旧新町くず糸紡績所」(高崎市)があるが、カネボウから系列の食品会社へ渡り、今私有財産のようになっている。一度見学しようと訪問したが守衛で断られた。それぞれ自治体によってはその取り組みに温度差があるのだろう。

140年前に、どうしてこんな場所に日本の近代化を目指す産業を起こしていったのか。疑問に思うことだろうが、施設を見学し当時の写真を見ることにより納得がいくかもしれない。全国からどのようにして繭を集めたか。そして製品をどのようにして横浜に運んだか。今の発展した交通機関と関連して当時を知ることができる。

世界遺産登録に向け推薦されたから見学するのではなく、日本の近代化に向けた施設として注目すべきではないか。

2012年7月15日日曜日

いじめ問題:教育は家庭で8割、学校で1割、社会が1割では


「いじめ」でのアンケート結果を報じる
テレビ朝日 スクランブル
2012.7.15

学生時代のことだが、教育のことで学校の先生が責任追及されていた時、「教育は家庭で8割、学校で1割、社会で1割」と聞いたことがあり、この意見に同感だった。今、大津で中学生がいじめられ自殺に追い込まれた事件が毎日メデイアで大きく取り上げられているが、いじめている中学生の家庭ではどう対応していたのか。

教育委員会、学校は相変わらず隠ぺいしようと目論んでいたが、数次にわたるアンケート結果の公表、警察の家宅捜査で渋々対応も変わってきたが、「当時、いじめの認識はなかった」という点では変わっていない。

「いじめ」の定義はいじめられている本人が「どう受け止めるか」に係っているが、アンケートの結果では、「いじめ」よりも刑事事件での立件が可能な状況だ。学校では手に負えない段階に来ていたのではないかと思う。

そもそも、教育は8割が家庭の責任だ。

学校は1割、社会が1割と見る。何か学校で問題があると先生の責任が追及される。今回の事件も未然に防止できなかったことに学校の責任はあると思うが、大方はいじめる側の生徒の家庭の責任である。

保護者会でのニュースがメデイアで流れて、学校の先生に追及の矛先が言っているが、PTAは何をしていたのか。このような事件になれば相当噂は広まっていたはずだ。

PTAが事件の未然防止に活動することもできたはずではないのか。例えば、PTAで校内パトロールをして、いじめの発見、防止に努めることもできたのではないか。

勿論学校の在り方も問題になる。今は先生、学校がいろんな面で評価されるために「隠ぺい体質」がはびこって、「認識できていなかった」と責任逃れになる。

年配の教育長、顔にぼかしのかかった校長が責任逃れの説明をするたびに、教育とかけ離れた雰囲気になる。

私も最近、孫を保育園に迎えに行く途中で、中学生3人連れで、喧嘩か「いじめ」かわからない状況に出くわした。道路の真ん中にカバンが落ちていて、一人が弱そうな生徒に蹴りを入れていた。後の一人はへらへら笑いながら見ていた。
通りかかりに「何をしているんですか」と声をかけると喧嘩(?)を止め、何もなかったような態度をとる。「いじめ」か一時的な喧嘩かは確かに判断しにくい。

教育上問題が起きると、即学校の先生の責任が追及されるが、学校の先生だって今色んな仕事があって対応が後手になりやすい。

でも、教育の8割は家庭にあることには間違いない。自分の子供が社会で、学校で何をしているか、しっかり把握し導いていくのが親の仕事である。

たらい回しで、弱い野田総理に、何故手こずっているのか


たらい回しで出てきた野田総理に何故手古ずっているのか。国会・民主党村での代表選で「ドジョプがどうしたこうした」で泡沫候補から一転、代表→総理の座に就いた野田総理だが、消費税増税採決で民主党は分裂、造反者を抱えたままの危うい党内運営、野党からは解散・総選挙を要求される始末で、何故「野田おろし(?)」に手古ずっているのか。

