2012年8月31日金曜日

都内直下の飯田橋断層:山手台地直下を震源とする地震の可能性?

日本第四紀学会2012年度
講演要旨集

南海トラフ巨大地震での人的被害者数には驚く。首都圏直下地震でも4ケースで被害想定が発表になっているが、今度JR中央線飯田橋駅付近の飯田橋断層の活動性から山手台地直下に震源を持つ地震の可能性が明らかになった。まさしく東京直下地震になる。

すでに新聞やNHK・おはよう日本などでも報道され、最近では週刊誌では田端→飯田橋→四谷の最悪の場所で発見された「首都縦断」活断層でM7地震が直撃するとまで言う(週刊現代2012.9.8)。

その研究報告は20日の日本第四紀学会2012年大会で発表された豊蔵さんらによるものだ。私も講演要旨集を入手し読んでみた。口頭発表タイトルは「山手台地下の伏在飯田橋推定第四紀断層の活動性」だ。

調査は、既往の1000件を超す地盤調査用ボーリングデータの再解析から始まったようだ。その結果、JR中央線飯田橋、市ヶ谷駅及び九段付近で地層の深さが大きくズレていることが分かったというのだ。

飯田橋断層の北北東ー南南西系の
伸びを地図に落とした
四谷ー市谷ー飯田橋ー本駒込ー
田端に伸びる実線 中央が
JR飯田橋駅
九段付近にも断層がある(右側の
実線) 
飯田橋駅、市ヶ谷駅周辺から北北東―南南西に伸び、新聞、週刊誌では北は田端、南は四谷まで伸びて、最大で7kmにわたり断層が食い違っており、更新世中期後半から後期にわたり繰り返し活動した可能性が出てきた。

従来は、荒川断層方向の北西―南東に伸びる断層が注目されたのだが、この北北東―南南西の断層も注目する必要があるらしい。

関東平野は厚い堆積層に覆われており、この飯田橋断層も表層部に存在するが、より深いところでは地震を起こす断層につながっている可能性があるのだ。

更に、この断層は正断層型で岩盤に引っ張る力が働きズレたのだ。

3.11東北地方太平洋沖地震が発生する前までは、活断層は東西方向の圧縮応力で形成される逆断層型が主に注目されたが、4.11福島県浜通りの地震を起こした井戸沢断層は正断層型だった。

このことを考えると、超巨大地震の後で、このような正断層型が動く可能性もあることを考えると、首都直下地震の発生後に飯田橋断層が動くことも考えられる。そうなると週刊現代がシミュレーションしていた衝撃の事実が現実になってくる。

研究者は、飯田橋断層の分布の長さ、繰り返し間隔、最終活動時期、変位量などを詳細に調べる必要があるという。

今まで、ただ見つからなかっただけのことで、これからも出てくるだろう。断層がないこと自体がおかしいのだ。

[後記]
9月2日のテレビ朝日 スクランブル「大地震 銀座&築地に断層帯」で、豊蔵さんが出演されて銀座、築地に断層帯あることを示唆されていた。そのとき飯田橋断層帯にも触れていた。

私の地図に図示したものが少し違っていたので、スクランブルで図示された画面を表示する。
飯田橋断層帯の他に市谷断層帯、九段断層帯が推定されている。
2012.9.2 テレビ朝日 スクランブルより

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