2012年7月28日土曜日

続く「駆け引き」と「メンツ」の不毛な政治


財政再建に向けた社会保障と税の一体改革、消費税増税やデフレ脱却、そして経済成長戦略に加えて、野田総理が解散・総選挙を先送りしてでも取り組みたいという特例公債法案、TPP,自衛隊の集団自衛権問題など難しい政治課題が続く国会であるが、その裏では不毛な政治とも言える「駆け引き」、「メンツ」が横行している。

9月には民主党・代表選、自民党・総裁選が控え、国民にとっては次のリーダーに誰がなるか、関心も大きいと思うが、人気も下落し、埋没を恐れて代表選を924日から21日に繰り上げたそうだ。自民党の総裁選が923日らしいということで、その前にやってしまって注目を浴びようということらしい。

政権の座にあればメデイアも注目するが、野党ではメデイアの注目度も低いことは言える。しかし、今回は民主党は落ち目、自民党は解散・総選挙でもあると政権奪取のチャンスでもある。当然に自民党の総裁選は注目を浴びるだろう。

開催日の駆け引きに気を使わなければならない民主党を気の毒に思う。

政治の面では、3党合意までして進めてきた社会保障と税の一体改革、消費税増税に民主党の造反者が多数出たことは、自民党、公明党にとってはメンツに関わる重大事で、国会審議でも「造反者を厳しく処分せよ」、「党内をしっかりまとめろ」と追及された野田総理は「一致結束できるよう努力する」と言うしかなかった。

場合によっては、3党合意を破棄する可能性まで出てきた。「舐めるな」ということだ。

野田総理は、「予算執行を確実なものにしたい」と特例公債法の成案を挙げているが、自民党は解散・総選挙との人質作戦の駆け引きだ。

更に臨時国会では補正予算が出てくる。3党合意では成長路線への舵切りもあり、公共事業が問題になりそうだ。自民党は民主党マニフェストをバラマキ予算と批判してきたが、公共事業が人気取りのバラマキ予算になる可能性がある。

政府vs自民党、公明党vs財務省の「駆け引き」になる。

ところで、こんなことをやっていると「財政再建は待ったなし」と言っていた野田総理の消費税増税論に説得力があるのか。
国会審議を聞いていても「待ったなし」の説得力に欠ける。「今、何故消費税増税か」にまともに答えていない。

説得力のある説明はできないが、野田総理の本音は消費税増税を施行するかどうかを判断する来年中頃まで総理の座に居たいのではないか。

願わくは、野田総理以外の政権で施行に移すかどうかを判断すべきである。

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