国民は一度も野田総理の顔での政治ポスターを見たことがない。

内閣支持率は20%台、政党支持率と併せても50%を切る危険水域にある。

そんな野田総理だが、「やるべきことをやるんだ」と「決められる政治」に突き進む。

組閣以来、任命する大臣は次から次へ問責決議され、内閣改造に追いやられるが野田総理の任命責任は問われずじまい。

党内政治基盤は脆弱で、他グループの支持がなければやっていけない。

もし自民党政権だったら降ろされている事態であるが、何故野田総理は総理の座にしがみつけるのか。

総理には国務大臣の任命権がある。国会議員は皆、大臣待望組だ。選挙区では「早く大臣を」と切望されるので総理には逆らえないのだ。任命責任を問われたが「責任はある」と言ったきり責任らしいとり方はしていない。

解散権を持っているから、選挙が怖い国会議員には解散をちらつかせて反対をけん制することができる。選挙の時は公認権を持っている。今回野田総理が消費税増税賛成を公認の判断基準にすると言って党内が騒ぎ、弁解していた。

内閣不信任決議案がでれば、内閣総辞職で改造すれば辞めなくても済む。

参院での問責決議案では無視すればいいが、今は「ねじれ国会」状態だ。参院審議がストップすれば政治は停滞する。

今、野田総理は生き残りをかけ、自・公との連立での政権運営を目指している。修正3党合意があるので、参議院でも通ると思っているのだろうが、どうもそうはいかないようだ。自民党は「舐められている」と見て態度を硬化している。

野田総理が解散権を使って総選挙に突っ込むのか、野田おろしで退陣するのか。「弱い総理」と言っても、大きな権限を持っており手古ずるばかりで、そのうちに任期いっぱいになる。

逆に強い総理として小泉さんが挙げられるだろう。自民党でも派閥の長でもなかった小泉さんが総理の座に就いたのは、長老支配からの脱却という自民党のイメージチェンジの必要があったからではないか。

今までの総理と違って「郵政民営化」に並々ならぬ熱意を持っていた。一説によると、郵政相時代に軋轢が出来たとも言われている。

そしてワンフレーズで理解は別として、わかりやすい政治を国民に訴え、メデイアも乗せられ、小泉劇場が始まった。メデイアを上手く使った総理だったのだ。

しかし、郵政民営化が一段落すると、キッパリ総理の座から降りた。国会を延長せずに閉めたのだ。その後の政権で年金問題が噴出し、自民党政権は大きな痛手を被ることになった。小泉さんは、次は年金問題が噴出することを察して早々と国会閉会したのだ。

そして小泉さんがメデイアと組んで強引に進めた郵政民営化が今どうなっているのか。自民党は分裂、郵政民営化改革はゴタゴタで、初志とは違ったものになってきた。

強い総理と言われた小泉さんも、この程度だ。

弱い総理と言われる野田さんだが、意外に強い。財務省の知恵が入っているのかと勘繰りたくなる。

2012年7月14日土曜日

混乱極める野田・民主党、総選挙で建て直しが優先では


消費税増税採決で造反者を除名、新党へ出て行った議員もいれば、造反者を抱えたままで、混乱を極めるように思える民主党。新党が民主党のスローガンだった「国民の生活が第一」を党名にしたとみると、野田総理は「「国民の生活が第一」とは、「やらなければならないことを先送りしないこと」だ」と強がってみせる。

消費税増税で喜ぶのは、予算編成で自由度が上がった財務省と付則18条の規定で消費税増税で浮いた予算を公共投資に転じて人気取り政策を進めようとする選挙を控えての自民党、公明党の面々だ。

消費税増税や諸々の制度改革で、大和総研の試算では2016年には国民の可処分所得は大幅に減少する。その時になってはじめて野田政権に騙されたと気が付くのだ。

「国民の生活が第一」は、なんだったのか。小沢元代表が言うように「政権交代の時の民主党ではなくなった」のか。野党時代は純真(?)だった民主党も官僚に囲まれ、権力の座に就くと豹変する。

その民主党の混乱が極まっている。

消費税増税を踏絵に、賛成を公認の条件にすると言った野田総理だが、党内の抵抗が激しいとみるや弁解に努める。

新党へ出て行った議員の空白域を埋めるべく刺客を立てると言えば、そう簡単には人材の発掘はできないし、共倒れで自・公に漁夫の利があるなど民主党本部と地方組織で意見が違う。

