2012年11月25日日曜日

党首発言:佳境に入った選挙戦前夜?


乱立気味の政党、政党合流でめまぐるしき変わる公約、そして大胆な政策を発表する安倍総裁を野田総理が批判し、それに安倍総裁は応戦する与野党逆転の様相を呈し、日本維新の会の橋下さんもキャスチングボードを握ろうと、合流話に「じゃんけん」という政治決断を持ち出した。

野田総理、日銀の金融政策では一向に改善が見られなかった円高、株安が、安倍総裁の成長戦略で市場が反応し、円安、株高へ展開するようになった。一時の市場の反応という見方も捨てきれないが、野田総理の経済政策にNOを突きつけたようなものだ。

25日のテレビ朝日の報道ステーションSUNDAYはおもしろかった。生出演と言うが、別々の出演だ。

最初に出演した野田総理が、安倍総裁の経済成長率3%、日銀の資産買い入れ枠無制限、建設国債発行、日銀買い入れ政策に反論した。「現実的でなく、行き過ぎたインフレの危険もある」というのだ。自衛隊を国防軍にする話も、憲法改正がいるのでその行程がはっきりしないという。

次に登場した安倍総裁に、キャスターが野田総理の考えを投げかけた。

国防軍については、憲法改正が発議できる両院で2/3の議席を取ってから憲法改正へ持って行くという内容の反論をしていたように思う。

経済成長3%になると、その正当性をエール大学の浜田教授からのメールで説明した。

それによると、日銀法改正以来、金融政策が不十分で、デフレ、円高の状態が続いているのだから金融拡張は当たり前の処方箋で、野田総理の考えは非常識だという。政策手段としてはインフレ目標が望ましく、4%までは良いという説もあり安倍総裁の2~3%は適正な数値であるという。

そしてデフレ脱却には、日銀が国債を大規模に買い入れれば良いが、短期国債でなく、長期国債、社債、株式の買い入れも必要になると言う。

日本経済の成長は、緩やかなインフレと共存しての結果であり、デフレを克服するとハイパーインフレの危険があるというのは脅しだというのだ。
国会でも日銀の大規模買い入れが審議されたが、政府、日銀は拒否した経緯がある。

ノーベル経済学賞受賞者のクルーグマン教授も、「こういう時期は財政出動で景気を刺激せよ」というが、各国政府は緊縮財政しかしないとぼやいている。

今までの野田政権、日銀の金融政策は効果がなかったのだから、ここは大きく政策転換をしてみても良いのではないか。野田総理はインフレの行き過ぎた例を挙げるが、そんな心配はないという識者も多い。

一方、第三極を目指す日本維新の会の橋下さんの言動が批判にさらされている。

選挙区で競合する結果になった「みんなの党」と合流したい橋下さんは、選挙区調整を「じゃんけん」で決めても良いと言ってしまった。

これには、各党がかみついた。

それを見て、橋下さんは「言葉のセンスがない。理屈で決めなくても最後はまとめましょうよ」というメッセージで、どっちを取ろうかという政治決断を「じゃんけん」と言ったそうだ。

「日本維新の会」のくるくる変わる公約、橋下さんの言葉には惑わされるばかりで、こんな「日本維新の会」に国政の一翼を託せるのかと不安になる。

「民主はダメ、ダメだった自民に戻るのか」と問われても、「では日本維新の会は大丈夫なのか」と問いたくなる。

今は何を言っても大丈夫と思って各党首の話も佳境に入った選挙戦前夜であるが、公示日までにしっかりした政策を出さなければならない。

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