2012年7月12日木曜日

日本再生戦略:2020年までと言わず政権が変われば反故の運命か


日本再生戦略を報じる読売新聞
2012.7.12

2020年までの日本再生戦略は、8年後と言わず、政権が変われば反故の運命か。毎度のことながらこの種の政策は財源の捻出、如何にして官僚利権を排除できるか(規制緩和)、そして企業のやる気だと思うが今度は本当なのか。今までも自民党政権以来、日本経済の成長路線に向け戦略を出しているが、民主党政権では菅政権時の新経済戦略に次いで今度日本再生戦略がまとまったという。

新成長戦略は409項目を挙げられていたが、効果が確認できたのはたったの36項目で10%にも達しなかった。野田総理は国会で、「今までの成長戦略をあらゆる面から検証し、新たな戦略をまとめる」と言っていたが、その検証結果はどうだったのか。

きちんとした検証をしないままに、また450項目と似たような分野での投資になるのか。

新しい再生戦略では古川戦略担当相は、「PDCAサイクルでチェックしながら推進する」と成果を重要視する発言をしていたし、野田総理は「成果の上がらない分野は予算削減し、重点投資にあてる」などの趣旨の発言をしていたが、菅政権時代の新成長戦略の検証結果はどうだったのか。

この種の政策では、いつも規制緩和、官僚の利権排除、少ない予算をどう有効に配分していくかが問題だという。

今回も古川担当相は「規制や制度改革を通じて起業を促し、政策の優先順位を付けることでメリハリのある予算配分をする」と通り一遍のコメントをする。

何度同じことを聞けばいいのか。

経済界だって、いつも思い切った規制緩和、法人税の減税など他力本願の訴えをしているが、新しいことに取り組もうとする本気度があるのか。経団連の会長は記者会見で「日本が本当に変わったな、と実感を与えるような戦略でないと再生はできない」と言ったそうだ。

「日本が本当に変わったな」と思わせるには、官僚の利権排除、規制緩和が重要だろう。国民の身体、生命を守る安全確保のために規制は重要であるが、官僚機構の利権に絡む規制は全廃すべきだ。また官庁を跨っての規制こそ必要ない。

起業で何時も例に出されるのがクロネコ・ヤマトの宅配便事業だ。当時ヤマト運輸は三越の配送を一手に引き受けていたそうだが、当時の三越の岡田社長の政策に批判と危惧を感じた小倉社長が、配送のノーハウを生かした事業として宅配業を起業したが、それまでに各種規制が大きな壁となっていた。小倉社長は、一つ一つ官庁を戦いながら規制緩和へと持って行ったそうだが、官僚の抵抗は激しかったという。

今回の日本再生戦略は11分野で450項目の政策からなっているというが、その政策の詳しいことはわからないが、2020年までの達成を目指し経済成長を確実なものとしたいらしい。

8年後だ。政権が変われば反故と同じ運命にある。8年後まで誰が見ているのか。8年後に民主党は残っているか。野田さん、古川さんはまだいるか。

変わらないのは官僚だろう。時の政権の要望で同じような成長分野、成長項目を挙げながら生き延びていく。その時、決して官僚の利権は手放さないのだ。

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