野田総理は民主党の議員総会で、「今回の分裂騒動の責任を強く感じている」と謝罪するが、どう責任を取るのかわからない。党内造反者は「代表選には立候補するな」と要求する。

消費税法案も参議院での審議に入ったが、民・自・公の3党修正合意も怪しくなっている。問責決議案、内閣不信任決議案提出で責任を追及されそうなのだ。

野田総理は「やるべきことをやった後で、国民に信を問う」というが「やる前」に国民に信を問うべきではないのか。国民は野田総理の顔が入った政治ポスターを一度も見たことがない。

最近、海外で評価されてきた「決められる政治」に向け、TPP,自衛隊の集団的自衛権など山積する課題、憲法解釈に関わる課題に果敢に挑戦する姿勢を国会審議で見せる野田総理だが、未だ国民に直接信を問うていないことを忘れてはならない。

そこのところを無視して、がむしゃらに進め、政治を混乱させては海外ファンドの思うツボだ。

今ならまだ時間がある。早期に解散総選挙に踏み切ることだ。その後、信認を得たなら懸案事項をやればいいことだ。

日銀のデフレ脱却への政策も尽きたか


日銀のデフレ脱却へ向けての政策は尽きた感じがしなくもない。日銀は12日の金融政策決定会合で、追加緩和を見送る判断をした。各国中央銀行の相次ぐ利下げにも拘わらず日銀は追随しないというのだ。詳しいことを知ろうと日銀ホームページから「総裁記者会見要旨 2012.7.13」を見た。白川総裁は「金融緩和の最適なスピードを引き続き意識しながら景気、物価の展開や効果をじっくり見極めながら適切な政策運営を行っていく」と言い、その結果が様子見なのだ。

利下げというが、日銀はゼロ金利に近い0~0.1%の政策金利で推移するように促しており、コールレートは0.07~0.08%程度になっている。これを完全にゼロ金利にすると、金利水準は下がる効果があると思うが、その副作用もあり十分意識する必要があるというのだ。相変わらず用心深さは変わっていない。

先の日銀総裁選びの時、白川さんが副総裁から急遽総裁に格上げされた。その時の新聞は、政策金利はゼロ金利に近く、政策の自由度は少ない。誰が総裁になっても難しい対応を迫られると論評していたが、その通りだ。

今の世界経済をどう見ているか。我が国は復興関連需要などから「緩やかに持ち直しつつある」といい、消費者マインドも改善の傾向がみられるが、海外では欧州経済は停滞し、中国も減速しており全体には減速状態から脱していないという。

日本経済の先行きについては、内需が堅調に推移し、海外経済が減速状態から脱すれば緩やかな回復経路に復すると考えているようで、物価面でも前年比でゼロ%近辺で推移するとみている。

そして、世界経済を巡っては様々な不確実性が大きいが、日本銀行は、デフレから脱却し、物価安定の下での持続的成長経路に復することが極めて重要な課題と認識しているというのだ。

更に、この課題は幅広い主体による成長力強化の努力と金融面からの後押しの両方が揃って初めて実現するのだと指摘し、日銀は引き続き適切な金融政策運営に努め、金融システムの安定確保に万全を期すという。

成長路線強化に向け、政府もしっかり財政政策をやれと言っているのか。日本再生戦略に期待しているともいう。

今盛んに新聞は「札割れ」を報じている。固定金利オペなどで応札額が資金供給予定額に満たない状態が続いているのだ。

ところが日銀は、これは金融緩和政策が浸透している結果だという。こうした状況でも、資産買い入れなどの基金は、本年末65兆円、来年6月末には70兆円程度積み上げ、現行の金融緩和を間断なく進めていくと従来の考えを強調している。そして、ゼロ金利政策と相まって「中長期的な物価安定の目途」の実現を目指すというのだ。

