2012年8月7日火曜日

東電・会議映像公開:菅前総理の事故直後の行動にも理解を


やっと東電が事故直後の会議映像を公開したと思ったら、「ぼかし」や「ピー音」で画像に手が加えられていた。ありのままの公開を要求するメデイアに対して東電は個人情報の保護もさることながら責任問題に発展する可能性については、告訴されていることから当然非公開の手段をとったのだろう。

水素爆発前後の混乱するやり取り、未経験で且つ予想もしていなかった重大事故に経営トップから現場の責任者まで相当狼狽え、対応が後手後手に至った状況も映像からうかがい知ることができる。

残念なことは当時の最高責任者である菅前総理の東電での言動が明確にされなかったことだ。

菅前総理自身は、事故の解明のためにも自身の音声、映像も含めて全面的に無条件で公開すべきだとコメントしている。

事故調は、危機管理体制の不備、菅総理などの政治介入に対して責任を追及する内容の報告書を提出していた。しかし、菅前総理が具体的にどういう行動、言動をとったのか不明な点が多かったが、今回も解明することはできなかった。

事故直後の菅前総理の行動に対して、パフォーマンス好みの面もあったと思うが、ある程度の理解も示さなければならないと思う。

最高責任者として、思うような情報が入ってこないこと。政治決断しようにも現場がどうなっているのか、何が今必要なのか、どんな緊急時体制で東電が対応しているのか、現場の責任者は誰なのかなど本当に知りたいところなのだ。

それについて、誰も適切なアドバイスができないのだから自身で現場に乗り込んで確認する姿勢は責任感の表れでもある。

一歩退いて、専門家、危機管理者に任せておけばよかったのだという論調が多いが、それはいかがなものかと思う。

事故調査委員会のメンバーは、こういった非常事態での経験はない人ばかりだ。多くの関係者と接触し調査したのはいいが、机上の空論で事故解析をすること自体にも問題がないか。

逆を考えたらどうなるか。

総理は専門家、危機管理担当者に任せていたが、一向に対応が進まず今回のような結果になった場合、最高責任者としてもっととるべき方法があったのではないかと批判を受けることにならないか。

菅前総理の行動を否定だけしていたのでは、何ら解決策は見つからない。非常事態には、最高責任者の行動こそポイントなのだ。

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