日銀は、強力な金融緩和がいずれ効果をはっきしていくものと考えているという。

何度も聞くコメントであるが、今までのことを考えるとデフレ脱却、物価上昇に効果がなかったのではないか。それでもこれから効果が出てくるというのか。

デフレ脱却で何時も問題になるのがマネタリーベースだ。

今回も記者がマネタリーベースの伸び率が低く、強力に金融緩和をしているとは見られないという。平均残高は昨年12月に115.5兆円、今年の6月に119.9兆円で4.5兆円しか上がっていない。

しかしこれについても白川総裁は従来通り対GDP比では先進国の中央銀行の中では一番高い水準であると反論する。

でも在野のエコノミストは、2008年を100とした時の流通通貨量の伸び率は、先進国が急激な緩和を行っているのに対して、日銀は相変わらず緩慢な増加なのだと指摘する。通貨量を増やせば、デフレ脱却、物価上昇、円高対策になるというのだが、日銀は頑なに拒否する。

しかし、日銀が今までやってきた金融政策に大きな効果がなかったことを考えると、日銀がやっていないのは通貨量の増加だけだ。

市場に資金は十分にあるが、企業が技術開発で消費者が欲しがる製品を市場に出していないことに原因があるという日銀の指摘もうなずける。雇用の確保を考えると内需拡大が優先課題だ。日本再生戦略もまとまるようだが、今まで成長戦略が効果がなかった原因は何なのか。

今回発表される再生戦略も、政権が変われば反故になる。そんなことを考えれば企業家もやる気が出ないのでは。

2012年7月12日木曜日

消費税増税法案付則18条:見えてきた増税の騙しのテクニック


「先伸ばしできない、待ったなし」と野田総理が国民に訴えていた消費税増税も民・自・公の3党合意で前に進むかに見えたが、案の定国会議員、財務省の騙しのテクニックが使われていたのだ。法案の付則という姑息な手段を使った消費税増税の本音が見えてきた。

朝日新聞(2012.7.12)によると民・自・公の修正合意の際に自民、公明の要望で景気対策の項目が追加されたという。

それによると、「附則182項」に、「財政による機動的対応が可能となる中で、成長戦略並びに事前防災、減災などに資する分野に資金を重点的に配分する」と記されているのだ。

要は、消費税増税で予算編成に自由度が増す分、公共事業に支出しようという。赤字国債を発行せずに財源が確保できるというのだ。この条項があるのは知っていたが、無意味な人気取りのバラマキ予算に使ってはまずい。

自民党は国土強靭化基本法案などで今後200兆円の支出を目論んでいる。

財政再建のための緊縮政策では景気後退の懸念もある。また消費税10%でもプライマリー・バランスは改善しない。15%は必要と言うから消費税増税は切りがないのだ。

そこで経済成長路線が要求されるようになり、財政出動が必要になってくる。選挙も控えて自民党、公明党は人気取り政策が必要なわけだ。民主党だって今、成長路線に踏み込もうとしている。

しかし、これでは野田総理や安住財務相が国会審議で「増税分は社会保障に充てるから心配ない」と言ったことを鵜呑みにしてはいけないのだ。

この3党の騙しのテクニックを見ると、足尾鉱毒事件で被害者の側に立って奔走した田中正造翁が言った「国民が監督を怠れば、為政者は盗人になる」という意味がよく理解できる。100年以上前に言ったことだが、今も十分に当てはまっている。

「もっと前にやるべきことがある」「国民の生活が第一」と言って民主党を離党した小沢元代表グループの方が、まだまともだと思わないか。

日本再生戦略:2020年までと言わず政権が変われば反故の運命か


日本再生戦略を報じる読売新聞
2012.7.12

2020年までの日本再生戦略は、8年後と言わず、政権が変われば反故の運命か。毎度のことながらこの種の政策は財源の捻出、如何にして官僚利権を排除できるか(規制緩和)、そして企業のやる気だと思うが今度は本当なのか。今までも自民党政権以来、日本経済の成長路線に向け戦略を出しているが、民主党政権では菅政権時の新経済戦略に次いで今度日本再生戦略がまとまったという。

新成長戦略は409項目を挙げられていたが、効果が確認できたのはたったの36項目で10%にも達しなかった。野田総理は国会で、「今までの成長戦略をあらゆる面から検証し、新たな戦略をまとめる」と言っていたが、その検証結果はどうだったのか。

きちんとした検証をしないままに、また450項目と似たような分野での投資になるのか。

新しい再生戦略では古川戦略担当相は、「PDCAサイクルでチェックしながら推進する」と成果を重要視する発言をしていたし、野田総理は「成果の上がらない分野は予算削減し、重点投資にあてる」などの趣旨の発言をしていたが、菅政権時代の新成長戦略の検証結果はどうだったのか。

この種の政策では、いつも規制緩和、官僚の利権排除、少ない予算をどう有効に配分していくかが問題だという。

今回も古川担当相は「規制や制度改革を通じて起業を促し、政策の優先順位を付けることでメリハリのある予算配分をする」と通り一遍のコメントをする。

何度同じことを聞けばいいのか。

経済界だって、いつも思い切った規制緩和、法人税の減税など他力本願の訴えをしているが、新しいことに取り組もうとする本気度があるのか。経団連の会長は記者会見で「日本が本当に変わったな、と実感を与えるような戦略でないと再生はできない」と言ったそうだ。

「日本が本当に変わったな」と思わせるには、官僚の利権排除、規制緩和が重要だろう。国民の身体、生命を守る安全確保のために規制は重要であるが、官僚機構の利権に絡む規制は全廃すべきだ。また官庁を跨っての規制こそ必要ない。

起業で何時も例に出されるのがクロネコ・ヤマトの宅配便事業だ。当時ヤマト運輸は三越の配送を一手に引き受けていたそうだが、当時の三越の岡田社長の政策に批判と危惧を感じた小倉社長が、配送のノーハウを生かした事業として宅配業を起業したが、それまでに各種規制が大きな壁となっていた。小倉社長は、一つ一つ官庁を戦いながら規制緩和へと持って行ったそうだが、官僚の抵抗は激しかったという。

今回の日本再生戦略は11分野で450項目の政策からなっているというが、その政策の詳しいことはわからないが、2020年までの達成を目指し経済成長を確実なものとしたいらしい。

8年後だ。政権が変われば反故と同じ運命にある。8年後まで誰が見ているのか。8年後に民主党は残っているか。野田さん、古川さんはまだいるか。

変わらないのは官僚だろう。時の政権の要望で同じような成長分野、成長項目を挙げながら生き延びていく。その時、決して官僚の利権は手放さないのだ。

2012年7月10日火曜日

7月10日長野県北部で連続地震M5、最大震度5弱


NHK地震情報 2012.7.10

10日午後1時前、テレビで地震情報が流れた。すぐNHKにチャンネルを切り替えると、確か上越地方で震度5弱と出たと思う。少しして震源地は長野県北部でM5、震度5弱が中野市木島平村、震度4が長野市、飯山市、上越市は震度4を記録、愛知県、静岡県、山梨県などで震度1、広域で揺れた。

震源は北緯36.8度、東経138.4度で地図から見ると飯山市、中野市木島平で深さは20㎞、ところが初回の1249分に続き1252分と続けて揺れている。

この辺は連続で揺れることがあるようだ。2010103日にも上越地方で連続地震 最大震度4という記事がある。M3~4の地震が計3回発生したのだ(2010.10.3 毎日jp)。今回も1249分に最大のM5があって15時過ぎまでM2.5~3.5が12回も発生している。

この長野県北部地震の震源域は、糸魚川―静岡構造線と柏崎―千葉構造線に囲まれたフォッサマグナの中にあり、3.11東日本大震災の翌日に巨大地震が発生し大きな被害を出した栄村も20km離れているだけだ。とはいっても20kmも離れていると被害も変わってくる。

30年以内に大地震が起きる確率
今回発生した地震の震源域もすでに
知られている活断層のようだ
朝日新聞 2012.1.17
この辺の活断層はどうだったのか。「30年以内に大地震が起きる確率(朝日新聞
2012.1.17)」を見ると図示されているので明らかになっている活断層が通っている地域だ。

新潟県、長野県のこのあたりは、糸魚川ー静岡構造線、それから北海道方面に伸びる日本海東縁変動帯があり、柏崎―千葉構造線で活断層も分かっている。巨大地震の発生を予知している研究者がいるかどうか。

琉球大学名誉教授の木村政昭先生が、新潟内陸に空白域があるという。ここでは1751年にM7.4が発生していると指摘している(これから注意すべき地震噴火 青春出版社 2000211月)。

最近では、大気中のイオン濃度変化に着目している神奈川工科大学の矢田准教授が、最も不穏な動きを続けているのが信越地方だという。ここでは3.11の前に1cc6万個計測されたイオンの数に迫る勢いで、現在5万個前後を記録し続けており、東日本大震災に近い規模の発生を予測している(週刊女性 2012.7.10)。
この程度で予知に成功したとは思わないだろうが、3日には東京湾を震源とするM5.2が発生し、元禄型関東地震の震源域の近くということでいろんな憶測が飛んでいる。

気象庁地震情報
3時間の間に12回も揺れている
2012.7.10
本当に危惧されている巨大地震が発生したらどうなるのか。大震災は繰り返し、それぞれ発生間隔があり予測もされているが、3.11の東日本大震災での変動でいつ起きても不思議ではない状態なのだ。

選挙を控えて「損得」で政治を歪めていないか


民主党代表選、自民党総裁選そして総選挙が近づくと、議員であり続けたい、政権の座にとどまりたい欲望で政治は「損得」が絡んで複雑な動きになる。野田総理は代表、総理の座に未練があり、谷垣総裁は自民党総裁の座を維持し、政権奪取を目論み総理の座を狙う。国会議員は、選挙で勝ち残れるかどうかが重大な関心事だ。

政局の根底には、この問題が付きまとう。要所要所での判断基準が我が身の立場なのだ。

9日の衆議院予算委員会の国会中継を聞いた。

民主党分裂後の初めての予算委員会に、小沢元代表と離党した「国民の生活が第一」の議員が「消費税増税の党内決定過程に問題がある」と野田総理を追求したが、「瑕疵はない」と跳ね除けた。

谷垣総裁は、債務問題には自民党も責任があると認めながらも、相変わらず「マニフェスト違反」を取り上げ、早期の解散・総選挙を要求する。

野田総理は、「やるべきことをしっかりやった後」というが、社会保障と税の一体改革関連法案ばかりでなく、特例公債法などやらなければならないことがあると、解散・総選挙の時期の言質を取られないように従来の考えを繰り返す。

自民党は、主導した3党合意が怪しくなるのを心配し「造反者を処分せよ」と、まだ民主党内に造反者を抱えていることを危惧する。

鳩山さんの処分で、党員資格停止期間を6か月から他の処分者と同じく2か月に減らしたことも、国民にとってはどうでもよさそうなことでも、「解散・総選挙ありき」の自民党にとっては問題にするのだ。

内閣不信任決議案、問責決議案など追い詰める手はあるが、その提出が今の解散・総選挙に「得なのかどうか」が判断基準になるのだ。

一方、民主党は政策を実行する責任があり、野党に比べて国民の批判は大きい。政権の座にいる強みで、政治的スケジュールを考えた時に、いつが一番「損」が少ないかが判断基準になり、「損」が大きい状況下でも一番「得」は方法を選ぶのだ。

政権与党内の抗争で長期間参議院が休会の状況にあったり、3党合意に至っても、その実行性に問題を抱えている。

万一、総選挙で自民党が第一党に返り咲いたとしても、民主党のメイン政策で、一時棚上げになった後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金制度などは3党合意の中で復活してくるものなのか。野田総理は党内の反対派に「放棄したわけではない」と弁明していることを考えると、今の民主、自民、公明間のゴタゴタは続くのだろう。

日本の政界の混乱も、市場はまだ「政治機能不全」とは見ておらず、ユーロ危機の安定化先送り要因もあり、長期金利も低下し、日本国債はまだ安全資産と考えられて取引されている。

野田民主党、谷垣自民党の「損得勘定」で政治を歪められるのは御免だ。